月刊 未来人
FUTURE REPORT OCT 20 2024
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 162/64710
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2025 登山家、田部井淳子の生涯が映画になる(吉永小百合主演)
2025 鳥取砂丘の西側(山陰海岸国立公園内)に高級ホテルが
オープン
2026 15-20歳の女性を保護する民間施設が千葉市にできる
2026 多くの演劇人、舞台人を輩出した舞台芸術学院が
閉校(1948年創立)
2026 インターネット情報の真偽をAIで判定するシステムが実用化
2026 広島の造船所で水素で走る船の運航がはじまる(実証実験)
2026 JR高山線の無人駅に郵便局が開業(岐阜)
2027 インドで高速鉄道の運行がはじまる(日本の新幹線方式)
2027 心不全の兆候を声で判別する技術が実用化
2027 太平洋のカツオの産卵海域の水温が孵化に適さなくなる
2027 国内100円ショップ大手がインドで「99ルピー」ショップを
50店展開
2028 お盆の時期に出荷できる梨の新品種が登場(群馬)
2030 再生医療による1型糖尿病治療が実用化(2030年代)
2030 レーザー核融合方式の核融合炉が実現する
2030 CO2と水素から樹脂原料を作る技術が商業化(世界初。
2030年代)
2030 大学図書館の書籍と資料が全国規模でネットワーク化される
2030 中国海軍が435隻の戦闘艦艇を保有し、米海軍との差が
拡大する
2030 国内のコメ需要が495万6000トンにとどまる(2020年比
で22%)
2030 この年までに水素で走る自転車が発売される(FCアシスト
バイク)
2031 スイスの物流専用地下トンネルが一部開通(全線開通は
2045年)
2031 大阪中之島に高さ205メートルのタワーマンションが
完成(約1100戸)
2031 国内100円ショップ大手が米国で1000店舗を展開
(現状は130店舗)
2033 CO2排出を20%抑えたグリーンジャーニーが200地域で
展開される
2033 鳥取県出雲市が古代山陰道の遺構を整備(「出雲国風土
記」1300年)
2035 すでにある技術で日本のクリーンエネルギー比率が9割
に高まる
2041 中国製ジェット機の売り上げが累計100兆円を超える
2050 農業がどこでも可能になる(スマート農業)
2050 日本の農業産出額が2020年比で半減(4.5兆円)
2050 薬剤耐性菌による死者の数が世界で3900万人を超える
(2025-50年)
2050 地球温暖化の影響で大阪の海面が27センチ上昇
2050 日本の燃料アンモニアの需要量が約3000万トンに達する
【未来動向――基本編】
2025 マイナンバーカードと運転免許証の一体化がはじまる
(マイナ免許証)
2025 ウクライナ発着の国際旅客便が再開
2025 NHKのインターネット業務が必要的配信業務に昇格
2025 国民年金保険料の納付猶予制度が国会で議論される
2026 JAXAの水星探査機「みお」が水星に到着(11月)
2026* 海上保安庁の国際業務対応船(ヘリコプター搭載型
巡視船)が就役
2026 政府が民間ロケット開発の追加支援を2社に絞り込む
2026 線状降水帯の予測が1キロ四方で1時間ごとになる
(現状は2キロ)
2027 英国の財政赤字がGDP比で3%未満に縮小
2027 性同一性障害の診断名が「性別不合」になる
(国際分類ICD-11施行)
2027* 国内で民間ロケットの打ち上げがはじまる
2030 山陽新幹線に自動運転システムが導入される(2030年代)
2030 ロシアがドローンの開発拠点を48カ所整備する
(国民的軍需産業)
2030 日本の少子化を終わらせる最後のチャンスが終わる
(2024-30年)
2030 日中韓の交流人口が4000万人に増える(2018年は
3000万人)
2030 5日間の天気を連続して予測する予報システムが完成
2030* 北海道の苫小牧港が燃料アンモニアの輸入拠点になる
2030 英国が高温ガス炉(実証炉)の運転を開始
2030 福島第一原発3号機で核燃料の取り出しが
はじまる(2号→3号→1号機の順)
2033* 国の財政収支がこの年まで赤字を続ける(地方を除く)
2035 国産ロケットが官民あわせて年間30回打ち上げられる
(2030年前半)
2035 福井県の高浜原発3、4号機がこの年まで運転する
(運転50年)
2035 水素製造施設を備えた高温ガス炉の実証炉が運転を開始する
2039 中国の法定退職年齢が男性63歳、女性55歳(管理職
58歳)になる
2046* 自治体管理の一般廃棄物処分場がこのころ満杯になる
2050 国内の基幹的農業従事者が2020年比で100万人減少
(推計36万人)
2072 韓国の高齢化率(65歳以上)が47.7%に達する
(15-64歳は45.8%)
【未来動向――市場編】
2027 広帯域メモリー(HBM)市場が175億ドルの規模に
成長(2023年は28億ドル)
2030 国内のコメ需要が495万6000トンにとどまる
(2020年比で22%)
2030 ワイン大手が日本ワインの輸出を売り上げの2割
に拡大(現状は約1%)
2030 ニュージーランドの対ASEAN貿易額が50%拡大する
2030 教育事業大手が海外教室の会員数を40万人規模
に増やす(35カ国・地域で展開)
2031 国内100円ショップ大手が米国で1000店舗を展開
(現状は130店舗)
2032 世界の水上ドローン市場が32億9000万ドルの規模に成長
(2023年比で約1.5倍)
2033 新開発の肥満症薬が世界で416億ドルを売り上げる
2034 ニュージーランドがASEAN向けの輸出を倍増(10年後)
2035 燃料電池車(FCV)の世界販売台数が40万台に拡大(約40倍)
2040 TPPが英国経済を年間約20億ポンド押し上げる
2040 インドの宇宙産業が約400億ドルの市場に成長
(2020年比で5倍以上)
2041 中国製ジェット機の売り上げが累計100兆円を超える
2050 日本の農業産出額が2020年比で半減(4.5兆円)
2072 韓国の高齢化率(65歳以上)が47.7%に達する
(15-64歳は45.8%)
【未来動向――クルマ編】
2025 マイナンバーカードと運転免許証の一体化がはじまる
(マイナ免許証)
2026 電動キックボードのシェア大手が台数を100倍に増やす
(約2万台)
2026 トヨタがEVの世界生産を100万台にとどめる
(従来計画は150万台)
2026 トヨタが燃料電池車(FCV)の新システムを実用化
2027 EVの駆動装置「イーアクスル」が大幅に小型化
(スペース6割減)
2027 米フォードモーターが新型のHVを発表
(SUVのEV開発をHVに転換)
2027 米フォードが新型のEVピックアップトラックを発売
(計画を1年延期)
2027 電池大手が大阪で生産した車載電池をマツダとスバルに供給
2028 自動車大手4社が車載電池の生産に約1兆円を投じる
(2024-28年。生産能力は5割増加)
2028 福岡の工業団地でトヨタの車載電池工場が稼働
(リチウムイオン電池)
2028 福岡で日産の車載電池工場が生産を開始(LFP電池)
2028 独BMWが部品をトヨタと共同開発した燃料電池車(FCV)
を生産
2028 化学メーカー大手が福岡でEV向け電池材料の新工場を稼働
2028* 電池大手がスバル向け車載電池の新工場を群馬に建設
2029 AI交通監視カメラが高速道路の逆走によるリスクを解消
2030 この年までに水素で走る自転車が発売される
(FCアシストバイク)
2030 ボルボの新車の90%以上がEVかPHVになる
(全車のEV化を撤回)
2030 トヨタが北米での電動車比率を8割に高める
(EV、HV、PHV、FCV)
2030 韓国現代自が世界販売を年間555万台に増やす
(2023年比で30%増)
2035 燃料電池車(FCV)の世界販売台数が40万台に拡大(約40倍)
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・海の水位に関する世界気象機関(WMO)などの報告書
・日米豪印「Quad(クアッド)」の一環
・英国、グローバルブリテン(世界的な英国)構想
・英国、イングランド銀行(BOE)のバーゼル3延期
・日本の電力脱炭素化に関する米国立ローレンス・バークリー
研究所の報告書(2023年3月)
・日中韓観光相会合(第10回)共同宣言
・中国、全人代常務委員会の定年退職年齢延長
・イスラエル中央銀行の2023年版年次報告書(2024年3月)
【国内】
・国交省、中部縦貫自動車道開通予定見直し
・厚労省、WHOの新しい国際疾病分類(ICD-11)和訳案承認
・厚労省、国民年金保険料納付猶予制度見直し検討
・文科省「第7期科学技術・イノベーション基本計画」
・文科省、宇宙ビジネス民間3社に対する支援発表
・日本原子力研究開発機構、高温ガス炉プロジェクト推進
【企業/大学全国区】
・米フォードの新型EV開発計画中止
・スウェーデンの自動車大手ボルボカーズ社の新目標
・英IHGホテルズ&リゾーツとホテルマネージメント
インターナショナル(HMI)の提携
・韓国、現代自動車張在勲CEOの中長期戦略
・関西電力による高浜原発3、4号機の長期施設管理計画申請
・NHKのインターネット業務予算上限撤廃
・トヨタ、日産、SUBARU、マツダ4社の車載電池投資計画
・トヨタ紡織と福井県敦賀市の水素アシスト自転車実証実験(9月)
・日産、JRグループなど14社のGREEN JOURNEY推進
委員会設立
・自動配送ロボット個人向け配送サービス実証実験
・住友化学の低炭素化研究施設「Innovation Center
MEGURU」公開
・学研ホールディングス(HD)「学研教室」グローバル戦略
・京都大学病院(京都大肝胆膵移植外科)の治験計画
(2025年開始)
・学校法人北里研究所、学校法人順天学園の法人合併基本合意書
(2023年11月)
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・北海道ヒグマ保護管理検討会の捕獲目標
・水戸駅前三の丸地区市街地再開発組合「コモンスクエア水戸」
街区開発(茨城)
・宇都宮市「宇都宮アーバンスポーツフェスティバル」(栃木)
・群馬県農業技術センターの梨品種「群馬N2号」(仮称)開発
・神奈川県「かながわ脱炭素ビジョン2050」中間目標
・川崎市のカーボンニュートラルコンビナート構想(2022年)
・静岡県、JR東海に対するボーリング調査容認
・高知龍馬空港・航空ネットワーク成長戦略検討会議
・高知アニメクリエイター聖地プロジェクト
・大分、Oita食輸出コンソーシアム
・沖縄県の大型MICE入札不調
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・東海第二原発の安全対策工事詳細(10月初旬)
・環太平洋パートナーシップ協定(TPP)発効(12月)
・日印2プラス2「安全保障協力に関する共同宣言」改定版(次回)
【今月登場した未収録の未来】
・インド太平洋海洋トレーニング・イニシアチブ「MAITRI」
(マイトリー)
・米FRB金融緩和(9月の大幅利下げ)後のリスク
・英国、鉄道線路脇物流専用道構想
・独自動車大手VW、初の国内工場閉鎖(検討中)
・中国、気候変動に対応した39モデル都市
・政府、EV中古市場の育成
・国交省、高速道路の自動物流道路構想
・日本製鉄のUSスチール買収問題
・柏崎刈羽原発の再稼働(新潟)
・北陸新幹線の自動化(JR東西)
・秋田市の新スタジアムの八橋運動公園内整備
・国内のムスリム墓地
・ブルーカーボン(海洋生態系が吸収するCO2)
【今月決着した未来】
・ロシア、兵士の定員150万人(2026年を前倒し)
・ベトナム、ハノイメトロ「都市鉄道3号線」運転開始
・普天間飛行場の辺野古移設計画、杭打ち開始(防衛省)
・大阪市、統合型リゾート(IR)開設確定(解除権放棄)
【今月の未来語】
・1型糖尿病(再生医療)
・FCアシストバイク(トヨタ紡織)
・HBM(AI向け広帯域メモリー)
・JR水戸駅北口(再開発)
・芦屋駅南再開発(東急不動産)
・観光振興税(長野)
・環太平洋パートナーシップ協定(TPP)発効
・グリーンジャーニー
・群馬N2号(梨の新品種)
・ケミカルリサイクル(住友化学)
・高知空港国際線ターミナルビル
・公立中の全員給食(神戸)
・国際業務対応船(ヘリコプター搭載型巡視船)
・古代山陰道(島根、鳥取)
・コラボ無人駅
・サイレントパンデミック(薬剤耐性菌)
・自動物流道路構想(国交省)
・宿泊税(松本市)
・水上ドローン市場(成長市場)
・水素サプライチェーン
・水素製造施設併設型高温ガス炉(原子力機構)
・性別不合(性同一性障害の名称変更)
・ゼロエミッション船(ツネイシ)
・(大学)図書館ネットワーク(文科省)
・退職年齢
・高浜原発3、4号機の運転50年(関電)
・注意欠如多動症(多動性障害の名称変更)
・中部縦貫自動車道、九頭竜―油坂間(国交省)
・道銀ビルディング跡(再開発)
・泊原発再稼働(北電)
・熱帯泥炭地の再生(住友林業)
・燃料アンモニア
・ハイパースケール(巨大データセンター)
・肥満症薬
・北陸新幹線敦賀以西(敦賀―新大阪間)延伸(国交省)
・レーザー核融合
【用字用語】
1)八橋=やばせ(地名:秋田)
2)坂祝=さかほぎ(地名:岐阜)
3)馬毛島=まげしま(地名:鹿児島)
4)膵島=すいとう(用字:常用外)
5)櫓=やぐら(用字:常用外)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2024年10月号」
Future Lab 未来人
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