月刊 未来人
FUTURE REPORT NOV 20 2016
新年度から毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。冒頭のグラフ「FUTURE MAP」はお休み中です。
・該当数 220/45019
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2017 日航の羽田―ニューヨーク線が復活(約39年ぶり)
2017 車いすに変化する電動ロボットベッドが発売される
2017 米ベンチャーが超音速の小型ジェット機を試験飛行
2017 京都大で有人宇宙活動の教育プログラムがスタート
2017 世界初の水素通勤電車がドイツで運用を開始する
2018 小型マグネシウムイオン電池が製品化
(大きさ1/2、コスト1/25)
2018 メガバンクのATMが海外のクレジットカードに対応
2018 バレーボールの「スーパーリーグ」がスタートする
2018 木星の衛星エウロパの水の噴出が確認される
2019 山口県長門市役所が5階建ての耐火木造庁舎になる
(全国初)
2019 中国が万里の長城の地下に駅を設ける
高速鉄道を完成
2020 ウナギの稚魚の人工的な量産が可能になる
2020 高速道路の3D地図が完成(自動運転)
2020 沖縄県で鉄軌道の建設がはじまる
2020 北京市が自転車専用道路3200キロを整備
2020 北朝鮮が50-100個の核弾頭を保有できるようになる
2021 仏PSAがモビリティーサービスで売上高3億ユーロ
2021 パキスタンが1800キロの高速道路網を整備する
2021 中国が最高時速600キロのリニアモーターカーを
量産化
2021 鼻にスプレーして数分で効果が得られる
男性用避妊薬が実用化
2022 米スペースXが最初の火星移住ロケットを
打ち上げる
2022 大エジプト博物館が全面オープン
2023 米企業が超音速ビジネスジェット機を商業運航する
2023 国内の抗がん剤市場で分子標的薬が68%を占める
2023 ロシアのペテルブルクでM6クラスの地震が発生する
(2023-24年)
2024 富裕層を対象とする京町家ホテルが5カ所に増える
2025 米飲料大手が砂糖のカロリーを抑える
(商品の2/3以上)
2025 イランが有人宇宙飛行を実現する
2025 英ヒースロー空港の第3滑走路がこの年以降に
運用を開始する
2025 北朝鮮が米本土に向けた弾道ミサイルを配備可能
になる
2029 スイスの脱原発時期がこの年に早まる
(現状は2034年)
2030 アンモニアを2倍の速さで合成する触媒技術が
実用化
2030 1645-1715年に観測された氷河期が再来
(2025-30年)
2033 この年の中秋の名月が定まらなくなる
(旧暦の2033年問題)
2041 中国、長江のスナメリが絶滅
2050 伊藤若冲没後250年で若冲ブームが再燃する
2050 浮世絵の祖、岩佐又兵衛の没後400年
2050 飲酒の害を回避するアルコール添加剤が普及
2056 米スペースXが火星に100万人都市を建設する
(40-100年後)
2066 英国で地域特有のアクセントが弱まる
2100 人口増加率が急低下し、食料危機が杞憂に終わる
2116 米スペースXが火星に100万人都市を建設する
(2056-2116年)
【未来動向―基盤】
2017 核兵器の法的禁止に関する交渉が国連ではじまる
2017 すべての電力消費者が原発の費用を負担する
法案が議論される
2017 世界経済が3.2%成長する(0.1下方修正)
2017 米国経済が2.1%成長する(0.1下方修正)
2017 ユーロ圏の経済が1.4%成長する(0.3下方修正)
2017 日本経済が0.7%成長する(0.3上方修正)
2018 政府による天皇の生前退位が実現(特例法の制定)
2018 株式の超高速取引(HFT)が欧州で登録制になる
2018 ベトナムがラックフェン国際港の整備を終える
2018 NHKのBSで4K・8Kの実用放送がはじまる(12月1日)
2018 コロンビア革命軍(FARC)が政党活動を開始
する(内戦終結)
2018 食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」が
制度化される
2018 パキスタンが総選挙の年を迎える
2019 英国のEU離脱が実現(交渉が円滑に進んだ場合)
2019 先進国で代替フロン(HFC)の生産規制がはじまる
2019 テレビ番組のネット同時配信が自由になる
2020 情報セキュリティの専門家が国内で19万人不足する
2020 ベトナムのコンテナ貨物取扱量が倍増
2020 福井県の美浜原発3号機が再稼動(40年超は3基目)
2020 この年までに死刑制度が廃止になる
2022 ロシアがサハリン2の増設による日本向けLNG生産
を開始
2024 中国と途上国が代替フロン(HFC)の生産規制を
開始
2024 中国が世界最大の航空市場になる(旅客機の
搭乗者数が米国を上まわる)
2025 NHKが放送開始100周年
2025 国内で建設労働者が134万人不足する
2025 中国で航空機の搭乗者数が9億2700万人に倍増する
2025 インドが英国を抜いて世界3位の航空機市場になる
2028 インドと産油国が代替フロン(HFC)の生産規制を
開始する
2030 風力発電が世界の総発電量の2割を占める
(2015年末の約5倍)
2030 海洋資源開発の専門技術者が約5倍(1万人)に
増える
2030 中国の経済成長率が2.8%に鈍化(2015年は6.9%)
2030 仏高速炉「アストリッド」が運転を開始する
(「もんじゅ」は見直し)
2030 世界の貧困者数が3500万-1億2200万人増加する
(気候変動)
2035 中国で航空機の搭乗者数が13億人に達する
2036 先進国が代替フロン(HFC)を85%削減する
2036 中国の「二人っ子政策」の効果があらわれる
(20年後以降)
2045 中国と途上国が代替フロン(HFC)を80%削減する
2047 インドと産油国が代替フロン(HFC)を85%削減
する
2050 農業をする人の数が半減し、85歳以上が
全体の3割を超える
2058 このころ韓国の国民年金が枯渇する
2060 日本の生産年齢人口(15-64歳)が半減
(2010年比)
2100 世界のコメの収穫量が20-30%減少する
(気候変動)
2100 世界の小麦の収穫量が5-50%減少する(気候変動)
2100 世界の大豆の収穫量が30-60%減少する
(気候変動)
【未来動向―市場】
2017 国際原油価格が1バレルあたり55ドルになる
2017 エネルギー価格が約25%上昇する
(原油の値上がりが背景)
2018 中国の経済成長率が5.4%に鈍化する
(2015年は6.9%)
2019 中国の経済成長率が4.6%に鈍化する
(2015年は6.9%)
2019 インドのアパレル産業が輸出額を300億ドルに
拡大する
2020 小型ビジネスジェットの需要が年間300-400機に
拡大する
2020 アジアのコンテンツ産業(日本を除く)が1.7倍に
拡大する
2021 米大手コーヒーチェーンが中国の店舗数を倍増
(5000店規模)
2021 インドのテキスタイル産業が2200億ドルの規模に
拡大する(現状は1100億円=約12.1兆円)
2021 世界のVRハードウェア市場が500億ドルの規模に
成長
2021 教育関連のクラウド市場が253億6000万ドルの
規模に成長する
2021 中国のモバイル決済が1兆4233億8000万ドル
市場に成長
2021 虹彩認証が可能なスマホの出荷が年間3億台に
急増(生体認証)
2022 中国の経済成長率が4%を割り込む
(2015年は6.9%)
2023 国内抗がん剤市場が1兆5438億円に拡大
(2014年は8523億円)
2025 米国の牛肉消費が1人年間100キロに増える
(現状は95キロ)
2025 自動運転関連産業の世界市場が約9000億ポンドに
拡大
2030 風力発電が世界の総発電量の2割を占める
(2015年末の約5倍)
2030 タクシー利用者の延べ人数が世界で3000億人に
達する
2030 東南アジア主要4カ国の成長率が4%台半ばの
水準を維持する
2035 日韓台の航空機市場で累計1440機の新規需要が
生じる
2035 日韓台で運航する航空機の数が1560機に増える
(5割増)
2040 世界の原発の設備容量が1.6倍に拡大する
(2013年比)
2050 世界のGDPに占めるアジアの割合が5割を回復
(現状は約3割)
【未来動向―自動車】
2017* 自動運転車のための3D地図の統一仕様がまとまる
(国内)
2018 会津若松市が会津戊辰戦争150年の記念式典を開催
2018 ホンダが50ccスクーターをヤマハにOEM供給
(国内向け)
2018 先進安全自動車(ASV)の保険料が平均で1割
安くなる
2018 このころトヨタが12代目のカローラを発売
2018 吉利汽車が環境対応車「01」を欧米市場に投入する
2019 中国湖北省武漢市でホンダの新工場が稼動
(年産12万-24万台)
2020 高速道路の3D地図が完成する(自動運転)
2020 歩行者、標識などを画像で認識するAIが実用化
2020 国内の新型車がヘッドライトの自動点灯機能を
備える
2020 独VWがEV専用車台「MEB」での生産を開始する
2020 独VWが1度の充電で400-600キロ走るEVを発売
2020 英国の公道で自動運転車が走行を開始する
2021 仏PSAがモビリティーサービスで売上高
3億ユーロを達成
2021 欧州が世界最大のカーシェア市場に成長する
2021 吉利汽車がLYNK&COブランドを4車種発表する
(2016-21年)
2025 独VWのEVが自動運転モードを搭載する
2030 世界の自動車の10台に4台がEVになる
(EV時代の到来)
2030 富裕層が多い世界の大都市でEVの割合が60%に
高まる
2030 内燃機関を搭載した自動車がドイツの路上から
消える
2050 米GMが使用する電力のすべてを再生可能エネ
ルギーに転換する
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国連食糧農業機関(FAO)の年次報告書
・モントリオール議定書締約国会議の議定書改正案
・国際通貨基金(IMF)経済政策提言
・経済協力開発機構(OECD)の世界経済見通し報告書
・世界銀行「コモディティ市場の見通し」四半期報告
・英政府のヒースロー空港第3滑走路整備計画承認
・英HSBC「The Sound of Britain in 2066」
・スイス政府の脱原発国民投票(11月27日)実施発表
・中国「健康中国2030」計画要綱
・中国「国家人権アクションプラン(2016-2020年)」
・中国パキスタン経済回廊構想
・中国広核グループ「華龍一号」計画
・韓国、国会予算政策処「2016-60年長期財政展望」
【国内】
・安倍首相の所信表明演説
・もんじゅの抜本的見直しと高速炉開発堅持
・経済産業省の太陽光発電コスト目標案
・日本経済研究センター「アジア経済中期予測」
・美浜原発3号機「審査書」正式決定(原子力規制委)
・厚生労働省専門家検討会(HACCP義務化)
中間とりまとめ案
・高市総務相のネット同時配信全面解禁
・国の地域経済分析システム(RESAS=リーサス)の推計
【企業/大学全国区】
・国際航空運送協会(IATA)の需要予測
・米ボーイングの東北アジア航空機市場予測
・米スペースXイーロン・マスクCEOの有人宇宙船計画詳細
・日弁連「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を
求める宣言」
・日本バレーボールリーグ機構スーパーリーグ構想
・日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム
・京都大学「宇宙総合学研究ユニット」
・岐阜大学とマレーシア国民大学の大学間学術交流協定
・旧暦の2033年問題
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・参院選の合区解消に向けた
全国知事会有識者研究会最終報告案
・千葉駅東口地区市街地再開発組合の設立認可
・東京都「大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地
再開発事業」認可
・長野県伊那市「ソーシャル・フォレストリー都市宣言」
・河村たかし名古屋市長の木造天守完成時期に関する
譲歩案
・福井県勝山市の道の駅「恐竜渓谷ジオパーク」(仮称)
基本計画
・2025年国際博覧会(万博)基本構想素案
(大阪府有識者会議)
・島根「県地域医療構想」素案
・広島「市ぽい捨て等の防止に関する条例」改正
・長門市の新市庁舎基本計画
(国土交通省木造先導型事業)
・北九州市「ワイン特区」計画案
・沖縄県の鉄軌道構想
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり。
【今月登場した近未来】
・英ヒースロー空港第3滑走路採決
・もんじゅに代わる高速炉実用化ロードマップ(年内)
・政府の「観光インフラ整備プログラム」策定
・広島空港の民営化
・富士登山者数指標(2月)
・国内最南端ウイスキー蒸留所開設(11月)
・数年後の再生エネ買い取り価格
【今月登場した未収録の未来】
・ヨウスコウカワイルカの絶滅確認
・エジプト新都市計画
・ロシアのロボット宇宙飛行士
・コネクテッドホーム
・対ロシア領土問題解決
・(東京、大阪をハブとする)地方創生回廊
・日本の石油元売再編
【今月決着した未来】
・パリ協定発効
・2024年夏季五輪ローマ撤退
・自動運転車初の包括的な指針概要(米)
・出生率低下に歯止め(独連邦人口研究部)
・中国有人宇宙船打ち上げ成功
・エクソマーズ計画火星探査機着地(ESA+ロ)
・モスクワ中心部のキオスク撤去(美化政策)
・もんじゅ抜本的見直し
・年金機能強化法改正案(閣議決定)
・2026年愛知アジア大会
・宇都宮LRT事業認可(国交省)
・土木現場の女子トイレ義務化(国交省)
【今月の未来語】
・2025国際博覧会(万博)(大阪府)
・3D地図(ゼンリン)
・4K・8K実用放送(NHK)
・5階建て耐火木造庁舎(長門市)
・ASTRID(アストリッド)計画(仏)
・HACCP(厚労省)
・MBT(Medicine Based Town)
・NHK新放送センター(東京)
・NHK放送開始100周年
・TOKYO GIANTS TOWN(巨人軍)
・医療用歩行訓練ロボット「HAL」
・ウナギの稚魚量産(水産庁)
・海中無人機(米)
・鹿児島中央駅東口
・火星の100万人都市(スペースX)
・韓国「2016-60年長期財政展望」
・京町家ホテル
・原発費用の負担(電気事業法改正)
・桜島線(JR西)
・参院の都道府県代表制(全国知事会)
・ジェームズ・ウェブ宇宙望遠鏡(NASA)
・死刑廃止(日弁連)
・時速600キロのリニア(中国)
・ジョイントディグリー制度(岐阜大)
・新型護衛艦「あさひ」(海自)
・スーパー耐性菌
・スーパーリーグ構想(バレー)
・潜水艦「せいりゅう」(海自)
・戦略爆撃機B21(米)
・大エジプト博物館
・代替フロン(HFC)規制(改正モントリオール議定書)
・太陽光発電コスト(経済産業省)
・千葉駅東口
・超音速小型ジェット機
・鉄軌道構想(沖縄)
・天皇の生前退位
・長いトラック(国交省)
・名古屋城木造天守(名古屋)
・日ロ両政府「8項目の協力プラン」経済連携
・ネット同時配信解禁(総務省)
・ヒースロー空港第3滑走路(英)
・標準衛星(三菱電機)
・風力発電コスト(経済産業省)
・フリー2ムーブ(PSA)
・分子標的薬
・ポーランド独立100年
・マグネシウムイオン電池
・美浜原発3号機(福井)
・三保松原ビジターセンター(静岡)
・無人無料タクシー(ティアフォー)
・明治の日(祝日法改正)
・有機ELパネルの量産(シャープ)
・ラックフェン国際港(ベトナム)
・ワールドロボットサミット(大阪府)
・伊那市50年の森林ビジョン
・宇宙総合学研究ユニット(京大)
・華龍一号計画(中国)
・核兵器禁止条約
・岩佐又兵衛没後400年
・旧札幌西武跡地
・健康中国2030
・国家人権アクションプラン(2016-2020年)
・札幌創世1.1.1区(再開発)
・三江線廃止(広島)
・水素通勤電車「Coradia iLin」(独)
・大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業
(東京)
・秩父多摩甲斐国立公園のエコパーク申請
・中国パキスタン経済回廊
・超高速取引(HFT)
・登録情報セキュリティスペシャリスト
(情報処理安全確保支援士)
・日本財団オーシャンイノベーションコンソーシアム
・戊辰戦争150年(福島)
・摩拝単車(Mobike)
【用字用語】
1)三保松原=みほのまつばら(静岡)
2)夢洲=ゆめしま(大阪市)
3)江津市=ごうつし(島根)
4)三江線=さんこうせん(JR西)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2016年11月号」
Future Lab 未来人
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