月刊 未来人
FUTURE REPORT AUG 20 2018
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。冒頭のグラフ「FUTURE MAP」は、しばらくお休みします。
・該当数 156/50629
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2019 核兵器禁止条約が発効(2018年7月で11カ国が批准。
日本は拒否)
2019 米民間2社の有人宇宙飛行船の運用がこの年以降に
ずれ込む
2019 神経ガスを短時間で無害化する国産技術が実用化
2019 マケドニア、アルバニアのEU加盟交渉がはじまる
2020 小型バイクに変形する自走ロボットが実用化
(千葉工大)
2020 国内で自動運転タクシーが実用化
2020 お茶の水女子大がトランスジェンダー女性の入学を
認める(国内初)
2020 米コーヒーチェーン大手がプラスチック製の使い捨て
ストローを全廃
2020 イヤホンサイズの自動通訳機が実用化
2020 鉄塔や電柱を利用したドローンの誘導サービスが
商用化
2020 製薬大手が従業員の喫煙者ゼロを達成
2021 米ハワイ州がサンゴ礁に有害な日焼け止めの
販売を禁じる
2021 調査捕鯨の母船「日新丸」が老朽化
2022 無人で作業をする農機が実現(2020-22年)
2022 ノルウェー海運大手が風力推進船を導入
(自動車6500-7000台を積載)
2022 米デトロイトのミシガン中央駅が次世代モビリティの
開発拠点に生まれ変わる
2023 国際数学オリンピックが日本で開催される
2023 トルコの原発新設がこの年より後になる
2024 NASAの観測衛星が太陽から約600万キロのところ
まで接近
2025 米軍が組織、部隊の再編の次期を迎える(在沖縄米軍
の役割が変化)
2028 鉄筋コンクリートに代わるロジックス構造材が実用化
(北大)
2028 羽田空港アクセス線が開業(羽田空港―東京駅が
約18分に短縮)
2030 インドの水需要が供給量の2倍に膨らむ(史上最悪)
2030 労働力人口に占める60歳以上の割合が2割を超える
2034 豪グレートバリアリーフで大規模な白化現象が
1年おきに生じる
2035 英国が無人飛行が可能な次期戦闘機を実戦配備
2040 第2次ベビーブーマーが65歳をすぎ、人手不足が
深刻化
2040 次世代移動通信規格「ビヨンド5G」が112兆円市場を
実現
2045 島根県より人口がすくない県が8県に増える(島根県
は人口68万人)
2050 全国の小学校が1/3(6500校)に減る
(小学校を持たない自治体が発生)
2054 75歳以上の人口がこの年まで増加を続ける
2060 日本の高齢化率が平準化する
【未来動向―基盤】
2019 離婚後の共同親権の検討が本格化(現状は単独親権)
2019 離婚後300日以内の嫡出推定の再検討が本格化
2019 育ての親が戸籍上の親になる制度が検討される
2019 高度プロフェッショナル制度(高プロ)がスタート
2019 南スーダンへの武器輸出を禁じた国連安保理の
制裁決議が期限を迎える
2020 世界遺産登録が自然遺産と文化遺産で1国1件になる
2020 米国の政策金利が年1.75-2%になる(2019-20年)
2020 裁量労働制の対象業務を拡大した労働基準法改正案が
国会で議論になる
2020 相続時の配偶者居住権を規定した改正民法が
施行される
2020 海底パイプライン「ノルド・ストリーム2」が稼動
2023 ミクロネシア地域に対する米国の財政援助が終了
2023 東北大で次世代型放射光施設の運用がはじまる
(光の顕微鏡)
2025* 介護保険制度の年間総費用が20兆円に迫る
(2015年度は10兆円)
2026 米ロの新STARTがこの年まで延長
2030 10万-30万キロワット級原発の
小型モジュール炉(SMR)が実用化
2030 再生可能エネルギーが全発電量の22-24%を占める
2030 原子力が全発電量の20-22%を占める
2030 火力が全発電量の56%を占める
2030 東京で販売される新車の5割がZEVになる(2017年度は
約2%)
2030 この年までに約30基の原発が稼動する(現状は9基)
2040 自治体職員が半減し、圏域が第3の自治体になる
2040* 医療、介護、その他の福祉の就業者が
3割多く必要になる
2040* 社会保障給付費の負担が190兆円に膨らむ
2040 日本の人口が年間約90万人減る
2040 団塊ジュニア世代が65歳以上になる
2040 高齢者人口が約4000万人でピークに達する
2040 人口3万人以下の市町村の7割超で人口が3割以上減る
2040* 大学進学者の数が約51万人に減る(2017年度比で
約12万人減)
2040* 都道府県の大学定員充足率が97.3-66.0%に落ち込む
(国公私合計)
【未来動向―市場】
2020 EUを離脱した英国がTPPへの参加準備を本格化
2020* 純国産ナチュラルチーズ開発が国産チーズの収益を
1割以上高める(日欧EPAが視野)
2020 インフルエンサーを利用したマーケティングが50億-
100億ドル市場に成長
2020 アジア新興国のキャッシュレス決済が4倍弱拡大する
(世界の約3割)
2020 この年までマイワシが豊漁になる
2020 さいたま市が樹林型合葬式墓地の運用を開始
2020 中国とインドの2国間貿易額が1000億ドルの規模に
拡大
2024 ネット通販で食品を購入する消費者の割合が米国で
7割に拡大
2025 EVとPHVの世界販売台数が急増
2030 インドと韓国の2国間貿易額が2.5倍に拡大
(年間500億ドル)
2035 世界で販売されるEVの数が14.8倍に拡大(2017年比)
2035 世界で販売されるPHVの数が31.1倍に拡大する
(2017年比)
2035 世界で販売されるHVの数が2倍にとどまる
(2017年比)
2036 豪シドニーの人口が644万人に増える
(2016年は470万人)
2037 世界で運航する航空機の数が3万9867機に達する
(2017年比で1.8倍)
2040 次世代移動通信規格「ビヨンド5G」が112兆円市場を
実現
2040* 大学進学者が2割減少し学びの再構築が進む
(現状比)
2040 カーシェアの普及で自動車販売が2000万台減少
(世界市場)
【未来動向―自動車】
2020 国内で自動運転タクシーが実用化
2020 雪道でルートを判断できる完全自動運転車が実現
(北大)
2020 事故自動緊急通報装置の保安基準が新型車に
適用される
2020 中国が商用車メーカーへの外資規制を撤廃
2020 中国の自動車大手が車載用リチウムイオン電池の生産
能力を4倍に高める
2020 中国の車載電池大手がリチウムイオン電池の生産能力
を50ギガワット時に高める
2020 ハウス暖房機の排気で野菜にCO2を与える設備が
600台普及(自動車マフラーの技術)
2021 事故自動緊急通報装置の保安基準が既存の車種に適用
される
2022 中国が乗用車メーカーへの外資規制を撤廃
2025 EVとPHVの世界販売台数が急増
2025 三菱ふそうが完全自動運転トラック(レベル4)を
実用化
2025 全固体電池の事業化がこの年以降になる
2025 独VWが全固体電池の量産体制を整える
2030 東京で販売される新車の5割がZEVになる(2017年度は
約2%)
2035 世界で販売されるEVの数が14.8倍に拡大(2017年比)
2035 世界で販売されるPHVの数が31.1倍に拡大する
(2017年比)
2035 世界で販売されるHVの数が2倍にとどまる
(2017年比)
2040 カーシェアの普及で自動車販売が2000万台減少
(世界市場)
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・南スーダンに関する安保理制裁決議採択
・ユネスコの世界遺産登録削減策
・ミクロネシア各国と米国の自由連合盟約「コンパクト」
・米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ決定に関する連邦
公開市場委員会(FOMC)議事要旨
・米航空宇宙局(NASA)のパーカー・ソーラープローブ打ち
上げ計画
・米民間2社の有人宇宙船に関する米政府監査院報告書
・英国防省「テンペスト」開発計画
・中印首脳会談
・印韓首脳会談
・フィリピン憲法委員会の憲法改正案
・韓国の改正労働基準法施行(2018年7月)
【国内】
・改正民法と関連法の可決成立(相続法)
・働き方関連法成立
・政府のエネルギー基本計画閣議決定
・政府の第32次地方制度調査会初会合
・政府「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」
(2018年5月)
・宇宙ごみ法制に関する自民党ワーキングチーム提言案
・総務省「自治体戦略2040構想研究会」報告書
(有識者会議)
・総務省、電波有効利用成長戦略懇談会報告書
(有識者会議)
・警察庁科学警察研究所のモルトロンオゾン分子水研究
・国土交通省の保安基準改正(道路運送車両法)
・厚生労働省の慢性腎臓病(CKD)総合対策
・中央教育審議会将来構想部会「今後の高等教育の将来像の
提示に向けた中間まとめ」
【企業/大学全国区】
・米フォードモーターのミシガン中央駅買い取り
・JR東日本「羽田空港アクセス線」構想
・大阪メトロ中期経営計画
・三菱地所の大手町ビル全面改修発表
・ZMP、日の丸交通の自動運転タクシー実証実験発表
・日本航空機開発協会の航空機需要予測(2018-37年)
・北海道大学と清水建設の「ロジックス構造材」共同開発
・千葉工業大学未来ロボット技術研究センター「CanguRo」
開発
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・秋田市教育委員会の市立小中学校再編素案
・栃木市の栃木駅北口市有地開発事業
・栃木県「エコグリーンとちぎ」住民説明会
・東京都のZEV普及目標(2018年5月)
・名古屋市次期総合計画中間案
・奈良県五條市教育委員会の市学校適正化基本計画
・長崎市「長崎平和マラソン」実行委員会発足
・沖縄県、第7期県高齢者保健福祉計画
・沖縄、南西地域産業活性化センター(NIAC)の貸家建設
動向と貸家需要見通し
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・札幌市の冬季五輪招致(9月)
・2025年万博開催地決定(11月)
・名古屋市「都心まちづくりビジョン」(11月)
・NTTドコモ2年縛り見直し(秋)
・英EU離脱後の通商関係枠組み協定案まとめ
【今月登場した未収録の未来】
・CO2マイナス排出
・CO2濃度と気温上昇の幅
・デジタル美術館
・海洋プラスチック憲章(日本未署名)
・新START延長(2021年期限)
・北朝鮮の非核化(2021年1月の不透明化)
・気候変動の財務情報開示(FSBのTCFD提言)
・普天間飛行場の運用停止期日
・小笠原空港
・報復関税
・国会改革(与党2020年以降の経済社会構想会議)
【今月決着した未来】
・トキ300羽放鳥達成(2018年6月)
・サウジ女性の運転解禁(2018年6月)
・IPCC総会京都開催(2019年)
・日欧EPA署名(2019年発効)
・配偶者居住権を含む民法と関連法の成立(相続法)
・人口の東京圏集中3割
【今月の未来語】
・EVシフト
・ZEV(東京)
・イヤホン型通訳機(情報通信研究機構)
・核兵器禁止条約(国連)
・北朝鮮の非核化
・義務教育学校
・キャッシュレス
・共同親権(民法)
・京王線府中駅北口
・圏域
・高度プロフェッショナル制度(高プロ)
・国産ヘリ「412EPX」(スバル)
・札幌駅南口
・四国水族館(香川)
・自動運転タクシー(日の丸交通)
・樹林型合装式墓地
・スペースデブリ法制
・世界遺産の削減(ユネスコ)
・全固体電池
・第3の自治体
・鷹山(祇園祭)
・中印貿易
・調査捕鯨
・超スマート社会(Society 5.0)
・テンペスト(英次期戦闘機)
・栃木駅北口
・長崎平和マラソン
・名古屋市次期総合計画
・奈良「県国際芸術家村」(仮称)
・ノルド・ストリーム2
・パーカー・ソーラープローブ(NASA)
・配偶者居住権(民法)
・羽田空港アクセス線(JR東)
・パラトン山形
・光の顕微鏡(東北大)
・ビヨンド5G(総務省)
・広島駅北口
・風力推進船
・ポップアップショップ
・マイクロ水力発電(NTN)
・ミシガン中央駅(米)
・モルトロンオゾン分子水(警察庁)
・ロジックス構造材(次世代建築材料)
・事故自動緊急通報装置(国交省)
・小型モジュール炉(SMR)開発(経産省)
・新START延長(米ロ)
・帝人大阪本社ビル跡地
【用字用語】
1)三の丸尚蔵館=さんのまるしょうぞうかん
(皇居、東御苑)
2)鷹山=たかやま(京都祇園祭)
3)木造弥勒仏坐像=もくぞうみろくぶつざぞう
(国宝、慈尊院)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2018年8月号」
Future Lab 未来人
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