月刊 未来人
FUTURE REPORT MAR 20 2022
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 200/59147
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2023* 北海道の高速道路で自動除雪システムが活躍(スマート除雪)
2023 仙台市中心部で一部木造のオフィスビルが完成(地上10階)
2024 神奈川大のハイブリッドロケットが宇宙空間に到達(低価格)
2024 岡山理科大が味のよいベニザケの陸上養殖事業に成功(世界初)
2024 空飛ぶクルマによる旅客サービスがはじまる(米)
2024 インドネシアの新首都開発が東カリマンタン州の自然を脅かす
2024 国内で無人運航船が実用化
2024 欧州各地のCO2を貯留するノーザンライツ計画がはじまる
2024 高校野球が低反発の金属製バットに移行(2022-24年)
2025 航空大手が空飛ぶクルマによる旅客サービスをスタート(国内)
2025 福井県立大が恐竜学部(仮称)を新設(全国初)
2025 認知症と同規模(約700万人)の軽度認知障害(MCI)が生じる(国内)
2025 国内で無人運航船が実用化(船員不足を緩和)
2025 菓子大手が持続可能なカカオの割合を100%に高める
2025 このころ憲法改正の可能性が高まる(2022-25年。選挙の空白期)
2025 苫小牧―大洗航路に大型LNGフェリー2隻が就航
2025 北海道の帯広市が民生委員に定年制を導入
2026 悪性胸膜中皮腫の新薬が医薬品申請の段階に進む
2027 米ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が契約数1500万件を達成
2027 中国が台湾の武力統一を終える
2028 EUが独自の宇宙通信網を構築する
2030 空港内の太陽光発電が合計2300ヘクタールに達する
2030 まったく想像できない技術が普及している
2030 電気化学が石油化学に競合する(規模による競争が終わる)
2030 中ロが月面基地の建設をはじめる
2030 ディーゼル車両の燃料電池電車への置き換えがはじまる(JR東)
2030 サウジアラビアで防衛産業の国産化が進む
2030 外国人労働者が63万人不足する(国内)
2030 宇宙の大航海時代がはじまる(資源、研究開発、娯楽を追求)
2030 福島に良いイメージを持っている人の割合が50%以上になる
2031 国際宇宙ステーション(ISS)が南太平洋上空の大気圏に廃棄される
2032 気候変動対策の過ちが最大のグローバルリスクになる(2022-32年)
2032 iPS細胞を使った網膜色素上皮不全症治療の臨床研究が終了
2035 中国とロシアが共同で月面に小さな村を建設
2040 外国人労働者が現在の約4倍(674万人)必要になる(42万人の不足)
2050 AIロボットが社会のインフラになる(介護など)
2050 日本が発言力のない国に落ちぶれる(教育への警鐘)
2050 1960年に生まれた男性の4割、女性の6割強が90歳を迎える(国内)
2050 川崎市の臨海部がカーボンニュートラルコンビナートになる
2065 横浜市の生産年齢人口が3割減少(現状比)
2065 横浜市が公共サービスのハードランディングに追い込まれる
2100 冬季五輪の開催可能都市が札幌だけになる(開催実績のある21都市中)
3000 南極の氷床がこの年まで融け続ける(海面水位は3.5メートル上昇)
【未来動向―基盤】
2023 米国がAPECで対中国経済圏を推進
2023 こども家庭庁がスタートする(4月)
2023 欧州でEUタクソノミー規則が発効(持続可能な事業、製品の分類)
2023 仏フラマンビルで欧州加圧水型炉(EPR)初号機が稼動(従来目標は2012年)
2023 医薬品の承認手続きを迅速化する緊急承認手続きがはじまる
2023* 北九州市が斜面住宅地の開発を制限する「逆線引き」候補地を確定
2024 子どもの居場所を広げる改正児童福祉法が施行される
2024 児童養護施設の年齢制限を廃止した改正児童福祉法が施行される
2025 自衛隊が佐賀空港にオスプレイ17機を配備
2026 日銀が中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行の是非を判断
2027 東京都が再開発する神宮外苑地区の運用がはじまる(2027-36年)
2028 ベトナムが次世代通信規格「6G」の周波数を割りあてる
2028 名古屋市の名古屋競馬場跡地がまち開きの日を迎える
2030 EUが半導体市場に占めるEU製の割合を20%に高める(脱アジア製)
2030 スウェーデンが高レベル放射性廃棄物最終処分場を稼動(2例目)
2030 この年まで欧州が天然ガス発電所の建設を認める(EUタクソノミー)
2030 山形県遊佐町沖の洋上風力発電所が稼動(発電能力45万キロワット)
2030 原発開発を再開したフランスがグリーン水素のリーダーになる
2030 英国が水素の生産能力を5ギガワットに高める(水素戦略)
2030 国際宇宙ステーション(ISS)が民間のステーションに置き換わる
2030 世界の発電量が3万4000テラワット時前後になる(2020年比で3割増)
2030 韓国が半導体産業の裾野を強化(2030年総合半導体強国)
2033 中国のGDPが米国を抜き「中国の17年天下」がはじまる(2033-50年)
2035 中国が台湾本島との間に道路橋を完成(海底トンネル案も検討)
2035 フランスが欧州加圧水型炉(EPR)6基を稼動(最終的には14基を増設)
2036 中国のGDPが対米比率9割でピークに達する(生産性が低い場合)
2040 人工光合成でプラスチック原料を作る技術が実用化(国内)
2040 小選挙区の定数見直しが「16増16減」になる(一票の格差)
2045 この年まで欧州が原発の建設を許可する(EUタクソノミー)
2050 米沿岸の海面が25-30センチ上昇(地球温暖化、気候変動)
2050 フランスが小型モジュール炉を25ギガワット分建設
2050 中国のGDPが米国に再逆転される(中国17年天下の終わり)
2060 中国のGDPが対米比率で65%に低下(生産性が低い場合)
2100 気候変動に関連する途上国の死者が累計4000万人に達する
【未来動向―市場】
2028 ベトナムが次世代通信規格「6G」の周波数を割りあてる
2028 5G基地局の世界市場が1794億ドルの規模に成長
2028 世界のメタバース関連市場が8290億ドルの規模に成長(約17倍)
2030 外国人労働者が63万人不足する(国内)
2030 蓄電池の世界需要が2019年比で16倍に拡大(3664ギガワット時)
2030 メタバース経済圏が100兆円を超える規模に成長
2030 世界の通信量が15倍に増える(2020年比)
2035 車載電池の世界市場が約26兆円の規模に膨らむ(2020年比で8.5倍)
2040 外国人労働者が現在の約4倍(674万人)必要になる(42万人の不足)
2040 世界のリチウム需要が2020年比で13倍に急増(約28万トン)
2040 世界のニッケル需要が2020年比で6.5倍に急増(約130万トン)
2050 英国が最終エネルギー消費に占める水素の割合を20-35%に高める(英水素戦略)
2050 世界の水素市場が2兆5000億ドルの規模に成長
2050 水素が欧州の最終エネルギー需要の最大22%を占める
2050 EUの原発開発がこの年までに5000億ユーロの投資を必要とする
【未来動向―自動車】
2024 空飛ぶクルマによる旅客サービスがはじまる(米)
2024 タイ石油大手がEVの生産を開始(年産5万台規模)
2024 ホンダが軽自動車の商用EVを国内市場に投入
2024 独アウディが日本の販売店すべてにEV向け急速充電器を整備
2024 中国の電池大手が茨城で車載電池工場を稼動
2025 航空大手が空飛ぶクルマによる旅客サービスをスタート(国内)
2025 スウェーデンのボルボ・カーが南部の本拠地でEV向け車載電池を生産
2025 スウェーデンのボルボ・カーが国内でアルミダイカスト製のEVを生産
2025 ホンダが自社開発の全固体電池を実用化(2020年代後半)
2026 独VWが新工場でアルミダイカスト製のEV「トリニティ」を生産
2026 日産、三菱、仏ルノーの3社が車台の共有割合を80%に高める
2026 ホンダが中国でEV10車種を発売(中国メーカーが電池を供給)
2029 ホンダがGMと共同開発したEVを米国で発売(韓国企業の電池を搭載)
2030 仏ルノーが欧州で販売する新車をすべてEVにする
2030 タイ石油大手がEVの生産を年間15万台に拡大
2030* 日産が欧州で販売する車のすべてがEVなどの電動車になる
2030 日産、三菱、仏ルノーの3社がこの年までに35車種のEVを発売
2030 日産、三菱、仏ルノーの3社が電池生産能力220ギガワット時を確保
2030 電力大手がEVのマンション向け個人用充電サービスを2000台契約
2035 二輪大手が出荷の2割を電動バイクにする
2050 二輪大手が出荷の9割を電動バイクにする
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・世界経済フォーラム(WEF)「グローバルリスク報告書」2022年版(1月11日)
・国際オリンピック委員会(IOC)ロサンゼルス五輪実施競技正式決定
・米バイデン政権「インド太平洋戦略」
・欧州委員会「欧州半導体法」提案
・英国「水素戦略」(2021年8月)
・スウェーデン、高レベル放射性廃棄物最終処分場建設計画承認
・ノルウェーなどのCO2貯留「ノーザンライツ」構想
・中国国家宇宙局宇宙工程センター劉継忠主任「宇宙白書」発表
・韓国「2030年総合半導体強国」
・韓国とUAEの国防技術協力に関する覚書
【国内】
・こども家庭庁設置法案
・児童福祉法改正案
・医薬品医療機器法(薬機法)改正案
【企業/大学全国区】
・JR東日本、燃料電池電車試験車両「HYBARI」公開
・相鉄不動産、東急「THE YOKOHAMA FRONT TOWER」
・2030年に向けた九州大学の新ビジョン
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・北海道「ゼロカーボン北海道」中間目標
・福島県新生ふくしま復興推進本部会議の風評風化対策強化戦略改訂
・茨城県つくば市「ゼロカーボンシティ宣言」
・東京都の明治神宮外苑地区再開発計画案
・国際記念物遺跡会議(イコモス)日本国内委員会の神宮外苑伐採見直し提言
・町田市「ゼロカーボンシティ宣言」
・横浜市財政局の長期財政推計
・長野県白馬村「白馬村気候非常事態宣言」(2019年)
・岐阜県関市のゼロカーボンシティ宣言
・名古屋競馬場跡地の開発計画
・三重県「ひきこもり支援推進計画」最終案
・JR岩国駅西口再開発計画事業案
・佐賀県基山「町環境基本計画」
・熊本県あさぎり町「ゼロカーボンシティ宣言」
・日本財団などの無人運航船実証実験「MEGURI2040」
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・福島、海域モニタリング(春)
・G7サミットの開催地決定(6月)
・米国で強制収容された日系人の名簿完成(6月)
・ドイツ国内3基の原発停止(年内に稼動ゼロ)
・立憲、夏の参院選候補の半数を女性に
・マイナポイントのためのカード申請終了(9月末)
・経済産業省、蓄電池の製造ルール報告書(6月)
・東京都「都市強靱化10か年プロジェクト」(2022年度後半)
【今月登場した未収録の未来】
・西南極スウェイツ氷河の大崩壊
・スウェーデン、高レベル放射性廃棄物最終処分場建設計画(世界2例目)
・オランダの原発新設計画
・ポーランドの原発新設計画
・アジアのエネルギー安全保障
・日本海沿岸のグリーンタフ(緑の凝灰岩)層(CO2貯留)
・軽度認知障害(MCI)
・mRNA医薬品の普及(製薬革命)
・自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)のIT就労(発達障害)
・木質バイオマス由来のSAF(JERA、三菱パワー、東洋エンジニアリング)
・オリオンビール新規株式公開(IPO)
【今月決着した未来】
・米紙NYT総契約1000万件達成(2025年の目標)
・独ダイムラー、メルセデス・ベンツグループに社名変更(2月)
・日産、欧州向けのガソリンエンジン開発終了(2月)
・健康寿命、2019年男性72.68歳、女性75.38歳(2021年12月)
・不健康な期間、2019年男性8.73年、女性12.06年(2021年12月)
・新品種登録の出願半減(2007年比)
・東京23区が初の転出超過(1月28日、総務省2021年人口移動報告)
・キリンHDのミャンマー市場撤退
【今月の未来語】
・6G(次世代通信規格)
・EUタクソノミー規則
・JR札幌駅前(再開発)
・JR富士駅北口(再開発)
・悪性胸膜中皮腫(難治性のがん)
・磯新駅(鹿児島)
・一票の格差
・医薬品医療機器法(薬機法)改正
・岩国駅西口(再開発)
・インド太平洋戦略(米)/インド太平洋経済枠組み
・宇宙通信網(EU)
・宇宙の大航海時代
・欧州加圧水型炉(EPR)
・欧州半導体法(脱アジア製半導体)
・カーボンニュートラルコンビナート(川崎)
・改正児童福祉法
・環境配慮型ビル(仙台)
・技術主権、産業基盤の国産化
・逆線引き(北九州市)
・キャンパス移転(龍谷大)
・恐竜学部(福井県立大)
・金属製バット(高校野球)
・グローバルリスク(WEF)
・軽度認知障害(MCI)
・月面基地(中ロ)
・行動展示(動物園)
・小型モジュール炉(仏小型原発)
・こども家庭庁
・在外有権者のネット投票(総務省)
・札幌市北区北8西1(再開発)
・車載電池市場(成長市場)
・シャングリ・ラ京都二条城
・スマート除雪
・石油化学→電気化学
・仙台駅西口(再開発)
・蓄電池市場(成長市場)
・中央銀行デジタル通貨(CBDC)
・中国の17年天下(2033-50年)
・中台融合(中国)
・月の村(中ロ)
・トラックの隊列走行
・名古屋競馬場跡地(再開発)
・ニッケル需要
・ネガティブ・エミッション(負の排出)
・燃料電池電車(JR東)
・ノーザンライツ(北欧のCCS事業)
・ハイブリッドロケット(神奈川大)
・ベニザケの陸上養殖(岡山)
・防衛産業の国産化(UAE)
・マルチコア(データ通信)
・美祢線100周年(山口)
・民生委員定年制(帯広市)
・無人運航船
・メタバース関連市場(成長市場)
・メタバース経済圏
・横浜駅西口(再開発)/国家戦略住宅整備事業
・リスキリング(学び直し)
・リチウム需要
【用字用語】
1)嫦娥=じょうが(宇宙:中国の無人月探査機)
2)宇治田原=うじたわら(地名:京都)
3)苫前町=とままえちょう(地名:北海道)
4)平潭島=へいたんとう、ぴんたんとう(地名:中国福建省の島)
5)遊佐町=ゆざまち(地名:山形)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2022年3月号」
Future Lab 未来人
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