月刊 未来人
FUTURE REPORT MAR 10 2016
毎月10日にアップデートするデータから、見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートしています。冒頭のグラフ「FUTURE MAP」は担当者が入院中なので後日、追加いたします。
・該当数 211/43329
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2017 東海道・山陽新幹線がIC乗車券でネット予約できる
ようになる(夏)
2017 スーパーのレジがATMの代わりになる(キャッシュ
アウトサービス)
2018 iPS細胞を使った脊髄損傷治療の臨床研究がはじまる
2018 原油価格が1バレルあたり50ドルにとどまる(価格
低迷の長期化)
2018 分子標的薬への適応を短時間で検査する装置が秋田で
完成する(がん治療)
2018 西武線所沢駅東口に駅ビルが部分開業(春)
2018 広島県に英語で授業をする公立の中高一貫校が開校
2018 万博記念公園の太陽の塔が内部公開される(3月)
2018 岐阜県産イチゴの新品種「華かがり」の本格出荷が
はじまる
2018 高層マンションを利用した相続税の「タワマン節税」
が難しくなる
2018 福岡市の屋台移転計画が完了する(清流公園に
約19店が集結)
2018 宇宙空間でミドリムシを培養する実験がはじまる
(資源循環技術)
2019 大坂城跡で豊臣秀吉時代の石垣が一般公開される
2019 和風浴槽大手が海外で年間300台を売り上げる
2019 北海道大樹町で超小型衛星を打ち上げる商用サービ
スがはじまる
2020 セ氏100-零下40度で使用可能な全固体リチウムイオ
ン二次電池が商品化(一般的にはセ氏0-40度)
2020 米グーグルが完全自動運転車を市場投入
2020 65歳以上で一人暮らしの割合が男性13.9%、
女性21.9%を占める(国内)
2020 毎秒56ギガの大容量無線通信が実用化する
2020 電車の運行を5%省エネ化する超電導ケーブルの試験
導入がはじまる
2020 中東難民がEUの域内総生産を0.25%押し上げる
2020 フランスがモバイルカバレッジの空白地帯を解消
2021 韓国自動車大手がソウルに地上105階建ての新社屋を
完成する(韓国版六本木ヒルズ)
2023 高度100キロの宇宙旅行が実現する(1人1400万円)
2023 横浜市にドーム球場が完成する(横浜ドーム)
2025 電機大手が完全自動運転可能な超小型車を完成
2025 時速250キロの準KTX級列車が韓国全土を
2時間台で結ぶ
2025 家族計画プログラムに取り組むインドネシアが
出生率を2.1に抑える
2025 米カリフォルニア州の高速鉄道計画がカーン郡―
サンノゼ間を先行開業
2027 スイスの第2ゴッタルド道路トンネルが開通する
2030 南シナ海が「中国の湖」になる
2030 国連の持続可能な開発目標が女性器切除(FGM、
女子割礼)を根絶
2030 ムーアの法則が終了する(2025-30年)
2034 欧州宇宙機関(ESA)が重力波望遠鏡「eLISA」を
打ち上げる
2035 中国の高齢者人口が4億人に達し、生活困難な人が
さらに増える
2035 韓国の一人暮らし世帯が全世帯の34.3%を占める
2035 韓国の夫婦二人世帯が全世帯の25%を占める
2035 ロシアが世界最大のエネルギー輸出国になる
2039 日本の年間死亡者数が167万人でピークに達する
2050 世界のイスラム教人口が約28億人に達し、キリスト
教人口(約30億人)に迫る
2050 海に漂うプラスチックごみの重量が魚より重たくなる
2050 スイスの「2000ワット社会」が同国の「エネルギー
戦略2050」を後押しする
2070 イスラム教が世界最大の宗教になる
2080 夏季のカラフトマス生息エリアが1980年代の20-32%
に減少する
【未来動向―基盤】
2017 再生エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)の
新制度がはじまる(入札制を導入)
2017 シリア和平を目指す関係国が民主選挙を実施する
2017 日中国交正常化45周年の交流事業が活発になる
2017 福島原発事故の汚染土の中間貯蔵施設が土壌貯蔵、
分別、作業ごみ焼却の3施設を順次整備(2017-45年)
2018 不動産、美術品を信託できる公益信託法改正案が
国会に提出される
2018 「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」が世界文化
遺産への登録をはたす(従来目標の2016年を延期)
2018* 日米が新型ミサイル「SM3ブロック2A」を生産、
配備する
2018* F2戦闘機の後継機開発に関する政府の方針がまとまる
2019 「南極20年計画」に取り組むオーストラリアが
新型の砕氷船を導入
2019 韓国独自の次世代戦闘機(KFX)開発が設計を終える
2019 中部国際空港島に国際展示場がオープンする(秋)
2020 インドのデリー―ムンバイ間1500キロを結ぶ貨物鉄道
が完成する
2020 英国が母国で暮らす移民の子どもへの児童手当を減額
する
2020 衆議院の定数10削減がこの年以降になる
2020 国内の風力発電能力が原発10基分の規模に達する
2020 羽田空港の国際線が50便増便する
2020 北海道の新千歳、函館、釧路、稚内空港が民間委託
になる
2020 省エネ性能を優先したスパコン「京」の後継機が
稼働する
2020 クリーンエネルギーの研究開発に対する米政府の
投資が倍増
2020 福島の浜通り地方で最大出力約123万キロワットの
風力発電事業がはじまる
2020 中国の原発が発電容量5800万キロワットに達する
(現状は約2830万キロワット)
2020 政府初の感染症対策計画が完了する(2016-20年)
2020 中東難民がオーストリア、スウェーデン、ドイツの
GDPを0.5-1.1%程度押し上げる(全EUは0.25%増)
2020 三農問題に取り組む中国が農民所得を倍増
(2010年比)
2020 北海道水素社会実現戦略ビジョンが家庭用燃料電池
の都市部導入を進める(実施計画ステップ1)
2020 政府が投資額26兆円の第5期科学技術基本計画を
実施する(2016-20年度)
2021 韓国独自の次世代戦闘機(KFX)開発が
試作機を完成する
2021 建党100年を迎えた中国が、ゆとりのある小康社会
を実現
2021 海自が「SM3ブロック2A」を搭載したイージス艦8隻
を配備する(現状は4隻)
2022 ヤンゴン近郊のハンタワディ空港が、このころ開港
する(ミャンマー)
2024 夏季五輪がパリ、ローマ、ブダペスト、ロサンゼル
スのいずれかの都市で開催される(2017年9月決定)
2025 九州新幹線長崎ルートの全面開業が、この年の春
以降になる
2025 政府の住生活基本計画が空き家の数を約400万戸に
抑える
2025 政府が耐震性の不十分な住宅を解消する(耐震改修
の促進)
2025 沖縄の米軍普天間基地移設がこの年になる(従来
計画は2023年)
2026 韓国独自の次世代戦闘機(KFX)開発が完了する
2026 政府の中長期計画「ニッポン1億総活躍プラン」が
10年間の政策工程表を終了する
2026 中部5県が中部圏広域地方計画を実施(2016-26年)
2026 米カリフォルニア州の高速鉄道計画がセントラル
バレー―シリコンバレー間を先行開業(10年以内)
2028 自律型海中ロボット(AUV)による日本近海のコバ
ルトリッチクラスト(CRC)探査が終了(2013-28年)
2030 中国が原子炉数110基の「原発強国」になる
(発電量世界一)
2030 東京都の環境基本計画が再生可能エネルギーの電力
利用割合を30%程度に高める(2014年度は8.7%)
2030 東京都の環境基本計画が燃料電池車の普及20万台を
達成(現状はノーデータ)
2030 東京都の環境基本計画が水素ステーション150カ所
を整備する(現状は8カ所)
2030 東京都の環境基本計画が温室効果ガス排出量を
2000年比で30%削減する
2030 浜岡原発6号機の新設計画がこの年まで凍結される
2030 ベトナムがエネルギー部門での温室効果ガス排出量
を20-30%削減する(石炭火力の新規建設を凍結)
2030 TPPの発効が日本の年間所得を1250億ドル(約15兆
円)高める
2030 TPPの発効が日本のGDPを2.5%引き上げる
2030 TPPの発効が日本の輸出額を23%増加させる
2040 北海道水素社会実現戦略ビジョンが、この年まで
3段階のロードマップ(実施計画)を実施する
2045 福井県の美浜原発1、2号機が、この年までに廃炉に
なる
2048 南極条約による鉱物資源開発の禁止が
見直しの時期を迎える
【未来動向―市場】
2018 低迷を続ける原油価格が1バレルあたり50ドルに
とどまる(長期化)
2019 和風浴槽大手が海外で年間300台を売り上げる
2019 情報セキュリティーの国内市場が3217億円の規模
に成長(2015年比で19%増)
2020 国土強靱化関連市場が11兆6000億-13兆4000億円の
規模に成長する
2020 遺伝子治療薬の世界市場が400億ドルの規模に
成長する
2020 炭素繊維の世界需要が年率で15%成長する
2020 伊勢志摩サミットを開催した三重県が観光消費額を
約1194億円増やす(知名度アップ効果)
2022 イランの新車市場が年間200万台の規模に拡大す
る(制裁解除)
2022 サウジアラビアの電力需要が9万メガワットで
ピークに達する
2025 医療情報システムの国内市場が4952億円の規模に
成長(1.3倍)
2025 地域包括ケアシステム関連の医療情報システムが
254億円の市場に成長(2.4倍)
2025 クラウド型電子カルテの国内市場が195億円の規模
に成長する(10.8倍)
2026 世界のロボット産業市場が1200億ドル以上の規模
に成長する
2026 サウジアラビアの電力事業投資が5000億リヤルに
達する(2016-26年)
2030 沖縄県中城湾港マリンタウン地区の大型MICE施設が
MICE開催192件を達成(開業10年後)
2040 インド国内の石油消費量が年間5億5000万トンに
膨らむ(現状は年1億6500万トン)
【未来動向―自動車】
2017 仏自動車大手PSAがイランでの生産を開始
2018 軽自動車の自動車保険が車種別の保険料になる
2018 電気モーターで走行する新型車に車両接近通報装置
が搭載される
2018 東南アジアの新車販売がこの年以降に回復する
2018 排気ガスを出さずに110キロ走るPHVが
北米市場に登場
2018 自動車大手のマツダが創業100周年を迎える
2020 自動車の東南アジア市場が年500万台の規模に成長
2020 愛知県豊田市の自動車工場がエネルギー源に水素を
本格導入
2020 車の夜間走行に対応した高性能な次世代画像セン
サーが実用化
2025 電機大手が完全自動運転可能な1-2人乗りの超小型
車を完成
2030 東京都の環境基本計画が燃料電池車の普及20万台
を達成(現状はノーデータ)
2030 東京都の環境基本計画が水素ステーション150カ所
を整備する(現状は8カ所)
2030 次世代自動車が国内新車販売の7割を占め自動車
市場が一変する(2016-30年)
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・印仏首脳の共同声明
・南極条約(1961年)
・南極条約環境保護議定書(1998年)
・英国の離脱に関係するEU首脳会議のEU改革案
(基本条約改正)
・仏マクロン法
・スイス「2000ワット社会」「エネルギー戦略2050」
・中国の原発関連白書「中国の原子力緊急対応」
・中国共産党「中央1号文件」発表
・オーストラリア「南極20年計画」(5月発表予定)
・インドネシア「家族計画プログラム」
(国家家族計画・人口局)
・韓国航空宇宙産業のKFX開発事業
・韓国保健社会研究院「家族変化に伴う結婚・出産形態
変化と政策課題」
【国内】
・衆院の定数削減に関する自民党原案
・安倍首相の施政方針演説
・1億総活躍国民会議中長期計画、
ニッポン1億総活躍プラン工程表(5月予定)
・国際的な感染症対策に協力するための政府の基本計画
・第5期科学技術基本計画閣議決定
・国土交通省「車両接近通報装置」義務化方針
・国土交通省九州新幹線長崎ルート工程表
・国土交通省住生活基本計画案(空き家問題)
・厚生労働省障害者総合支援法改正案
・法制審議会の公益信託制度見直し
・文部科学省「京」後継機基本計画
【企業/大学全国区】
・米戦略国際問題研究所(CSIS)のアジア太平洋リバランス
(再均衡)戦略検証報告書
・中部電力の長期経営指針見直し
・中部圏社会経済研究所の伊勢志摩サミット経済効果試算
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・北海道「北海道水素社会実現戦略ビジョン」
ロードマップ素案
・札幌市「さっぽろ未来創生プラン」
・福島県イノベーション・コースト構想の
風力発電事業概要
・栃木県「地域医療構想」素案
・都環境基本計画に向けた環境審議会答申書目標値
・神奈川県大磯町「大磯港みなとオアシス」基本構想
・神奈川県黒岩知事の
メディカル・イノベーションスクール構想
・国土交通省中部圏広域地方計画原案
・滋賀県「しがエネルギービジョン」素案
・山陰版DMO(観光地域づくり法人)
・福岡市の屋台移転計画
・宮崎県防災拠点庁舎基本設計案
・宮崎県(港湾課)の細島港港湾計画改訂案
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり。
【今月登場した近未来】
・ジカ熱ウイルスと小頭症の関係解明(WHO)
・オバマ米大統領キューバ訪問(3月21-22日?)
・豪「南極20年計画」策定(5月)
・札幌市の人口減少
・ニッポン1億総活躍プラン政策工程表(5月)
・昼間の羽田―NY便日米合意
・2019世界フィギュア開催国決定(6月)
・中部圏広域地方計画
【今月登場した未収録の未来】
・米キューバ国交回復
・米オバマ政権の発電所CO2排出規制義務化(差し止め)
・英国のEU離脱問題(国民投票)
・千葉駅東口再開発(2019年→2021年?)
・自動車が85%減少する
(米ミシガン大ラリーバーンズ教授)
・グローバルホークの自衛隊配備
・韓国KFX1000機販売達成
・道東エコツーリズムアイランド構想
・USJ沖縄テーマパーク新設撤回(?)
【今月決着した未来】
・世界の風力発電能力が原発を上回る(GWEC)
・エアアジア・ジャパン中部国際空港就航(7月)
・世界水泳選手権大会の福岡市開催(2021年)
・福岡空港新滑走路供用(2025年3月末)
【今月の未来語】
・2000ワット社会(スイス)
・イノベーション・コースト構想(福島)
・英国のEU離脱(EU)
・SM3ブロック2A(日米)
・カラフトマス生息域(北海道)
・韓国版六本木ヒルズ(現代自)
・キャッシュアウトサービス
・原発強国(中国)
・甲子園のタイブレーク制(高野連)
・高野山空海入定1200年(和歌山)
・コバルトリッチクラスト(CRC)
・さっぽろ未来創生プラン(札幌市)
・三農問題(中国)
・しがエネルギービジョン(滋賀)
・衆院定数10削減(自民)
・シリア和平行程表(関係国)
・スパコン「京」後継機基本設計(文科省)
・第2ゴッタルド道路トンネル(スイス)
・大山開山1300年(鳥取)
・多死社会
・タワマン節税(相続税)
・中国の湖(南シナ海)
・超小型車(パナソニック)
・デリー―ムンバイ間貨物鉄道整備事業(日印)
・東京都環境基本計画
・南極20年計画(豪)
・日中国交正常化45周年
・ニッポン1億総活躍プラン(1億総活躍国民会議)
・華かがり(岐阜産イチゴ)
・ハンタワディ空港(ミャンマー)
・分子標的薬
・細島港の水深15メートル岸壁(宮崎)
・北海道4空港の民間委託(国交省)
・マイクロプラスチック
・美浜1-2号機の廃炉(福井)
・未病
・横浜ドーム
・リヤド・メトロ(サウジ)
・屋台移転計画(福岡市)
・九州新幹線長崎ルート全面開業(国交省)
・公益信託法改正(法務省)
・国土強靱化関連市場(政府)
・山陰版DMO
・資源循環技術(JAXA)
・車両接近通報装置(国交省)
・住生活基本計画(2016-25年度)
・重力波望遠鏡「eLISA」(欧州)
・準KTX級列車(韓国)
・FGM、女子割礼
・小惑星「2013 TX68」
・障害者総合支援法改正案(厚労省)
・大磯港みなとオアシス(神奈川)
・第5期科学技術基本計画(2016-20年度)
・中央1号文件(中国)
・中部圏広域地方計画(国交省)
・南極条約環境保護議定書の期限
・浜岡原発6号機
・北海道水素社会実現戦略ビジョン実施計画
【用字用語】
1)き電線=饋電線(鉄道)
2)気仙沼=けせんぬま(宮城)
3)大樹町=たいきちょう(北海道)
4)大子町=だいごまち(茨城)
5)大山=だいせん(鳥取)
6)フリーゲージトレイン=FGT(鉄道)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2016年3月号」
Future Lab 未来人
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