月刊 未来人
FUTURE REPORT JAN 20 2024
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 182/63092
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2025 京都の東映太秦映画村が全面リニューアルする
2025 千年以上続いてきた岩手県奥州市黒石寺の蘇民祭が終わる
2025 カメラやセンサーが電池不要になる(無線給電の実用化)
2025 都市ガスと水素の両方に対応した家庭用給湯器が登場
2025 宇宙空間の衛星に燃料を補給するサービスがはじまる(宇宙版GS)
2025 半固体電池の供給がはじまる(リチウムイオンより安価で安全)
2025 荷物を自動でトラックに積むロボットが実用化
2025 人気ゲーム「モンスターハンター」の最新作が発売される
2025 大阪・関西万博の会場建設費が最大2350億円に膨らむ(約1.9倍)
2025 宮城県が東京のアンテナショップを閉店
2025 広島で被爆した中国、台湾の人々の死を悼む碑ができる(被爆80年)
2025 沖縄のゴルフ場跡地に大型テーマパークが開業
2026 北海道産トウモロコシのコーンウイスキーが熟成
2026 日本の書道がユネスコの無形文化遺産に登録される
2026 連合が中小組合と個人のための地域ゼネラル連合を創設
2026 米ベル・ボーイングが輸送機オスプレイの生産ラインを閉鎖
2026 日本企業が米軍の衛星に宇宙空間で燃料補給する衛星を試作
2026 北海道千歳市の全小中学校が普通教室と職員室にエアコンを設置
2027 京都の北野天満宮が半萬燈祭の年を迎える(25年に1度)
2027 オーストラリアが外国人移民の純増数を年23万5000人に抑える
2027 競馬界の名馬「イクイノックス」の2世がデビュー
2027 宇宙ごみをレーザーで除去する国産技術が実証される
2027 福島県立美術館が画家ファン・ゴッホの「アルルの跳ね橋」を展示
2028 ゴルフ選手権のボールが飛ばないボールに変わる(飛距離抑制)
2028 北九州市人口の社会動態が1000人プラスになる(100万都市の復活)
2029 独自形状の国産洋上風力発電機が商用化(出力1万5000キロワット)
2029 山間部や被災地でのネット接続が可能になる(米プロジェクト・カイパー構想)
2029 AI分野の労働者が米国で100万人必要になる(2024-29年)
2030 タイのランドブリッジ構想がインド洋―太平洋間の移動を4日短縮
2030 あらゆることに対応する汎用AIの基本設計が公開される
2030 海藻養殖の世界市場が最大で118億ドル規模に成長する
2030 名鉄の名古屋駅周辺再開発が完成(高層ビル3棟を建設)
2030 北海道大樹町を核とする「宇宙版シリコンバレー」が実現
2030 衛星軌道上のオン・オービット・サービス(OOS)が51億ドル市場に成長
2030 世界で1万7350基の低軌道衛星が運用される(2023年推計の2.3倍)
2030 中東のオマーンが世界10位以内の水素輸出国になる
2031 世界のEV販売がガソリンエンジン車を上まわる(逆転)
2032 東京工業大が東京港区JR田町駅前のキャンパスを商業開発
2035 ブルーカラーに吸収されるホワイトカラーが続出(生成AIの普及)
2039 世界の穀物生産量が減少に転じる(気候変動)
2040 福岡市の人口がこの年まで6000-8000人の社会増を続ける
2050 世界の食料需要が3割増加(2020年比)
【未来動向――基本編】
2024 政府が1人4万円の定額減税を実施(所得税3万円、住民税1万円)
2024 経団連が春闘で4%以上の賃上げを目指す
2024 政府が巨大IT規制案を国会に提出
2025 専業主婦のいる世帯をモデルにした年金制度が終わる
2025* 海のある39都道府県が海岸保全基本計画を改定(気候変動に対応)
2025 動物愛護法が改正の年を迎える(施行から5年目)
2025* 夫婦で育児休業の場合、育児給付が手取りの10割になる(28日間)
2025 国民年金の保険料納付期間を45年間にする改正案が審議される
2025 介護保険の利用料2割負担の対象拡大がこの年8月以降にずれ込む
2026 EUのAI規制法がスコアリング(市民の格付け)を禁止
2026 JAXAの探査機「はやぶさ2」が小惑星に衝突寸前まで接近(7月)
2026 児童手当の支給拡大(2024年)に対応した扶養控除の縮小がはじまる
2026 証明書の有効期間が10年の新しいマイナカードが導入される
2026 法人税、所得税、たばこ税の増税がこの年以降になる(26-27年度)
2027 英国が鉄鋼、アルミなどに国境炭素税を導入(EUは2026年本格導入)
2027 この年までに法人税、所得税、たばこ税が増税になる(防衛費増額)
2029 台湾が「チップ主導の台湾産業革新計画」を実施(2024-29年)
2030 EUが新たな排ガス規制「ユーロ7」を乗用車に導入(7月)
2030 国連の第三国定住制度が累計100万人の難民を救済
2030 COP28締約国が化石燃料からの脱却(transition away)を加速
2030 豪政府がサイバーセキュリティーに5億8690万豪ドルを投じる(2024-30年)
2030 EUがすべての新築建物の温室効果ガス排出量を実質ゼロにする
2031 EUが新たな排ガス規制「ユーロ7」をバス、トラックに導入(7月)
2031 日本の1人あたり名目GDPが韓国を下まわる(日韓逆転)
2031 JR西、阪急、南海の3社が新大阪―関西国際空港間を相互運転
2033 日本の1人あたり名目GDPが台湾を下まわる(日台逆転)
2035 韓国の釜山が国際博覧会(万博)を招致
2040 全国の自治体の約半数が消滅可能性都市になる(全国896市町村)
2040 福岡市の人口が約170万2000人でピークに達する
2050 EUがハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用をゼロにする
2050 東南アジアの地熱発電量が2020年比で10倍に急拡大
2050 EUがすべての建物の温室効果ガス排出量を実質ゼロにする
2050 米国が世界の原発設備容量を3倍に増やす(20カ国以上が賛同)
2066 南極上空のオゾンホールが出現前(1980年)の水準を回復
2100 世界の平均気温が2.5-2.9度上昇(地球温暖化)
【未来動向――市場編】
2024 政府が巨大IT規制案を国会に提出
2025 半導体製造装置の世界市場が1240億ドルの規模に拡大(過去最高)
2027 AI半導体の世界市場が1194億ドルの規模に拡大(2022年比で2.7倍)
2027 農薬の世界市場が825億ドルに拡大(2022年は748億ドル)
2027 米ファストフード大手が世界に5万店を展開(4年間で出店9000店)
2030 海藻養殖の世界市場が最大で118億ドル規模に成長する
2030 衛星軌道上のオン・オービット・サービス(OOS)が51億ドル市場に成長
2030 国内の高級ホテル大手がホテル数を2.5倍に増やす(4→10カ所程度)
2030 インドの乗用車と小型商用車の市場615万台(2022年は439万台)
2030 世界の水関連市場が110兆円を超える規模に拡大
2035 中国の新車販売が100%新エネルギー車(NEV)になる
2040 世界の宇宙産業が140兆円の規模に成長(2020年は50兆円)
2040 量子技術の市場規模が1060億ドルに達する
2050 東南アジアの地熱発電量が2020年比で10倍に急拡大
2050 世界の食料需要が3割増加(2020年比)
【未来動向――クルマ編】
2024 ボルボがディーゼルエンジン車の生産を終了
2024 国産メーカー各社が北米従業員の給与を10%程度引き上げる
2025 半固体電池の供給がはじまる(リチウムイオンより安価で安全)
2025 米テスラが約6万ドルのEVピックアップを発売
2025 独アウディがガソリン車の開発から撤退
2025 中国の車載電池大手がEVの電池、モーター、システムを一体化
2026 欧州のEV生産がガソリンエンジン車を上まわる(逆転)
2026 トヨタの欧州向け乗用車と小型商用車の2割がEVになる(年25万台)
2026 独BMWとメルセデスが共同で中国にEVの急速充電器7000基を設置
2026 トヨタがインドで3カ所目の自動車工場(生産能力年10万台)を完成
2027 ホンダが電動二輪車の専用工場をインド、東南アジアなどで稼働
2028 中国のEV生産がガソリンエンジン車を上まわる(逆転)
2028 日産が新車に搭載するガソリンエンジンの種類を4種類に抑える
2028 独VWがガソリン車の開発から撤退
2030 インドの乗用車と小型商用車の市場615万台(2022年は439万台)
2030 EUが新たな排ガス規制「ユーロ7」を乗用車に導入(7月)
2030 日米のEV生産がガソリンエンジン車を上まわる(逆転)
2030 ステランティスがすべての新車をEVにする
2030 独VWが欧州販売の8割をEVにする
2030 三菱自がガソリン車の開発を終了
2030 ホンダが電動二輪車を世界市場に30車種投入
2030 ホンダが世界市場で400万台の電動二輪車を販売
2031 EUが新たな排ガス規制「ユーロ7」をバス、トラックに導入(7月)
2031 世界のEV販売がガソリンエンジン車を上まわる(逆転)
2035 中国の新車販売が100%新エネルギー車(NEV)になる
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP28)合意文書
・グローバル難民フォーラム「誓約」発表
・オゾン層に関する国連環境計画(UNEP)などの評価報告書(2023年1月)
・博覧会国際事務局(BIE)総会
・米国の「懸念される外国の事業体(FEOC)」に関する新ガイドライン(12月初旬)
・欧州連合(EU)のハイドロフルオロカーボン(HFC)規制強化(2023年10月)
・欧州連合(EU)の人工知能(AI)規制法最終案合意
・欧州連合(EU)の温室効果ガス削減に関する包括的環境政策大筋合意
・欧州連合(EU)の排ガス規制案「ユーロ7」導入大筋合意
・英国の炭素国境調整措置(国境炭素税)導入発表
・オマーンのグリーン水素事業(2021年)
・豪内相兼サイバーセキュリティー担当相の国家戦略発表
・豪政府の留学生受け入れ条件厳格化
・韓国国防省、初の偵察衛星打ち上げ発表
・台湾「チップ主導の台湾産業革新計画」(2024年-)
・タイ「ランドブリッジ(陸橋)構想」(1980年代からの構想)
【国内】
・岸田政権「次元の異なる少子化対策」(2023年6月)
・政府のデジタル田園都市国家構想の実現会議、地域活性化5カ年計画「総合戦略」改定案
・政府、デジタル市場競争会議の規制案公表(2023年6月)
・新しいマイナンバーカードに関する政府作業部会の中間骨子案
・国の文化審議会、ユネスコ無形文化遺産登録申請候補「書道」選定
・政府の海岸のある39都道府県に対する政府の海岸保全基本計画改定通知(2021年)
・就職活動日程に関する関係省庁連絡会議
・宇宙航空研究開発機構(JAXA)「プラネタリー・ディフェンス(地球防衛)」
・医薬品医療機器法の改正に向けた厚生労働省有識者検討会
【企業/大学全国区】
・日本経済団体連合会(経団連)「経営労働政策特別委員会(経労委)報告」原案
・米国アマゾン社の衛星通信サービス網「プロジェクト・カイパー」構想
・寧徳時代新能源科技(CATL)のCATL・インテグレーテッド・インテリジェント・シャシー(CIIC)開発
・米テスラ「サイバートラック」出荷開始
・スカパーJSATデブリ除去プロジェクト、理化学研究所
・JR西日本の新大阪連絡線、なにわ筋連絡線乗り入れ検討
・名古屋鉄道による名古屋駅周辺再開発計画原案
・JR西日本、ジェイアール西日本ホテル開発「ホテルグランヴィア広島サウスゲート」発表(春)
・NTT西日本「NTT広島ビル」建て替え計画
・Kyulux(九州大学発スタートアップ)「ハイパーフローレッセンス(HF)」開発
・QPS研究所(九州大学発スタートアップ)の小型人工衛星打ち上げ成功
・刀(マーケティング会社)のテーマパーク「JUNGLIA」建設計画
・高橋五郎著「食料危機の未来年表」朝日新書
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・道立総合研究機構(道総研)「道産コーンウイスキープロジェクト」
・北海道経済連合会(道経連)「2030年時点の『宇宙版シリコンバレー』実現に向けたアクションプラン(行動計画)」
・宮城県食産業振興課、宮城ふるさとプラザ閉店方針
・福島県、オランダのクレラー・ミュラー美術館「大ファン・ゴッホ展」(仮題)開催計画
・津田沼駅南口地区の市街地再開発事業(千葉)
・大和、海老名、座間、綾瀬4市の消防広域連携(神奈川)
・北九州市「新ビジョン」素案
・福岡市の将来人口推計
・映画「ステップ」(仮題)製作記者発表
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・ロシアの大統領選(3月)
・阪急「新大阪連絡線」「なにわ筋連絡線」へのJR西、南海乗り入れ検討
【今月登場した未収録の未来】
・AIの許容できないリスク(サブリミナル技術、ソーシャルスコアリング等)
・米マクドナルドのAI導入(グーグルとの提携)
・アフェクティブ・コンピューティング(感情を推測するAI技術)
・リニア新幹線、名古屋以西
・東九州新幹線
・リバースメンター
【今月決着した未来】
・台湾、鴻海精密工業の人工衛星打ち上げ成功(11/12)
・兵庫県、分収造林事業(1962年開始)を断念(11/27)
・テスラが初のEVピックアップを発売(11/30)
・米国、大統領令でAI規制(国防生産法)
・EU、AI規制法案の大筋合意(12月)
・改正空き家対策特別措置法施行(12/13)
・米軍、全軍でオスプレイ飛行停止
・札幌市の冬季五輪招致停止(12/19)
【今月の未来語】
・AI半導体(成長市場)
・e-メタノール
・JUNGLIA(沖縄)
・transition away(COP28)
・アフェクティブ・コンピューティング(感情を推測するAI技術)
・アンテナショップ閉店(宮城)
・インドの自動車市場(成長市場)
・宇宙版ガソリンスタンド(アストロスケールUS)
・宇宙版シリコンバレー(道経連)
・大型蓄電池市場(成長市場)
・オン・オービット・サービス(OOS)
・介護保険サービス利用料2割負担の対象拡大(厚労省)
・海藻養殖市場(成長市場)
・高級ホテル
・高級和食
・国民年金の保険料納付期間延長(厚労省)
・ゴッホ「アルルの跳ね橋」(福島県立美術館)
・コミュニティー・カレッジ(コミカレ)
・サイバーセキュリティ―(豪)
・産業動物
・消滅可能性都市(日本創成会議)
・食料需要(成長市場)
・書道(ユネスコ無形文化遺産登録)
・スコアリングの禁止(AI規制)
・第三国定住(難民の国際分担、国連)
・男性の育休取得率(次元の異なる少子化対策)
・チップ主導の台湾産業革新計画
・津田沼駅南口(再開発)
・東工大田町キャンパス(再開発)
・動物愛護法改正
・飛ばないゴルフボール
・日本学
・農薬(成長市場)
・半固体電池
・半導体製造装置(成長市場)
・プラネタリー・ディフェンス(地球防衛)技術(JAXA)
・プロジェクト・カイパー(Amazon)
・フロン回収
・モデル年金(年金制度改正)
・モンスターハンターワイルズ(カプコン)
・ユーロ7(EU)
・ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」
・ランドブリッジ(陸橋)構想(タイ)
・量子技術(成長市場)
・海岸保全基本計画の改定
・宮崎市広島1丁目(再開発)
・懸念される外国の事業体(FEOC)
・国境炭素税(英)
・地域ゼネラル連合(連合)
・東急不動産赤坂ビル(再開発)
・防衛費増額
・名駅再開発(名鉄)
【用字用語】
1)半萬燈祭=はんまんとうさい(寺社:北野天満宮の祭礼)
2)曳山=ひきやま(寺社:祭礼の山車で動くもの)
3)黒石寺=こくせきじ(寺社:岩手県奥州市の天台宗古刹)
4)蘇民祭=そみんさい(寺社:神事としての裸祭り)
5)当別町=とうべつちょう(地名:北海道札幌市に隣接する町)
6)太秦=うずまさ(地名:時代劇映画の撮影所がある京都市のエリア)
7)早良区=さわらく(地名:福岡市西部の行政区)
8)国頭村=くにがみそん(地名:沖縄本島北部の自然豊かな村)
9)今帰仁村=なきじんそん(地名:沖縄本島本部半島にある村)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2024年1月号」
Future Lab 未来人
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