月刊 未来人
FUTURE REPORT JUN 20 2024
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 169/64101
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2025 5カ国語で同時通訳する国産AIが万博会場で活躍
2026 iPS細胞を使った世界初の美容商品が登場
2026 札幌の創成イースト地区がビール醸造150年でにぎわう
2026 瀬戸内海でスーパーヨットが見られるようになる
2026 リチウムイオン電池の寿命を5-10倍に延ばす国産技術が登場
2026 中国の無人月面探査にロシア、エジプトが参加(嫦娥7号)
2027 静岡市がインターナショナルスクールを誘致
2027 ベトナム―シンガポール間の海底通信ケーブルの運用がはじまる
2027 初の屋外用ペロブスカイト太陽電池が実用化(2026-27年)
2028 3月出荷の温州みかん「春しずか」が市場に登場
2028 大曲の花火(秋田)が100回目の節目を迎える
2030 畜産で排出される温室効果ガスを1割減らす栄養剤が普及
2030 歯生え薬が発売される(世界初)
2030 東京都江戸川区がメタバース区役所(仮想窓口)を本格運用
2035 EVが世界の新車の5割超を占める(5億2500万台)
2035 月面に中国の国際月科学研究ステーションが完成
2035 EVが中国の新車の85%を占める
2035 EVが日本の新車の30%を占めるにとどまる
2038 国内住宅の5戸に1戸が空き家になる(対策が進んだ場合)
2040 国立大の学費が年間150万円になる(現状の約3倍。入学者は2割減)
2050 世界の平均寿命が78.1歳にのびる(2022年は73.6歳)
2050 原発の発電容量を3倍にする国際目標が未達成に終わる
2050 アジア太平洋の高齢者(60歳以上)が倍増(12億人。2022年比)
2050 アジア太平洋の高齢者(60歳以上)割合25.2%(2022年は13.5%)
2050 日本人がブリコラージュ(やりくり上手)になって暮らしを維持する
2050 都会に住む人が地方にセカンドハウスを持つようになる
2050 料理、運転、掃除などが、したい時にする趣味のようになる
2050 個人の能力がより顕著に所得に反映される(格差も生じる)
2050 仕事ごとに能力を機械でおぎない、感情を機器で管理できるようになる
2050 できることが増え、より「何がしたいか」が問われる社会になる
2050 居住地の選択がより自由になる(都市と地方の差が縮小)
2050 気候変動による農業被害が年間38兆ドルに増える(世界)
2050 神戸港のポートアイランドが緑化で「森の島」に生まれ変わる
2531 日本人の苗字がすべて佐藤姓になる(夫婦別姓が続いた場合)
2720 日本の子どもの数が1人になる(1月5日)
【未来動向――基本編】
2025 地球温暖化対策計画の見直しが終わる(2024年度末)
2025 日本の名目GDPがインドに抜かれて世界5位に後退
2025 新しい「エネルギー基本計画」がまとまる(3月末)
2025 政府が2035年までの温室効果ガスの新たな削減目標を発表(2月)
2025 韓国の人口の5人に1人が65歳以上になる(超高齢社会)
2026 EUが移民難民の新制度を導入(流入抑制と公平負担)
2026 ESAとJAXAの共同プロジェクトがはじまる(月面探査、小惑星観測)
2027 インドの名目GDPがドイツを抜いて世界3位になる
2030 国際交渉レベルの同時通訳AIが国産化
2030 バイオマス関連市場が100兆円の規模に成長(現状は約60兆円)
2030 日本勢が次世代自動車「SDV」のシェア3割を確保
2030 日本のコンテンツ産業が20兆円市場に成長(2022年は約13兆円)
2030 次期主力スパコンの運転がはじまる(AI性能を重視)
2030 北海道の苫小牧で低炭素水素の製造がはじまる
2030 ロシアのプーチン大統領が5期目の任期を終える
2030 G7が世界の蓄電容量を6.5倍に拡大(2022年比)
2030 G7がEVの充電インフラを大幅に整備
2032 米国が火力発電所に温室効果ガス排出の90%削減を求める
2032* PPP、PFI、コンセッションなどの事業規模が30兆円に膨らむ
2035 日ASEANが車の製造販売に関する共同戦略に取り組む(2024-35年)
2035 G7が無対策の石炭火力発電を全廃する
2040 政府が国家戦略「GX2040ビジョン」に取り組む(2024-40年)
2040 高齢者の3人に1人が認知症か軽度認知障害(MCI)になる
2040 高齢者の7人に1人が認知症になる(584万人)
2040 米国で大部分の石炭火力発電所が閉鎖する(規制強化のため)
2040 65歳以上が負担する介護保険料がこの年まで上昇し続ける
2040 ガザ地区の再建が最短でこの年になる
2050 フランスの原発が14基増える(2024-50年)
【未来動向――市場編】
2025 日本の名目GDPがインドに抜かれて世界5位に後退
2027 インドの名目GDPがドイツを抜いて世界3位になる
2028 CO2の回収貯留が152億4000万ドルの市場に成長(2021年比で6.5倍)
2030 バイオマス関連の国内市場が100兆円規模に成長(現状は約60兆円)
2030 コンテンツ産業の国内市場が20兆円規模に成長(2022年は約13兆円)
2030 次世代自動車「SDV」の世界市場4100万台
2030 EVが世界の新車の40%を占める(2億5000万台)
2030 金融大手が水素の供給網構築に総額2兆円を融資(2024-30年)
2030 EVが中国の新車販売の2/3を占める
2035 EVが世界の新車の5割超を占める(5億2500万台)
2035 EVが中国の新車の85%を占める
2035 EVが米国の新車の70%以上を占める
2035 EVが欧州、英国の新車の85%以上を占める
2035 EVが日本の新車の30%を占めるにとどまる
2040 米国で大部分の石炭火力発電所が閉鎖する(規制強化のため)
2040 世界の宇宙ビジネスが110兆円を超える巨大市場に成長(約3倍)
2050 気候変動による農業被害が年間38兆ドルに増える(世界)
【未来動向――クルマ編】
2026 スバルがトヨタと共同開発したEV4車種を米国に投入
2026 スバルがEVの世界販売台数年間20万台を達成
2026 中国のBYDがインドネシア西ジャワ州の新工場を稼働
2026 トヨタの米国工場で新型EVの生産がはじまる(インディアナ州)
2028 スバルが自社開発のEVを市場投入する
2030 次世代自動車「SDV」の世界市場4100万台
2030 EVが世界の新車の40%を占める(2億5000万台)
2030 EVが中国の新車販売の2/3を占める
2030 日本勢が次世代自動車「SDV」のシェア3割を確保
2030 G7がEVの充電インフラを大幅に整備
2030 日産がCO2排出の少ないアルミニウムへの転換を終える
2030 ホンダがソフトウエア開発に総額約10兆円を投資(2020-30年度)
2030 ホンダがEVの新ブランド「Honda 0」を7車種を投入
2031 米主導のアルテミス計画が日本の月探査車を打ち上げる
2035 EVが世界の新車の5割超を占める(5億2500万台)
2035 EVが中国の新車の85%を占める
2035 EVが米国の新車の70%以上を占める
2035 EVが欧州、英国の新車の85%以上を占める
2035 EVが日本の新車の30%を占めるにとどまる
2035 次世代自動車「SDV」の世界市場が6400万台に拡大
2035 EVが世界の新車の2/3を占める(各国の推進策が前提)
2035 EVが世界の新車販売の5割を超え、充電設備が2500万カ所に増える
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合共同声明
・国際エネルギー機関(IEA)の重要鉱物に関する報告書
・電気自動車(EV)最新市場動向に関する国際エネルギー機関(IEA)報告書
・アジア開発銀行(ADB)年次総会
・米環境保護局(EPA)による米国初の発電所排出規制発表
・米国防総省(オスプレイ統合計画室)「V22機体近代化計画(ReVAMP)」
・欧州連合(EU)加盟国の移民難民に関する新制度案承認
・仏原子力安全機関(ASN)のフラマンビル原発の新型炉、欧州加圧水型炉(EPR)稼働認可
・ロシア大統領選(2024年3月)で再選したプーチン大統領の就任式
・日米豪防衛相会談
・日仏首脳会談
・台湾総統の就任式
【国内】
・政府のGX実行会議「GX2040ビジョン」策定表明
・3年ぶりの介護保険料改定(2024年4月)
・東北大学高齢経済社会研究センター「子ども人口時計」
・政府「スマホソフトウェア競争促進法案」閣議決定
・政府「バイオエコノミー戦略」原案
・政治資金規正法改正のための自民党条文案
・自民党デジタルコンテンツ戦略小委員会の提言案
・経済産業省「エネルギー基本計画」見直しに関する有識者会議の議論開始
・経済産業省、国土交通省が構想する自動車産業のデジタル化戦略案
・環境省中央環境審議会小委員会、経済産業省産業構造審議会ワーキンググループの地球温暖化対策計画(温対計画)改定(2024年度中)
・厚生労働省、認知症と軽度認知障害(MCI)に関する推計
・文部科学省、次期主力計算機(スパコン)に関する専門委員会報告書中間とりまとめ
【企業/大学全国区】
・米インテルを発起人とする半導体後工程自動化・標準化技術研究組合の
共同技術開発
・ユーラスエナジーホールディングス(HD)宗谷管内風力発電事業(仮称)
・三菱地所、福岡市天神「イムズ」跡地の新ビル着工
・東芝再興計画(中期経営計画2024-27年)
・東北大学サイエンスパーク構想
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・岩手、北上市の私立大学基本構想
・東京、江戸川区役所と東京情報デザイン専門職大学の共同プロジェクト
・神戸市、ポートアイランド再生の基本計画(2025年度中)に向けた検討
・民間有識者「人口戦略会議」報告書
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・政府、知的財産推進計画とりまとめ(6月)
・東京都江戸川区役所の仮想窓口「メタバース区役所」の運用開始(6月)
・パリ協定が求める2035年以降の温室効果ガス排出削減目標に関する
日本政府の議論(6月-2月)
・日ASEAN経済相会合、自動車の「共同戦略」中間とりまとめ(9月)
・仏、新型原発(EPR)フラマンビル原発の稼働(夏)
・富山県、人口ビジョン骨子案(11月)
・地球温暖化対策計画(温対計画)改定(2024年度末)
・エネルギー基本法の新目標(2024年度末)
・和歌山県、新総合計画(2025年9月)
・神戸市、ポートアイランドの緑化計画(2025年度)
【今月登場した未収録の未来】
・プラスチックごみによる汚染を規制する条約(約170カ国と環境団体)
・日仏首脳会談「円滑化協定(RAA)」締結
・介護保険料の上昇
・デジタルアーカイブ振興法(仮称)制定(自民党)
・広島県の宿泊税導入
・下関―北九州道路2030年目標
・玄海町の高レベル放射性廃棄物最終処分場誘致
・沖縄観光、量から質に転換
【今月決着した未来】
・沖縄県推計、復帰後初の人口減(2023/10)
・富山県人口100万人割れ(5/1)
・中国の無人探査機「嫦娥6号」打ち上げ成功(5/3)
・米国、ロシア産低濃縮ウランの輸入禁止(5/13)
・水素社会推進法可決成立(5/17)
・CCS事業法可決成立(5/17)
・空飛ぶクルマ、スシテック東京で都内初飛行(5/17)
【今月の未来語】
・Bricolage(文化人類学)
・EIC(大型加速器)
・GX2040ビジョン(脱炭素戦略)
・MCI(軽度認知障害)
・V22機体近代化計画(ReVAMP)
・アジア太平洋の人口動態圧力(ADB)
・エネルギー基本計画(経産省)
・欧州加圧水型炉(EPR)
・ガザ地区の再建(UNDP)
・国際花火シンポジウム(秋田)
・国際月科学研究ステーション(中国)
・国産ビール醸造150年(札幌)
・子どもの数が1人(東北大「子ども人口時計」)
・市営住宅の集約(熊本)
・次期主力計算機(文科省)
・自動車産業のデジタル化戦略(経産省、国交省)
・人工知能(AI)安全サミット
・スーパーヨット
・スマホソフトウェア競争促進法案
・政治資金規正法改正
・地球温暖化対策計画(温対計画)
・低炭素水素(経産省)
・東京お台場トリエンナーレ2025
・同時通訳AI
・東北大学サイエンスパーク構想
・バイオエコノミー戦略
・歯生え薬
・春しずか(温州みかんの新品種)
・福岡市のイムズ跡地(再開発)
・ポートアイランドの緑化(神戸市)
・メタバース区役所(江戸川区)
・ルナクルーザー(国産月探査車)
【用字用語】
1)EIC=Electron-Ion Collider(原子核物理:米国の円形大型加速器)
2)SDV=Software Defined Vehicle(工業:ソフトウェアの更新で性能が変わる自動車)
3)ブリコラージュ=Bricolage(文化人類学:あり合わせのやりくり)
4)置戸町=おけとちょう(地名:北海道)
5)興部町=おこっぺちょう(北海道)
6)大曲=おおまがり(地名:秋田)
7)矢巾町=やはばちょう(地名:岩手)
8)南砺市=なんとし(地名:富山)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2024年6月号」
Future Lab 未来人
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