月刊 未来人
FUTURE REPORT OCT 20 2016
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。冒頭のグラフ「FUTURE MAP」は担当者のリハビリが続いており、しばらくお休みします。
・該当数 205/44799
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2017 英国の5ポンド札がプラスチック製になる
2017 100%植物由来のペットボトル、食品包装フィルムが実現
2017 印鑑、通帳、キャッシュカードが不要な銀行サービスが
岐阜県ではじまる
2017 小売の決済を顔認証ですませる実証実験がはじまる
2018 神戸の元町高架通商店街(モトコー)が消滅する
2018 難民、移民に関する国連サミットが具体策を合意
2018 日本初の遺伝子治療薬が承認される
2018 WHOの国際疾病分類が性同一性障害を精神疾患から削除
2018 シンガポールで自動運転タクシーが最大1000台営業する
2018 都立公園の敷地に学童クラブが整備される(全国初)
2018 養育費の支払いを確実にする国内ルールが
国会で審議される(民事執行法改正案)
2018 市内の酵母を使った100%甲府産のスパークリング
ワインが発売される
2019 ビッグデータを利用した新しい消費統計がスタートする
2020 健康意識の高い「ホワイト500」企業がでそろう
2020 ロボット・アドバイザーの運用資産が米国で2.2兆ドル
に成長
2020 中国が日用品の品質基準を体系化する
2020 森林を守る国際ルール「REDD+」が本格化
2020 東京都心の雨水をシミュレーションする研究が実用化する
2020 ムーアの法則が限界に達し、集積回路の立体化が進む
2020 ナノワイヤ型の集積回路がムーアの法則の限界を超える
2020 日越両政府が共同で総合大学を開校
2020 札幌市の人口がピークに達する(約196万4000人)
2020 フランスが使い捨てプラスチック食器を禁止する
2020 中国が台湾侵攻を実現する能力を備える
2020 米軍によるレーザー兵器の実戦配備が本格化
2020 北朝鮮が50個の核爆弾を保有する
2021 成人年齢が18歳になり、18-19歳の約200万人が同時に成人
2022 秋田から特Aクラスの新しいブランド米がデビュー
2022 英国会議事堂の大改修がこのころはじまる
(工期は約5-8年間)
2022 大阪の陣に関するオランダ東インド会社の文書
507点の全訳が完成
2022 アニマルウェルフェアに取り組むニュージーランドが
鶏のケージ飼いを廃止
2023 神戸市が日本初のジャズバンド結成100年でにぎわう
2024 台湾初の国立原住民博物館がオープン
2025 造船のアイ・シッピングが1人あたりの建造量を50%
高める(2014年比)
2025 東京の人口が、このころまで増え続ける
(ピークは2020-25年)
2025 東大の量子ドット太陽電池が発電効率40%を達成
2030 政府の第4次産業革命が平均寿命まで元気で暮らせる
社会を実現
2030 東京が消費都市の世界ランキングで首位を維持する
(1.6兆ドル規模)
2030 ドローンを使った宅配が600万件に達する
2040 救急病院、老人ホーム、大学、ハンバーガー店のない
市町村が急増
2040 この年までにスイスでM6クラスの地震が発生する
2042 81歳の高齢者が働き続ける社会になる(2016年の55歳)
2050 世界の森林が10%増加する(農業技術の進歩と管理技術
の向上)
2050 東南アジアの漁獲量が最大30%減少する(海水温の上昇)
2060 日本の100歳以上人口が10倍(約64万人)に膨らむ
2068 義足のランナーが100メートルで健常者を上まわる
(記録は9秒04)
2100 国家の時代が終わり、21世紀が都市の世紀になる
2140 最後のビットコインが発行される(仮想通貨発行量の
上限)
【未来動向―基盤】
2017 衆議院が解散する(1月)
2017 英国がEUに離脱を通知する(1-2月)
2017 WHOとG7が認知症対策の行動計画を起草
2017 小型観測衛星「ASNARO-2」の1号機が打ち上げられる
2017 国連で核兵器禁止条約の締結交渉がはじまる
2017 戦略4分野の規制改革が実施される
2017 文化庁の京都移転がはじまる
2017 仏大統領選にサルコジ氏が出馬
2018 熊本城の復旧基本計画がまとまる(3月)
2018 離婚した夫婦の子どもの引渡しを確実にする国内ルール
が国会で審議される(民事執行法改正案)
2018 青森県むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設が事業を
開始(5回目の延期)
2018 「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」が世界文化
遺産に登録される
2018 国内企業がシンガポールでブロックチェーンを利用した
小切手の即日決済を実用化(フィンテック事例)
2019 裁判員裁判の対象事件で容疑者取り調べの可視化が義務化
される(6月)
2019 燃費のよい車ほど購入時の税金が安くなる(10月)
2020 大阪府が外国人観光客数1300万人を達成(2015年は
716万人)
2020 地球温暖化対策のパリ協定がスタートする
2020 北海道内の7空港が一括で民営化する
2021 住宅ローン減税が終了(12月末)
2022 帰還困難区域(7市町村)の一部で避難指示が
解除される(福島第一原発事故)
2023 軽減税率に対応したインボイス制度が導入される(10月)
2025 地方銀行の約6割が赤字に転落(2015年は4割)
2025 次世代火力のトリプル複合発電が実用化
2100 九十九里浜の砂浜が約8割消失する(地球温暖化の影響)
【未来動向―市場】
2018 無人ヘリ大手がマルチコプター型の農業用ドローンを発売
2019 農機大手が農業用ドローンを年間1000台販売する
2020 京都市が6000室分の宿泊施設を誘致する(追加需要は
1万室)
2020 京都市の外国人宿泊客が440-630万人に増える(2015年は
316万人)
2020 第4次産業革命が30兆円規模の付加価値を生む(国内)
2020 農業ITサービス市場が732億円の規模に成長する(2015年
比で4.5倍)
2020 船舶向けLNGの需要が700万トンに増大
2020 世界のオフグリッド市場が31億ドルに達する(現状は7億
ドル)
2021 中国大手がスマートフォンの出荷で世界首位になる
2021 アフリカの二輪市場が約90億米ドルの規模に成長
2022 中国のスキー場が1000カ所以上に増える(2015年は
568カ所)
2025 東南アジアのインターネット経済が2000億ドルを超える
2030 東京が消費都市の世界ランキングで首位を維持する
(1.6兆ドル規模)
2030 大阪市の宿泊施設が約2万500室不足する(需要数は
約3395万人)
2030 京都市の宿泊施設が約5200室不足する(需要数は約1616
万人)
2030 奈良市の宿泊施設が約60室余る(需要数は約209万人)
2030 大阪、京都、奈良、神戸の宿泊者数が2015年比で31%
増加する(5958万9000人)
2030 大阪、京都、奈良、神戸のツインルーム需要が2015年比
で2.4倍に膨らむ(1万8000室強の不足)
2030 神戸市の宿泊施設が約650室不足する(需要数は約739万
人)
2030 第4次産業革命が、この年の雇用を735万人左右する
【未来動向―自動車】
2017 走行抵抗値の計測法に国際基準が採用される
2018 シンガポールで自動運転タクシーが最大1000台営業
2018 トヨタのピックアップ生産が北米で36万台規模に達する
2018 タイにあるマツダのエンジン工場が生産能力を年10万基
に増強
2018 マツダがロシアのウラジオストクにエンジン工場を
設立(年5万基を生産)
2019 燃費のよい車ほど購入時の税金が安くなる(10月)
2020 保険料を3段階に分けた軽自動車の自動車保険が導入され
る(一律保険料の廃止)
2020 金沢大が自動運転する過疎地向けの公共交通機関を実用化
2020 米国で販売される新車の11%がEVになる
2020 欧州で販売される新車の10%がEVになる
2020 中国で販売される新車の22%がEVになる
2021 スウェーデンの自動車関連2社が自動運転車用ソフト
ウエアの供給を開始
2021 群馬大が過疎地向け自動運転車の公道走行を実施(2016-
21年)
2025 自動車部品大手と茨城大が自動運転車を共同開発
2030 自動車の5台に1台が自動運転車になる
2030 自動運転車の普及が交通事故の死亡者数を1/10に縮小
(2015年は4100人超)
2030 自動運転車の普及が全国の移動困難者数を1/10にする
(現状は700万人)
2035 ガソリン車の販売終了が必要になる(パリ協定の実現)
2040 路上を走る自動車の約94%が化石燃料車であり続ける
2050 化石燃料で走る車が路上から消える(パリ協定の実現)
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国連核軍縮作業部会の総会向け報告書(勧告)
・国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)合意文書
「REDD+」
・難民・移民に関する国連サミット「ニューヨーク宣言」
・先進7カ国(G7)保健相会合「神戸宣言」
・日中韓文化相会合
・米国空軍のF15戦闘機機体改造計画
・英国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)の大規模改修計画案
・中国、全国人民代表大会(全人代)常務委員会パリ協定批准
決定
・中国「消費品標準・質量向上計画」
・「2016年スキー関連産業発展報告書」中国社会科学文献出版社
・インド、ベトナム首脳会談
【国内】
・税制改正関連法案閣議決定
・内閣府地方経済報告書「地域の経済2016」
・政府、文化庁移転協議会中間報告
・日越大学構想
・経済産業省産業構造審議会の規制改革工程表
・国土交通省、燃費データ不正再発防止策
・リサイクル燃料貯蔵(RFS)5回目の延期
【企業/大学全国区】
・日本政策投資銀行関西支店、関西4市の宿泊施設需給予測
・生協総合研究所「2050研究会」の超高齢社会に向けた2016年
提言
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・北海道の道内7空港一括民営化案
・秋田県農業試験場のコメ新品種開発(2014-22年)
・前橋市のCCRC構想
・群馬県「ぐんま元気(GENKI)の5か条」運動
・千葉「県地球温暖化対策実行計画案」
・石川県の地域医療構想案
・大阪府市「大阪都市魅力創造戦略2020」案
・長門湯本温泉観光まちづくり計画(山口県長門市)
・福岡市「市健康先進都市戦略」(仮称)骨子案
・長崎県の地域医療構想素案
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり。
【今月登場した近未来】
・中西部太平洋のマグロ漁獲規制
・イタリア憲法改正の国民投票(11月?)
・政府、働き方改革提言まとめ
・安倍首相の自民党総裁任期延長
・大阪万博構想(秋)
・東京での外国人による家事代行解禁(神奈川、大阪に続く)
・洪水危険度見える化プロジェクト(国土技術政策総研)
【今月登場した未収録の未来】
・米連邦レベルの最低賃金15ドル(クリントン公約)
・EU温室効果ガス削減目標(英離脱後)
・夫婦控除の導入(見送り後)
・豊洲市場の土壌汚染問題
・JリーグJ1の1ステージ制復活
・FFGと十八銀の経営統合
・ペロブスカイト太陽電池
【今月決着した未来】
・中国の天宮2号打ち上げ成功(9月)
・日産の自動運転車「セレナ」発売(8月)
【今月の未来語】
・ASNARO-2(国産レーダー衛星)
・CCRC(Continuing Care Retirement Community)
・LGBT
・インボイス制度
・英国EU離脱通知
・外国人による家事代行サービス(東京、神奈川、大阪府)
・核兵器禁止条約(国連)
・西郷どん(NHK大河)
・市営地下鉄民営化(大阪市)
・自動運転タクシー(シンガポール)
・使用済み核燃料中間貯蔵施設(青森)
・ニューヨーク宣言(国連の難民移民問題)
・認知症に関する「神戸宣言」(G7保健相会合)
・農業用ドローン
・パーキンソン病向け遺伝子治療薬(自治医大、東大)
・バイオイノベーションセンター倉敷ラボ(ヤンマー)
・夫婦控除
・ブロックチェーン(フィンテック)
・文化庁京都移転
・元町高架通商店街(モトコー)
・長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産
・日中韓文化オリンピックプログラム(文化五輪)
【用字用語】
1)太東崎=たいとうざき(千葉)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2016年10月号」