前回に引き続き予測射程を観察します。今回は予測射程についてより細かい分布を見てみましょう。グラフをご覧ください。前回と同じ、2011年8月の全データから、予測時点がまだ到達していない17702件を使用しました。

2012.08 予測射程の分布（件数）

これは横軸に予測射程（1-40年）をとり、各年の予測件数をプロットしたものです。

このグラフにどんな印象を持たれるでしょうか？　目立つのは3-4年目付近の大きなピークと、9-10年付近にある第2のピークです。が、このままでは件数が少ない分野での特徴がよくわかりません。そこで同じデータを、分野ごとに全体を100とし、各年の件数を％に換算して再描画してみます。

2012.08 予測射程の分布（比率）

件数が少ない分野でも、ピークが大体一致していることがわかります。「資源」（赤）は4年目に最初のピークを持ち、以降5年ごとに6回ピークを繰り返しています。これは偶然ではないと考えた方がいいでしょう。

1つだけピークがずれている分野があります。「環境」（緑）は最大ピークが11年目にあり、ピークの繰り返しが目立ちません。なぜ他の分野と違った波形を描くのか、考えてみる必要がありそうです。

また、特に集中が目立つのは、3年目に30％近くのピークがある「通信」（青）です。

最初の概観で3つのカテゴリに分けられそうだといいましたが、予測射程分布の変化から見てみると、次のように分けることができそうです。

　カテゴリA　医療、宇宙、技術、経済、交通、資源、社会、情報
　カテゴリB　環境
　カテゴリC　通信

次回12月は、発表年と予測年の関係を見てみます。（Ｙ）