月刊 未来人
FUTURE REPORT MAY 20 2025
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 170/66023
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2026 宇宙望遠鏡による太陽系外惑星の探査がはじまる(米国)
2027 空飛ぶクルマが商用運航(国内。機体は米国製)
2027 米軍のSSA探査機が月周辺を監視(SSA=宇宙状況把握)
2027 東京大が創立150年の節目を迎える(赤門を補強修復)
2027 韓国の菓子大手が国内外の生産能力を強化(ロシア、ベトナム)
2027 北海道が主力小麦の改良品種「きたほなみR」の栽培を本格化
2027 タイ不動産大手が相次いで高級住宅を開発(一般住宅は足ぶみ)
2027 秋田県立大が東京大教員が教える新しい研究科を開設(地方知と先端知の融合)
2027 北海道中頓別町が幼小中一貫の学園と町民センターを統合
2028 米大統領選にトランプ氏が出馬(3期目)
2028 国産大豆の生産を2.5倍に増やすシステムが本格稼働(16企業と13研究機関の連携)
2028 堺市の酒蔵が木桶発酵の本格ウイスキーを発売
2028 木造人工衛星の2号機が打ち上げられる(初号機は2024年12月)
2028 札幌市で学んだミャンマー人留学生が市の路線バス運転手になる
2028 ロサンゼルス五輪で居場所をなくしたホームレスがハワイに移動
2028 青森の弘南鉄道大鰐線が運航を休止(大鰐線=おおわにせん)
2029 米第6世代戦闘機「F47」が飛行する(第47代トランプ大統領の任期中)
2029 外食大手が自社の農地と牧場の面積を約2倍に広げる
2029 十勝産大麦100%のウイスキーが発売される
2030 雷雲にドローンを飛ばす「空飛ぶ避雷針」が実用化
2030 モーターのないPVCゲルの人工筋肉が歩行を支援
2030 大阪市の夢洲と奈良方面が直通列車で結ばれる
2030 エビを養殖しながら海藻を育てる循環型農業がはじまる(国内5カ所)
2030 全国の路線バスが完全キャッシュレスになる(運転手の負担軽減)
2030 比叡山延暦寺が根本中堂(国宝)の大規模改修を終える
2030 スーパーコンピューター「富岳」の後継機が運用を開始(能力5-10倍以上)
2030 中低所得国で443万-1075万人のHIV感染者が生じる(支援鈍化)
2031 男子ゴルフの松山英樹選手がマスターズ出場20回を達成(歴代首位)
2031 欧州初のテーマパークが開業(英国)
2032 小惑星「2024 YR4」が3.8%の確率で月に衝突
2033 神奈川の三崎漁港(マグロ基地)がリゾート地に生まれ変わる
2034 岐阜県土岐市の山中で核融合炉が発電実証を開始(土岐市=ときし)
2034 奈良の興福寺五重塔(国宝)が大規模修理を終える
2035 福知山市が循環型森林整備エリアを構築(2025-35年)
2035 このころ還元鉄の生産が商用化(CO2排出を75-80%削減)
2035 日本の緑茶輸出額が532億円に達する(2024年は363億8000万円)
2035 AIの普及でホワイトカラーが180万人余剰になる(国内)
2040 外国にルーツがある人と外国籍の住民が30代前半の2割を占める
2040 群馬のクリエイティブ拠点が県全域に広がる(デジタル人材の育成)
2040 シンガポールのMICE収入が3倍に増える(45億シンガポールドル)
2045 TXの沿線人口がこのころまで増え続ける
2045 先端半導体の微細化競争がこのころまで続く(限界は原子1個分)
【未来動向――基本編】
2026 リニア中央新幹線静岡工区の着工がこの年以降になる
2027 英国が食品など89品目の輸入関税徴収を停止(2025-27年7月)
2027 東京大が新課程カレッジ・オブ・デザインを開設(学部―大学院修士)
2027 京都大が中性原子方式の量子コンピューターを稼働(クラウドで提供)
2027 国際海運が排出する基準を超えた温室効果ガスに課金する
2029 フィンランドの国防費がGDP比の3%以上を占める
2029 政府の「新しい資本主義」が集中取り組み期間を終える(2024-29年)
2030 データセンターの電力需要が2倍以上に拡大(増分の1/2が米国)
2030 AIで最適化した公共交通が交通空白地域を解消(全国規模)
2030 インド産グリーンアンモニアの輸入がはじまる(年40万トン)
2030 インバウンドの「食」関連消費が3倍に増える(4兆5000億円)
2030 EUが防衛装備品の共同調達と防衛市場の統合を進める
2030 東証グロース市場に新たな上場維持基準が導入される
2032 習近平氏がこの年まで中国の最高指導者の地位にとどまる(79歳)
2034 愛媛の伊方原発3号機がこの年まで運転を続ける
2034 熊本の菊陽町エリアが半導体企業を集積したサイエンスパークになる
2035* 北海道の泊原発1、2、3号機がすべて再稼働
2035 英国がHV、PHVの新車販売をこの年まで認める(ガソリン、ディーゼルは2030年)
2036 秋田の電力を首都圏に送る出羽幹線の使用がはじまる(新設)
2036 リニア新幹線静岡工区の完工が早くてもこの年以降になる
2040 身寄りのない高齢者が688万人に増える(2024年は371万人)
2040 日本の18歳人口が74万人に減る(2025年1月は109万人)
2047 福井の高浜原発1号機が運転72年を迎える(2025年新ルール適用)
2050 水俣湾で汚泥の埋め立て地と海を隔てる鋼板が老朽化(水俣病)
2050 約90万人の農業就業者が日本の食料安全保障を支える
【未来動向――市場編】
2027 アジア太平洋のアルコール消費が7%(1020億リットル)増加(2024年比)
2028 新潟旅行の消費が日本人100億円増、外国人150億円増(2019年比)
2029 鹿児島観光の経済波及効果が1.8倍に拡大(2023年比)
2029 米国の相互関税策が同国の消費者物価指数を1.0%押し上げる
2029 米国の相互関税策が同国の実質GDPを0.7%押し下げる
2029 アジア太平洋の酒類市場が年平均5%の成長を続ける(2024-29年)
2029 コンビニの世界市場が3割拡大(8929億ドル。2024年比)
2030 データセンターの電力需要が2倍以上に拡大(増分の1/2が米国)
2030 インバウンドの「食」関連消費が3倍に増える(4兆5000億円)
2030 EUが防衛装備品の共同調達と防衛市場の統合を進める
2030 中国の人型ロボット市場が約8700億元(約17兆円)の規模に膨らむ
2030 福岡市のオフィスビル空室率が3.5%に落ち着く(ピークは2026年の7.9%)
2030 国内ノンアル市場が約1400億円の規模に拡大(現状は約1055億円)
2031 世界のデータセンター(DC)の電力容量が3倍に膨らむ
2033 AIの世界市場が約25倍(4兆7720億ドル)の規模に膨らむ
2033 アクアポニックス(循環型農業)の世界市場が9割拡大(2024年比)
2034* 九州の電力需要が4%増加(2024年度比)
2034 創薬を支援するAIの世界市場が2.6倍の規模に拡大(2024年比)
2035 日本の緑茶輸出額が532億円に達する(2024年は363億8000万円)
2035 AIの普及でホワイトカラーが180万人余剰になる(国内)
2040 シンガポールのMICE収入が3倍に増える(45億シンガポールドル)
2040 国内投資の倍増(200兆円規模)が日本の名目GDPを975兆円に拡大
2040 シンガポールの観光業収入が1.7倍に増える(2024年比)
2050 国内のヘルスケア市場が3.1倍(77兆円)の規模に成長(介護を含む)
【未来動向――クルマ編】
2027 空飛ぶクルマの商用運航がはじまる(国内。機体は米国製)
2027 台湾の受託生産大手が日本市場に複数のEVを投入
2027 国内の二輪車大手がこの年までに5-6種の電動バイクを発売
2027 トヨタが自社開発のEVを約15車種投入(現状は5車種)
2027 いすゞが北米向けEVに現地メーカーの電池やモーターを搭載
2027 ホンダが中国広東省のEV専用工場で4車種を生産
2028 福岡県苅田町のトヨタの車載電池工場稼働がこの年より後になる
2030 九州の電力大手がEVバスを累計1000台レンタル
2030 中国の長城汽車が海外販売を年100万台に拡大(2024年は45万台)
2035 英国がHV、PHVの新車販売をこの年まで認める(ガソリン、ディーゼルは2030年)
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国連、国際海事機関(IMO)マルポール条約付属文書改正案承認
・ユネスコ執行委員会「広島原爆の視覚的資料」審議見送り
・AIと電力市場の将来に関する国際エネルギー機関(IEA)報告書
・米空軍研究所、宇宙状況把握(SSA)計画
・米航空宇宙局(NASA)ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡の打ち上げ計画
・仏ルペン氏の被選挙権停止判決に対する国民連合(RN)の控訴
・韓国、国民年金法改正案(3月20日可決)
・シンガポール観光業界会議
【国内】
・政府、食料・農業・農村基本計画
・経済産業省、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に向けた2040年成長シナリオ
・経済産業省、原発運転期間新ルール(2023年5月成立、2025年6月施行)
・国土交通省、予約制バス、タクシー配車システム実証実験
・文部科学省、中央教育審議会答申(2025年2月)
【企業/大学全国区】
・三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険の合併
・ソラクル(JAL、住商共同出資)、空飛ぶクルマ商用運航計画
・北海道電力経営ビジョン
・大和ハウス工業、研究学園駅南側大規模開発
・首都圏新都市鉄道、有識者による「駅機能のあり方勉強会」報告書
・NTT、空飛ぶ避雷針実証実験成功
・ヒューリック、こどもでぱーと事業
・東京大学、カレッジ・オブ・デザイン概要
・東京大学、ひらけ!赤門プロジェクト
・秋田県立大学と東京大学の包括連携協定締結
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・北海道立総合研究機構北見農試「きたほなみR」開発
・中頓別町「人生100年の学びの拠点 中頓別学園」(仮称)構想
・十勝酒造、十勝シングルローカルバーレイ商品化
・青森県、大鰐線代替交通検討会議
・群馬県、Gメッセ群馬クリエイティブ拠点化基本構想
・JR東日本、高輪ゲートウェイシティ一部開業
・神奈川県三浦市、興和グループ「新海業プロジェクト」基本協定(3月28日)
・新潟県総合計画
・新潟県観光立県推進行動計画(2025-29年度)
・JR新潟駅周辺の再開発事業
・静岡県(鈴木康友知事)とJR東海の対話(28項目)
・名古屋商工会議所の地域構想
・京都、福知山市「循環型森林ビジョン」(2024年)
・岡山県教育委員会「県立高校教育体制整備実施計画」(2019年2月)
・森の芸術祭 晴れの国・岡山
・呉市「音戸の瀬戸公園」再整備事業
・長崎県と長崎市の長崎市中心部の交通結節機能強化の基本計画(2020年7月)
・熊本県、サイエンスパーク推進ビジョン(構想)
・鹿児島県、次期観光振興基本方針案
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・首都圏新都市鉄道、TX開業20周年(8月)
・経済産業省、浮体式洋上風力発電の2040年までの導入目標(夏)
・厚生労働省、身寄りのない高齢者への支援体制(夏)
・小型軽量の子供用リハビリ支援ロボット(夏)
・高額療養費制度の見直し(秋)
・国内ドラッグストア大手2社(ウエルシア、ツルハ)の経営統合(12月)
・中国、人型ロボット量産元年(年内)
・琉球コーヒーエナジー、沖縄でのコーヒー栽培(年内)
・内閣府、対日直接投資100兆円の引き上げ(検討開始)
【今月登場した未収録の未来】
・EU、ロシア産天然ガス輸入全面禁止(2027年)
・OECDが政府に求める、石炭火力発電を2035年までに段階廃止する工程表
・石破首相、アジア版NATO構想
・政府、脱炭素電源が豊富な地域に産業集積(検討中)
・野党、消費税減税の各種主張
・年間粗鋼生産量が8000万トンを割り込む(米関税引き上げの影響)
・関電、大阪に最大級の蓄電所(2028年)
・宇都宮LRTの東武宇都宮線乗り入れ開始(2030年より後)
・新潟市、新潟駅南口の再整備
・東急、多摩田園都市開発構想その後
・福島、静岡のJ-クレジット活用
・紙容器の水平リサイクル(実験段階)
・営農型太陽光発電所
・コーヒーテック(安定供給のための技術開発)
【今月決着した未来】
・日本の総人口1億2380万2000人、日本人1億2029万6000人(2024年10月1日時点)
・日本の0-14歳人口1383万人(11.2%、34万3000人減)
・日本の15-64歳人口7372万8000人(22万4000人減)
・日本の65歳以上3624万3000人(29.3%、1万7000人増)
・日本の75歳以上2077万7000人(70万人増)
・ユネスコ「増上寺が所蔵する三種の仏教聖典叢書」世界記憶遺産登録(4/17)
・IOC、2028年ロス五輪、ボクシング実施決定
・京都大病院、iPS細胞を使った1型糖尿病治療の1例目手術(4/15)
・高輪ゲートウェイシティまちびらき(3/27)
・フィンランド、対人地雷禁止条約(オタワ条約)脱退(4/1)
・政府「食料・農業・農村基本計画」閣議決定(4/11)
・厚生労働省、2040年に向けた介護サービスのあり方中間報告案(4/7)
・東京、川崎、新築建物の太陽光パネル義務化(4/1)
・札幌市水素エネルギー基本方針(4/1)
・ラピダス、半導体の試作ライン始動(4/1)
・ホンダ、中国のEV専用工場生産開始(広東省広州市3/26)
・小型軽量の子供用リハビリ支援ロボット(夏)
【今月の未来語】
・2024 YR4(小惑星)
・TX沿線人口
・TX研究学園駅南側(再開発)
・アクアポニックス(循環型農業)
・アクアポニックス市場(成長市場)
・アジア太平洋防災閣僚級会議(UNDRR)
・アジアの酒類市場(成長市場)
・新しい資本主義(政府)
・伊方原発3号機(30年超運転)
・宇宙状況把握(SSA)
・核融合発電(ヘリカルフュージョン)
・カレッジ・オブ・デザイン(東京大)
・還元鉄(製鉄)
・きたほなみR(主力小麦の新品種)
・抗体医薬(がん治療)
・交通空白地域
・弘南鉄道大鰐線(青森)
・興福寺五重塔大規模修理(奈良)
・コンビニの世界市場(成長市場)
・サイエンスパーク構想(熊本)
・循環型森林ビジョン(福知山市)
・人工筋肉ロボット
・水都大阪
・創薬用AI(成長市場)
・空飛ぶ避雷針(NTT)
・中国の人型ロボット市場(成長市場)
・中性原子方式の量子コンピューター(京都大)
・デジタルインフラ市場(成長市場)
・出羽幹線(50万ボルト級の送電線)
・東大創立150年
・トランプ米大統領の再選(3期目)
・長崎県営バスターミナル周辺(再開発)
・名古屋駅周辺(再開発)
・ナンシー・グレース・ローマン宇宙望遠鏡(米国)
・新潟駅周辺(再開発)
・広島原爆の視覚的資料―1945年の写真と映像(世界記憶遺産候補)
・学びの多様化学校(文科省)
・ミックスルーツ
・身寄りのない高齢者
・メチル水銀(水俣湾)
・木造人工衛星(京都大)
・森の芸術祭 晴れの国・岡山
・リニア中央新幹線静岡工区(JR東海)
・緑茶の輸出(成長市場)
・ワンマン運転(JR東)
【用字用語】
1)大鰐線=おおわにせん(鉄道:青森を走る弘南鉄道の路線)
2)根本中堂=こんぽんちゅうどう(寺社:比叡山延暦寺の総本堂)
3)東横堀川=ひがしよこぼりがわ(運河:大阪)
4)安平町=あびらちょう(地名:北海道)
5)中頓別町=なかとんべつちょう(地名:北海道)
6)土岐市=ときし(地名:岐阜)
7)蒲郡市=がまごおりし(地名:愛知)
8)夢洲=ゆめしま(地名:大阪府の人工島)
9)御所市=ごせし(地名:奈良)
10)伊方町=いかたちょう(地名:愛媛)
11)築城=ついき(地名:福岡)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2025年5月号」
Future Lab 未来人
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