月刊 未来人
FUTURE REPORT AUG 20 2023
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 156/62109
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2024 2023年のエルニーニョ現象がこの年の気温に影響
2025 宗谷線の抜海駅が廃止される(最北の無人駅)
2025 米NY市がフードデリバリーの最低賃金を19.96ドルに引き上げる
2025 日本が月面で土木作業をする小型ロボットを完成
2025 津田塾大がトランスジェンダーの学生を受け入れる
2025 太陽光で水素を作る住宅が発売される
2025 自然に分解する樹脂素材の量産がはじまる(日用品、農業向け)
2025 英鶏卵大手が採卵鶏のケージを廃止
2025 マニラ首都圏で都市鉄道7号線(MRT7)の運行がはじまる
2025 オリジネーター・プロファイル(OP)技術が日本で普及
2025 欧州がウサギを使った動物実験を廃止(年末)
2025 北海道の東神楽町が陸上養殖のニジマス約1万2000匹を出荷
2026 リジェネラティブ農業の農地が100万ヘクタールに広がる
2026 英王室の奴隷貿易への関与に関する報告書がまとまる
2026 無人運転のトラック輸送網が実現(国内初)
2027 中国の政府機関と国有企業が情報機器を国産化
2028 日比谷野音がリニューアルオープン(東京)
2029 エルニーニョ現象が3兆ドルの経済損失をもたらす
2029 ドイツがウクライナ向けの155ミリ砲弾をこの年までに約33万発製造
2030 中国人初の月面着陸が実現する(ILRS計画)
2030 脱炭素の要求が個別企業の努力の範囲を超える
2030 北海道で次世代地熱発電設備の商業運転がはじまる
2030 日本の水素消費量が米欧中の1/8以下にとどまる
2030 世界のLNG需要がこのころ供給を上まわる
2030 日本の食品、飲料、酒類市場が16兆6000億円の規模に縮小(2022年は18兆1000億円)
2031 米ハワイ州の新線(スカイライン)が全線開業(約75年ぶりの鉄道復活)
2031 函館線長万部―函館間(147.6キロ)が貨物線として存続する
2032 東京、大阪、愛知で「寿司といえば富山」が認知される
2033 国内の映画大手が売上高の海外比率を約30→50%に高める
2035 上越新幹線が自動運転を導入(2030年代中ごろ)
2040 藤沢市で過大規模(31学級以上)の市立小が6校に増える(神奈川)
2050 つくばエクスプレス(TX)が茨城の土浦方面に延伸
【未来動向――基本編】
2024 湾岸協力会議(GCC)と日本のFTA交渉が再開
2024* 全国の荷物の14%が運べなくなる(物流の2024年問題)
2024* 新東名に自動運転車用の車線が登場(駿河湾沼津SA―浜松SA間)
2024* 欧州企業にサステナ情報の開示が義務付けられる
2024 2030年冬季五輪の開催地がこの年7月までに決定する
2025 年金制度が新しくなる(年金制度改革)
2025 デジタル課税が発効(世界で100社程度が対象)
2025 国内100地域に都市OSが導入される(2023年は52地域)
2025 スウェーデンが国防予算を40%引き上げる(NATO加盟)
2026 自律型兵器を禁じる法的な枠組みがまとまる
2026 サステナ情報の第三者保証に新しい基準が適用される
2028 デジタルユーロ発行がこの年以降になる
2030* 全国の荷物の34%が運べなくなる
2030 スギ、ヒノキのエリートツリーが年1000万本生産される(花粉1/2以下)
2030 世界の5億7500万人が極度の貧困にとどまる(SDGs未達成)
2030 世界の学校に通えない子どもが8400万人残る(SDGs未達成)
2030 SDGsの達成が全体の15%程度にとどまる
2030 船の温室効果ガス排出量が20-30%削減される(2008年比)
2030 インドネシアの国営石油が化石燃料の事業割合を8割→6割に縮小
2030 インドネシアが温室効果ガスの排出を約43%削減(国際支援が前提)
2030 ベトナムの電力に占めるLNGの割合が0%→15%に高まる
2030 一日の摂取エネルギーが1人あたり1648キロカロリーにとどまる
2035 インドネシアの新首都がすべての水供給を循環的に処理
2037 ウズベキスタンのミルジヨエフ大統領がこの年まで続投する(4期目)
2040 この年から10年で大学入学者数が49万-51万人に低下
2040 船の温室効果ガス排出量が70-80%削減される(2008年比)
2045 インドネシアの新首都が人口180万人の廃棄物を6割リサイクル
2050 国内の大学入学者数が49万人台にとどまる
2050 船の温室効果ガス排出量が実質ゼロになる
2050 CO2の再利用が国内で最大1億-2億トンに達する
2060 インドネシアの国営石油が化石燃料の事業割合を30-35%に縮小
2065 フィリピンの新都市ニュークラークシティーが完成
2100 日本の人口が約6200万人にとどまる
【未来動向――市場編】
2025 デジタル課税が発効(世界で100社程度が対象)
2026 後払い決済(BNPL)の総取引量が6563億ドルに膨らむ
2028 世界のスマートシティ市場が1658億ドルの規模に拡大(2倍強)
2030 日本の水素消費量が米欧中の1/8以下にとどまる
2030 世界のLNG需要がこのころ供給を上まわる
2030 日本の食品、飲料、酒類市場が16兆6000億円の規模に縮小(2022年は18兆1000億円)
2030* 燃料電池(FC)の世界市場が約5兆円の規模に拡大(約10倍)
2035 パワー半導体の世界市場が13.4兆円の規模に拡大(約5倍)
2050 水素需要が2400万トンに達し、2000万トンの輸入が必要になる(国内)
2050 東南アジアと南アジアのLNG需要が世界需要の5割を占める
【未来動向――クルマ編】
2024* 新東名に自動運転車用の車線が登場(駿河湾沼津SA―浜松SA間)
2025 日産が北米向けのEVにテスラの急速充電規格「NACS」を採用
2025 マツダが中国市場に複数のEVを投入
2025 台湾の電子機器大手がベトナムに部品工場を完成(2024-25年)
2025 ストリーモが電動立ち乗り三輪を年間3000台販売
2025 軽自動車の保険料に最大約1.7倍の開きが生じる(3区分→7区分)
2025 米、カナダ、メキシコのボルボEVがテスラの急速充電設備に対応
2025 マツダの新型EVが国産の車載電池を搭載
2025 TURINGが自動運転システム(レベル2)を搭載したEVを発売
2026 無人運転のトラック輸送網が実現(国内初)
2026 トヨタが愛知県みよし市で車載電池の生産をはじめる(24時間稼働)
2026 トヨタがこの年発売のEVに車体の一体成型技術を導入(国内初)
2026 トヨタ車が軽量で薄いペロブスカイト型太陽電池を搭載
2026 独車載電池メーカーが生産時のエネルギー消費を3割削減(2026-27年)
2026 トヨタ車が低コストのリン酸鉄リチウム(LFP)電池を搭載(2026-27年)
2027 マツダ初のEV専用モデルが登場
2028 マツダがEVを本格導入
2030 マレーシアの国営石油がアジア太平洋で約2万5000カ所のEV向け充電設備を運営
2030 英ロールスロイスがすべてのモデルを電動化
2030 トヨタが燃料電池(FC)システムを年10万-20万台供給
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・持続可能な開発目標(SDGs)の進捗に関する国連の報告書
・人工知能(AI)に関する国連安全保障理事会初の公開会合
・国連、国際海事機関(IMO)委員会の目標採択
・米ニューヨーク市のフードデリバリー最低賃金設定
・ウクライナ復興会議(21-22日)
・人工知能(AI)に関する国連安全保障理事会初の公開会合
・コンサベーション・インターナショナル(国際環境保護団体)と
仏ケリング社の「自然のためのリジェネラティブファンド」設立目標(2021年1月)
・日本・中央アジア諸国友好議員連盟の提言
・湾岸協力会議(GCC)ジャーセム・ブダイウィ事務総長と岸田首相との会談
・欧州委員会、デジタルユーロ発行の枠組みを定めた法案
・中国、国際月科学研究ステーション(ILRS)計画の国際協力機構設立方針(10月目標)
・シンガポール政府の情報開示規制案
・ベトナム国家電力開発基本計画(5月)
・インドネシア首都移転法(2022年1月)
・ウズベキスタン大統領選でのミルジヨエフ大統領当選(3回目)
【国内】
・政府の「年収の壁」助成金制度創設方針
・内閣府、官報の電子化に関する「基本的な考え方」
・厚生労働省社会保障審議会年金部会の年金改革議論開始
・文部科学省の2040-50年の大学入学者数推計
【企業/大学全国区】
・英ロールスロイス、初EV「スペクター」公開
・英鶏卵業者のケージ廃止申し合わせ
・一般社団法人VCスタートアップ労働衛生推進協会「VCスタートアップ健康保険組合」設立申請準備
・王子ホールディングス(HD)の新素材「リソイルグリーン」開発
・東映のキャラクター戦略部新設
・ストリーモ「ストリーモSO1JT」発表
・TURING柏ノヴァファクトリーのデモンストレーション車両公開
・東京大、慶応大、九州工業大、奈良先端科学技術大学院大などの小型土木作業ロボット共同開発
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・札幌市、チーム札幌・北海道コンソーシアム発足
・盛岡広域環境組合施設整備検討委員会初会合(岩手)
・富山県ブランディング推進本部会議
・山梨県総合計画素案
・東京都、日比谷公園再生整備計画(2021年)
・滋賀県の安土城「令和の大調査」整備基本計画
・長崎県教育委員会の公立高入試制度改革方針
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議COP28(11-12月)
・太平洋クロマグロの漁獲枠、特例措置による実質増(12月)
・国内のアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」承認(年内)
・トラックの最高速度の引き上げ(年内提言)
・新紙幣の発行(2024年7月)
【今月登場した未収録の未来】
・AIの悪用を監視する国連機関創設(IAEAのようなもの)
・米国の気候変動開示義務化
・防衛装備移転三原則の運用指針改正
・デコ活(脱炭素社会を目指す国民運動の愛称)
・小松空港2本目の滑走路(福井)
・ディープフェイク(生成AIの悪用)
・AIの下請け
・プロンプトエンジニア(AIに指示を出す職業)
・ナース・プラクティショナー(NP)
・プロテインクライシス(たんぱく質不足)
【今月決着した未来】
・米FDA、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」承認
・改正刑法施行(7月。強制わいせつ罪→不同意わいせつ罪)
・水素基本戦略(6年ぶり)改定(6月)
・国内新車販売に占めるEV約2%
・自動運転(レベル4)解禁(4月)
・明治神宮外苑の高木伐採
・四国電力、西条火力発電所新1号機稼働(6月)
【今月の未来語】
・BNPL規制
・CO2の再利用(経産省)
・IP(知的財産)事業
・ISSBスコープ3(情報開示)
・TX土浦延伸(茨城)
・VCスタートアップ健康保険組合
・アドバンスト・クローズド・ループ(次世代地熱発電)
・エリートツリー(花粉1/2のスギ、ヒノキ)
・オリジネーター・プロファイル(OP)
・ギガキャスト(トヨタ)
・京急追浜駅前(再開発)
・ケミカルリサイクル(出光)
・国際月科学研究ステーション(ILRS)計画(中国)
・採卵鶏のケージ廃止(英国)
・サステナ情報
・自動運転車両用車線(新東名)
・小学校の過大規模問題(藤沢市)
・スカイライン全線開通(米ハワイ)
・スマートシティ市場(成長市場)
・スラリー(原発汚泥)
・早期警戒システム(環境省)
・そごう広島店新館跡地(再開発)
・津田沼駅南口(再開発)
・ディープフェイク(生成AIの悪用)
・デジタル課税(OECD)
・デジタルユーロ
・電動立ち乗り三輪(特定小型原動機付自転車)
・動物実験廃止(欧州)
・都市OS
・日本最北の無人駅(抜海駅)廃止
・ニュークラークシティー(フィリピン)
・ヌサンタラ(インドネシアの新首都)
・年金制度改革(厚労省)
・年収の壁
・函館線長万部―函館(北海道新幹線の並行在来線)
・パワー半導体市場(成長市場)
・彦根城(世界文化遺産登録)
・被爆80年(広島、長崎)
・日比谷野音リニューアル(東京)
・府域一水道
・無人運転トラック輸送網(三菱地所)
・ヤングケアラー問題(厚労省)
・陸上養殖(北海道)
・リジェネラティブ農業/アグロエコロジー
【用字用語】
1)BNPL: Buy Now Pay Later(経済:後払い決済)
2)CBT: Computer Based Testing(情報:パソコンを使った試験)
3)OP: Originator Profile(情報:ネット情報の発信元を紐づける技術)
4)追浜駅=おっぱまえき(地名:神奈川)
5)抜海駅=ばっかいえき(地名:北海道)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2023年8月号」
Future Lab 未来人
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