月刊 未来人
FUTURE REPORT SEP 20 2022
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 127/60128
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2024 JR宗谷線の抜海駅が開業100年でにぎわう(北海道稚内市)
2024 タイで昆虫を原料とする飼料の量産がはじまる
2024 米IT大手がサードパーティー・クッキーを廃止(2度目の延期)
2024 東京工業大と東京医科歯科大が統合(医工連携)
2024 石垣島の沖合に手軽にダイビングが楽しめる人工浮島ができる
2024 北海道美唄市がデータセンターの廃熱で育てた養殖ウナギを出荷
2024 岡山県笠岡市で牛ふんを発酵させたガスによる発電がはじまる
2025 データ分析の8割がグラフ理論を利用する(世界)
2025 太陽光パネルの主要素材が95%中国産になる(現状は8割)
2025 韓国で理工系の大学院生が減少しはじめる(大学院危機)
2026 北海道の留萌線がバスに置き換わる(3月に全線廃止)
2026 韓国とインドネシアが4.5世代戦闘機「KF21」を量産
2026 米国の宇宙往還機が着陸拠点の大分空港に到着
2026 横浜市の市立中学校が全員給食を実施(配達方式)
2027 再生可能エネルギーが世界経済を動かす(2022-27年)
2028 東京の山手線が自動運転を実現(運転士の同乗なし)
2028 ロシアが独自の宇宙ステーションを開発
2028* 東京丸の内の行幸通りに高さ約100メートルの高層ビル
2029 サウジアラビアの未来都市「NEOM」が冬季アジア大会を開催
2030 アフリカの電力需要が75%増加(2021-30年)
2030 サービス業などで現場の頑張りがきかなくなる(欠員率20%超)
2031 韓国が月着陸船を打ち上げる
2035 水都大阪が復活
2036 世界全体の出生率が置換水準(2.07)を下まわる
2042 火星が月に隠れる火星食が観測される(3月4日夜)
2046 韓国の高齢化率が37.3%に達し、日本(36.9%)を上まわる
2050 台風の勢力を抑える技術が確立
2050 すべての国の出生率が置換水準(2.07)を下まわる
2053 米国で約1億700万人が体感温度52度超の危険な暑さにさらされる
2065 アジア太平洋地域のSDGs達成がこのころになる
2081 韓国の高齢化率が47.5%でピークに達する
2082 日本の高齢化率が39.1%でピークに達する
2094 韓国の人口が半減(2596万人)
2100 日本を含む世界の23カ国で人口が半減
2100 沖縄が日本の避暑地になる(那覇の最高気温<札幌)
【未来動向―基盤】
2024 インドが総選挙の年を迎える
2024 学生数5割以下の学部がある大学の学部新設、定員増が難しくなる
2025 日米が共同で開発した回路線幅2ナノメートルの半導体を量産
2025 中国がAI、量子、半導体、脳科学、遺伝子・バイオを強化(2021-25年)
2028 英―独間の海底送電線「ノイコネクト」の運用がはじまる
2030 米国が温室効果ガスを2005年比で40%削減(気候変動・医療対策法)
2030 政府がバイオエタノールの国内需要を倍増(日米連携)
2030 英国が喫煙率を5%に抑える(2018年は14%)
2030 インドがCO2排出量を45%削減(地球温暖化)
2030 インドが非化石燃料に由来する電力の割合を50%程度に高める
2030 ネットで登録した情報を管理できるようになる(トラステッドウェブ)
2030 エジプトのダバアで原発の運転が本格化(アフリカ2例目)
2030 東京都が温室効果ガス排出量を2000年比で50%削減(従来は30%)
2030 東京都がエネルギー消費を2000年比で50%削減(従来は38%)
2030 東京都が電力の再生可能エネルギー割合を50%程度に高める
(従来は30%)
2030 東京都が太陽光発電の導入量を200万キロワット以上に高める
(従来は130キロワット)
2030 東京都が新車の非ガソリン車割合を100%に高める(従来は80%以上)
2030 東京都が150カ所の水素ステーションを整備
2030 東京都がフロンの排出を2014年比で65%削減(従来は35%)
2033 NASAとESAが火星の石や土壌を地球に持ち帰る
2035 フランスが原発6基を新設、稼働させる(約20年ぶりの新設)
2035 ベルギーがこの年まで原発2基を温存(25年の完全閉鎖から転換)
2035 G7が電力部門を完全または大部分で脱炭素化
2040 医療福祉の就業者数が96万人不足(現役世代の急減)
2040 英ジェット・ゼロ戦略が国内航空と空港をゼロエミッション化
2050 中国が世界の「科技強国」になる
2050 英ジェット・ゼロ戦略が航空機の温室効果ガス排出を60%以上削減
2100 インドの人口が世界最多を維持(2023-2100年)
【未来動向―市場】
2023 オーストラリアが天然ガス不足に陥る(ウクライナ危機の影響)
2025 太陽光パネルの主要素材が95%中国産になる(現状は8割)
2030 政府がバイオエタノールの国内需要を日米連携で倍増
2030 循環経済の国内市場が50兆-80兆円の規模に成長
2030 独自動車部品大手が日本市場で1万台の商用EVを受注
2030 シンガポールが350億シンガポールドルの環境債を発行(2022-30年)
2050 世界のコバルト需要が2018年比で約4.6倍に増える
2050 カーボンファーミングが日本で1.5兆円の経済効果を生む
2050 アジア太平洋地域で暮らす人の4人に1人が60歳以上になる
2050 インド太平洋地域が世界のエネルギー消費の44%を占める
【未来動向―自動車】
2023 中国のEV大手BYDが日本市場に3車種を投入
2025 中国のEV大手BYDが47都道府県に100店の販売網を整備
2025 ホンダがF1自動車レースへの技術支援をこの年まで継続
2026 独自動車部品大手が日本市場に商用EVを投入
2030 東京都が新車の非ガソリン車割合を100%に高める(従来は80%以上)
2030 東京都が150カ所の水素ステーションを整備
2030 独BMWが新車販売に占めるEVの割合を5割に高める
2030 ラオスの配車アプリ大手が車両5000台すべてをEVにする
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国連(経済社会局)「世界人口予測」(2022年版、前回は2019年)
・国連人間居住計画(ハビタット)事務局長講演(第13回アジア太平洋都市サミット)
・先進7カ国首脳会議(G7サミット)共同声明(2022年6月)
・日米経済政策協議委員会(経済版2プラス2)初会合(共同声明と行動計画)
・バイデン米大統領の気候変動・医療対策法案署名成立
・英国「ネット・ゼロ戦略」(2021年)
・英国「交通機関脱炭素化計画」(2021年)
・英国「ジェット・ゼロ」戦略
・ロンドン交通局(TfL)「ビジョン・ゼロ」計画
・インドの気候変動対策閣議決定
【国内】
・官民トラステッドウェブ推進協議会の白書改訂
・厚生労働白書2022年版(原案)
【企業/大学全国区】
・米NPO「ファースト・ストリート財団」の気温上昇に関する研究
・山梨県甲府市「MAP2040プロジェクト実行委員会」と北杜市の連携
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・栃木県「とちぎ子ども・子育て支援プラン」(2020年)
・東京都環境審議会による東京都環境基本計画案答申
・山梨県10市町のやまなし県央連携中枢都市圏推進協議会
・川西市「ゼロカーボンシティ宣言」(兵庫)
・沖縄気象台の沖縄―4都市(福岡、大阪、東京、札幌)気温比較
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・NASA大型ロケットSLS打ち上げ(8-9月)
・中国の有人宇宙ステーション「天宮」年内完成
・ガーナ、原発予定地決定(年末)
【今月登場した未収録の未来】
・米主導の新経済圏「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」構想
・ロシアとエチオピア、ザンビア、ナイジェリアの原発計画
・中国とケニア、スーダンの原発計画
・ベトナムの2040年内燃車生産輸入停止
・フレンドショアリング(供給網の安全保障)
・グリーンGDP
・低メタン牛
【今月決着した未来】
・ドイツの脱原発全先送り(9月)
・ロシア、北方領土のビザなし渡航合意破棄(9月)
・韓国初の月探査機「タヌリ」打ち上げ(8月)
・東京圏人口、1975年以降初の減少
・佐渡金山遺跡世界遺産23年登録延期
・飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群、世界遺産推薦延期
・彦根城、世界遺産推薦延期
・出雲のトキ放鳥
・名古屋大、スーパー学位プログラム(SDPs)開始(8月)
・日本人口1億2322万3561人(61万人減。ピークは2009年)
・米企業が代替コーヒーを開発
【今月の未来語】
・4.5世代戦闘機「KF21」(韓国とインドネシアの共同開発)
・医工連携
・カーボンファーミング
・科技強国(中国)
・火星食
・グラフ理論の普及
・グリーン電力
・グリーンボンド(環境債)
・現役世代の急減(厚労省)
・昆虫由来の飼料
・サードパーティー・クッキー廃止(Google)
・仕事現場の欠員率
・循環経済(サーキュラー・エコノミー)
・水都大阪
・宗谷線抜海駅(廃駅問題)
・大学院危機(韓国)
・太陽フレア
・たばこフリー(英国)
・低メタン牛
・トラステッド・ウェブ(官民)
・ドリーム・チェイサー(宇宙往還機)
・ノイコネクト(英独海底送電線)
・フレンドショアリング(供給網の安全保障)
・留萌線全線廃止(JR北)
・連携中枢都市圏
【用字用語】
1)佐渡島の金山=さどのきんざん(固有名詞:世界遺産推薦候補)
2)伊方=いかた(地名:愛媛)
3)行幸通り=ぎょうこうどおり(地名:東京)
4)抜海=ばっかい(地名:北海道)
5)美唄=びばい(地名:北海道)
6)留萌=るもい(地名:北海道)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2022年9月号」
Future Lab 未来人
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