月刊 未来人
FUTURE REPORT APR 20 2023
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 140/61402
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2025* 三重県津市の工業団地から養殖サーモンが出荷される(年1万トン)
2025 飛翔する虫の急所にレーザー光をあてて駆除する技術が実用化
2025 愛知県西尾市にシングルモルト・ウイスキーが誕生
2025 トヨタのウーブン・シティが第1期エリアの実証実験を開始(静岡)
2025 兵庫県尼崎市に阪神タイガースの2軍本拠地ができる
2026 北海道初の肺移植がクラウドファンディングで実現(目標額700万円)
2026 神戸市が通年型スケートリンクを整備(主に競技用)
2026 宮崎のバイオマス発電所が鶏糞の1/2を消費(ブロイラーの産地)
2027 米石油メジャーが世界最大級のクリーン水素プラントを建設
2027 北海道千歳市の工業団地で次世代半導体の生産がはじまる
2028 京急川崎駅の隣接地に複合エンターテインメント施設がオープン
2028 イセエビの漁礁を備えた洋上風力発電設備が銚子市沖で稼働
2030 中国が核融合の原型炉CFETRの運転をはじめる
2030 農業がプラスチックでコーティングされた肥料に依存しなくなる
2030 働きながら介護する人が318万人に増える(ビジネスケアラー)
2030 東京大が光量子コンピューター(測定誘起型)を完成
2030 EUの企業と市民が高速のインターネットを安価に利用する
2030 会津若松市が都市OSの登録5万IDを達成(全世帯数に匹敵)
2030 間伐材で育てたシロアリが養鶏の飼料になる(京都大)
2030 人の反応より高速な通信規格(6G)が実用化
2030 光通信より125倍速い通信基盤が完成(IOWN)
2030 関西の百貨店がスマート農業で10億円を売り上げる
2030 英石油メジャーが石油・ガスの削減割合を25%減にとどめる
2030 米国のLNG生産量が世界の3割を占める(現状は2割)
2032 東京池袋がウォーカブルな街に生まれ変わる(区制100年)
2035 電力の90%がクリーンになり、原発の新増設なしに低料金になる
2035 米国のワシントン―ボルティモア間をJRのリニアが運行
2035 ラグビーの男子W杯が日本で開催される(実現すれば2度目)
2040 団塊ジュニア世代が退職しはじめる
2042* 山口県光市が16ある小中学校を5カ所の一貫校に集約(20年調整)
2050 プラスチック消費が1.2-1.7倍に増え海洋汚染が深刻化する
2050 タイヤの原料が100%リサイクルとバイオマスになる(現状は25-30%)
【未来動向―基盤】
2024 DV防止法がモラル・ハラスメントに対応(4月)
2024 政府が孤独や孤立の支援に必要な個人情報を官民で共有(4月)
2025 EUが銀行クラウドなどに常時監視を導入(DORA)
2025 すべての大学生と高専生がデータサイエンスを理解する
2025* 男性の育児休業取得率が50%に達する
2025 訪日クルーズ船の寄港先が100港に増える(観光立国推進基本計画)
2027 米国海軍の原潜部隊が豪州を巡回(AUKUS)
2028* 米国が原潜の生産能力を高める(2023-28会計年度)
2030 EUが重要資源の10%を域内で調達(戦略的自立)
2030 EUが脱炭素関連の重要製品を域内で4割生産(戦略的自立)
2030 米国がバージニア級原潜3-5隻を豪州に売却(2030年代)
2030* 男性の育児休業取得率が85%に達する
2030 政府が医療DXを推進する(2023-30年)
2030 世界の石油需要が2021年比で20%減少する
2033 日本が40万人の外国人留学生でにぎわう
2035 中国がデジタル・チャイナ(数字中国)を実現
2035 米英豪が開発した原潜が英国に引き渡される(2030年代後半)
2040 米英豪が開発した原潜が豪州に引き渡される(2040年代)
【未来動向―市場】
2025 国内の動画広告市場が1兆円を超える(2022年は5601億円)
2026 DCの国内市場が4兆251億円に拡大(2020年の1.5倍)
2028 イーアクスルの世界市場が657億ドルの規模に拡大(2021年の約7倍)
2028 ラボオートメーションの世界市場が71億ドル(約1兆円)に拡大
2030 世界の石油需要が2021年比で20%減少する
2030 英石油メジャーが石油・ガスの削減割合を25%減にとどめる
2030 米国のLNG生産量が世界の3割を占める(現状は2割)
2030 国産ウイスキー「富士」が海外売上35億円を達成(2022年の7倍超)
2030 中国のLNG需要が欧州を上まわる(1億4000万トン超)
2030 生成AIの世界市場が1000億ドルを超える(成長率は年平均35%)
2035 イーアクスルの世界市場が5670万台に急増(2021年の38倍)
2035 自動車以外のモビリティーが世界で4934万台普及(2019年の約8倍)
【未来動向―自動車】
2024 米テスラが専用の充電器7500基を他社に開放
2025 トヨタが米国でEVを一貫生産(2025-26年)
2025 日産がEVに新型のイーアクスルを搭載
2025 日産がソフトウエア重視の新型車をラインアップ
2025 中国が新車販売に占める新エネルギー車の割合を20%に高める
2025 ボルボ・カーズが日本販売のEV割合を45%以上に高める
2026 ホンダが自社開発のEVを米で発売(オハイオ州で一貫生産)
2026 EVの消防車が登場
2026 日産がイーアクスルのコストを3割低減(2019年比)
2026 日産がEVのインバーターに炭化ケイ素を使用した半導体を採用
2026 日産が米テネシー州でEVの中核部品を現地生産(米歳出歳入法)
2026* 日産が欧州市場でEV、HVの導入割合を98%に高める(従来は75%)
2026* 日産が国内市場でEV、HVの導入割合を58%に高める(従来は55%)
2026* 日産の中国市場でのEV、HV導入割合が35%にとどまる
2026 米フォードモーターがトルコのアンカラで車載電池を量産
2027 独VWがカナダのオンタリオ州で大型電池工場を稼働
2030 日産がEVの生産コストをガソリン車なみに低減
2030 ホンダのソフトウエア技術者が2000人に増える(2倍強)
2030 独VWが北米の新車に占めるEVの比率を50%に高める
2030 米テスラがEVの年間生産台数2000万台を達成
2030 中国が新車販売に占める新エネルギー車の割合を40%に高める
2035 中国が新車販売に占める新エネルギー車の割合を50%に高める
2035 三菱が世界販売に占める電動車の割合を100%に高める
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・欧州連合(EU)デジタル・オペレーショナル・レジリエンス・アクト(DORA)
・欧州委員会、重要原材料法案
・欧州委員会、ネットゼロ産業法案
・欧州委員会、ギガビットインフラストラクチャー法案
・米英豪、AUKUSによる豪州への原潜配備計画合意
・中国「新エネルギー自動車産業発展計画(21-35年)」(2020年)
・中国「国民経済・社会発展の第14次5カ年計画(21-25年)と35年に向けたビジョンと目標綱要」(2021年)
【国内】
・政府、AI戦略2019
・政府、こども・子育て政策に関する基本的な考え方
・政府、観光立国推進基本計画(2023年3月改定版)
・政府、2023年度税制改正
・政府、教育未来創造会議での外国人留学生数表明
・消費者庁、食品表示基準改正
【企業/大学全国区】
・タイ、セントラル・パタナ社の5カ年計画(2023-27年)
・アイシンと北海道大触媒科学研究所の産業創出講座「アイシン北大R&Dラボ」開設(2023-25年)
・キリンビール、ウイスキー戦略
・NTT、次世代通信基盤「IOWN」商用サービス開始
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・北海道黒松内町「マイナスカーボンシティ宣言」
・新庄市「歴史的風致維持向上計画(歴史まちづくり計画)」(山形)
・酒田港カーボンニュートラルポート協議会中間とりまとめ案(山形)
・会津若松市「スマートシティ会津若松」構想(福島)
・銚子市「ゼロカーボンビジョン」(千葉)
・川崎カーボンニュートラルコンビナート構想(2022年)
・相模原市「まちづくりガイドライン」素案(2022年7月)
・光市教育委員会「ひかり学園」構想(山口)
・福岡―釜山フォーラム第15回会合
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・中国、習政権2023年予算案(軍事費の伸び率7.2%)
・アルツハイマー病新薬「レカネマブ」の国内実用化(年内)
・原発の60年超運転を可能にする法案
・核融合の国家戦略案(春)
・2070年までの将来推計人口(春)
・2022年の合計特殊出生率公表(6月)
・骨太の方針、子ども関連予算倍増の大枠
・東京練馬、ハリー・ポッターのスタジオ施設開業(夏)
・2022年の出生数確定(9月)
・パラサーフィンの全日本選手権新設(9月)
・国立劇場の閉場(10月)
・岸田政権の「こども大綱」まとまる(秋)
・中部縦貫自動車道の勝原IC―九頭竜IC間開通(秋)
・亀田製菓の子会社が福井で代替肉工場を本格稼働(秋)
【今月登場した未収録の未来】
・EUの戦略的自立
・グローバルサウス(インド中心の第3勢力)
・日本財政の持続可能性
・原発の60年超運転
・自然共生サイト認定
・関西電力の石狩市沿岸の大規模洋上風力発電計画(最大130基、総出力178万5000キロワット)
・京都、空き家税
・光トランジスタ
・プラントベースフード(原料が植物の食品)
・リーガルオペレーションズ(法務の成長貢献)
【今月決着した未来】
・ロシア、新START履行停止
・NASAのSLS打ち上げと宇宙船オリオンの飛行成功(2022年11-12月)
・国内出生数、初の80万人割れ(2月、厚労省人口推計2022年速報値)
・関電、高浜原発4号機の自動停止(1月末)
・次世代通信基盤「IWON」の商用サービス提供開始(3月)
・いすゞ、小型EVトラック発売(3月)
・鳥取県の出生数、3945人で下げ止まり(減少が多いのは都市圏)
【今月の未来語】
・6G実用化
・DORA(EUの金融システム監視制度)
・IOWN(NTT)
・愛知産シングルモルト
・イーアクスル市場(成長市場)
・医療DX
・核融合発電プラント「CFETR」(中国)
・観光立国推進基本計画(改訂版)
・ギガビットインフラストラクチャー法案(EU)
・京急川崎駅隣接エリア(再開発)
・光量子コンピューター(東京大)
・孤独と孤立
・相模原駅南地区(再開発)
・スマートシティ会津若松(福島)
・生成AI市場(成長市場)
・ゼロカーボンビジョン(銚子市)
・ゼロカーボンベースボールパーク(尼崎)
・戦略的自立(EU)
・高山線全線開通100周年
・デジタル教育のELSI(エルシー=倫理的、法的・社会的課題)
・デジタル・チャイナ(数字中国)
・ビジネスケアラー
・釜山万博
・マイナスカーボン宣言
・ラグビーW杯日本開催(2度目)
・ラボオートメーション(成長市場)
・歴史まちづくり計画
【用字用語】
1)DORA=デジタル・オペレーショナル・レジリエンス・アクト(金融:EUの金融システム規制)
2)ELSI=エルシー(技術:科学技術の社会実装で問題になる倫理的・法的・社会的視点)
3)ITER=イーター(核融合:国際熱核融合実験炉)
4)PFAS=ピーファス(環境:人工の有機フッ素化合物)
5)黒松内町=くろまつないちょう(地名:北海道)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2023年4月号」
Future Lab 未来人
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