月刊 未来人
FUTURE REPORT FEB 10 2016
毎月10日にアップデートするデータから、見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートしています。おかげさまで「FUTURE MAP」の担当者が無事退院。リハビリ病院に通院中です。
・該当数 201/43118
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2016 殺処分回避を目指す大分県の動物愛護センターの
詳細がまとまる
2016 大阪副首都化の中長期ビジョンがまとまる
2017 商法の口語化が完了。六法すべてが現代語訳になる
2017 米国でマイクロビーズの使用規制がはじまる(7月)
2017 空き家を子育て支援などに提供する制度が
国会で検討される
2017 大阪府が宿泊客から100-300円の宿泊税を徴収(1月)
2017 同性のパートナーを夫婦同様に割引する
自動車保険が実現
2017 棚田にパネルを設置した太陽光発電が佐賀市で実用化
2017 姿勢を検知してスマートフォンでチェックする
肌着が発売される
2018 米国でマイクロビーズの販売が禁止になる(7月)
2018 手数料1/10のアジア向け国際ロー・バリュー送金が
はじまる
2018 屋久島の旧安房森林鉄道が観光トロッコとして復活
する(4月)
2018 がんのホウ素中性子捕捉療法(BNCT)が承認申請
に達する
2018 道長の和歌「この世をば我が世とぞ思ふ――」誕生
1000年
2018 国立がん研究センターが「全国がん登録」の集計
情報を公表する
2018 タイヤ大手が滋賀県の主力工場で無人の生産ライン
を実現する
2018 国内カメラ大手がデジタルカメラ工場の
全工程を自動化する
2018 ナノマシンを使った副作用のない抗がん治療が実現
2019 板東俘虜収容所(徳島県)関連資料が
世界記憶遺産に登録される
2019 がんの免疫治療薬「がんペプチドワクチン」発売
2019 iPS細胞から作った臓器を体内で成長させる
横浜市立大の研究が臨床段階に進む(移植を代替)
2019 陽電子放射断層撮影(PET)検査によるアルツハイ
マー病の診断に医療保険が適用される(2018-19年)
2020 次世代スーパーコンピューターが稼働し、AI研究が
加速する
2020 日本の大学とアジア8カ国がアジアの常時監視
体制を実現(最大50基の超小型衛星を使用)
2020 国際線が発着する国内すべての空港(約30港)に
ボディースキャナーが設置される
2020 省エネ世界一の国産次世代スパコンが稼働する
(世界最速からの転換)
2020 北朝鮮が移動式大陸間弾道ミサイル(ICBM)KN08を
実戦配備
2020 神奈川が県民100万人分の健康、医療情報を集めた
データベースを構築する
2020 地中の腐植物質を細菌でメタンガス化する技術が
確立する
2020 団塊世代の女性たちが友人同士の「友友介護」で
自立し続ける
2021 iPS細胞を使って白血病を治療する技術が
実用化する(2021-22年)
2021 食品大手が100%植物由来のペットボトルを
実用化(現状は約3割)
2021 米テキサス州で新幹線技術を導入した高速鉄道が
営業運転を開始
2021 アルツハイマー病の原因物質を血液検査で検出する
技術が実用化する(2019-21年)
2022 人の息でがん、糖尿病の疑いを検知する
高精度においセンサーが実用化する
2023 東ティモールで開発中の油田、ガス田が
このころ枯渇する
2024 損傷した軟骨をコンブの成分で再生する医療技術が
実用化する
2025 OPEC非加盟国の原油供給量が、このころピークに
達する
2025 火星の衛星フォボスの石、砂を採取したJAXAの
探査機が帰還
2030 政府がエネルギーの自給自足ビルを普及させる
2030 中国が世界60カ国で200基を超える原発を建設
2034 クリスマスの夜(25日)が満月になる
2035 出生率が回復しても企業の人手不足がこのころまで
継続する
2040 第5世代原発の「鉛冷却高速炉」が
実用化する(2030-40年)
2050 エコカーの主力がPHVに移行(世界新車販売の35%)
2050* 基礎年金が平均受給額で月4万円弱の価値しか
持たなくなる
2050 国内の4人に1人の女性が98歳まで生きる
【未来動向―基盤】
2016 GDPの計算方法が変わり、名目GDPが15兆円以上
増加する
2016 全遺伝情報(ゲノム)が個人情報保護法の対象になる
2016 高速増殖原型炉もんじゅを運営する組織の
改革案がまとまる
2016 団地、マンションの建て替えが所有者の2/3以上の
同意で可能になる(敷地に2棟以上ある場合)
2016 福井の高浜原発3、4号機が、
この年2月までに再稼働する
2017 療養病床の転換を盛り込んだ関連法案が
国会に提出される
2017 環太平洋経済連携協定(TPP)が発効する
2017 極彩色壁画(国宝)の保存・公開施設が
高松塚古墳に整備される
2017 世界のGDP成長率が3.6%になる
(前予測を0.2下方修正)
2017 米国経済のGDP成長率が2.6%になる
(前予測を0.2下方修正)
2017 日本経済のGDP成長率が0.3%になる
(前予測を0.1下方修正)
2017 中国経済のGDP成長率が6.0%になる
(前予測を踏襲)
2017 マタハラの防止策が企業に義務付けられる(4月)
2017 横田基地のオスプレイが全国80市町村周辺空域
で訓練を実施
2017* 政府が要介護1、2の人に必要な買い物などの
サービスを削減する
2018 初の国産ジェット旅客機「MRJ」の量産1号機が
納入される
2018 鉄道車両大手が独自の高速鉄道車両を
開発(保守費を1割低減)
2018 北海道新幹線の共用走行区間が1日1往復、時速
200キロで高速運転する(春)
2018 EUが個人データの新ルール「一般データ保護規則」
を発効
2018 北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群が世界文化
遺産への登録をはたす
2018 NASAが無人火星探査機「インサイト」を打ち上げる
(2016年を延期)
2018 陸上自衛隊に陸上総隊が新設される
2018 ASEAN共同体が域内の関税を全廃
2019 JR宇都宮駅東口―芳賀・高根沢工業団地間を結ぶ
LRTが開業する
2019 北京市南部に新空港が開港(12月)
2020 中国の民間空港が272カ所に増加する
(5年間で66を新規開港)
2020 国産小型ロケット「イプシロン」の打ち上げ費用が
約38億円になる(現状は53億円)
2020 タイ証券取引所(SET)の上場株式時価総額が
25兆バーツに拡大する(2014年比で2倍)
2020 中央アジア4カ国にまたがるシルクロード関連遺跡
が世界文化遺産に登録される
2020 性犯罪、性暴力の被害のためのワンストップ支援
センターが各都道府県に設置される
2020 中国の軍改革が終了する(米軍対抗力を強化)
2020 政府が25-44歳女性の就業率を77%に高める
(現状は70.8%)
2020* 政府が国家公務員の課長、室長相当職に占める
女性の割合を7%に高める(2015年は3.5%)
2020* 政府が都道府県職員の課長相当職に占める
女性の割合を15%に高める(2015年は8.5%)
2020* 政府が市町村職員の課長相当職に占める
女性の割合を20%に高める(2015年は14.5%)
2020* 政府が民間企業の課長相当職に占める
女性の割合を15%に高める(2014年は9.2%)
2020* 政府が週労働時間60時間以上の雇用者の割合を男女
とも5%に高める(2014年は男性12.9、女性2.8%)
2020* 政府が男性の育児休業取得率を13%に高める
(民間は2014年度2.3%)
2020 原油価格が1バレル=70ドルにとどまる
(15年11月予測は95ドル)
2020 OPEC非加盟国の原油供給量が日量4430万バレルになる
2020 世界の原油需要が日量9740万バレルになる
(2015年比で5%増)
2020 秋葉原に国立のマンガ拠点「MANGAナショナル・セン
ター」が整備される(国立国会図書館の支部)
2020 衆議院選挙の小選挙区定数が9増15減になる
2020 高レベル放射性廃棄物を地層処分する研究が
このころ終了する(北海道幌延町)
2020* プライマリーバランスが名目GDP比で1%程度赤字
になる
2020 中国の原子力発電能力が約3倍に拡大する
2021 米国が外国人観光客年間1億人を達成する
(現状は年間7500万人)
2022 シンガポール―クララルンプールを結ぶ高速鉄道
が開通
2022 パナマ市の都市交通が日本方式のモノレールを
完成する
2025 大阪府が国際博覧会(万博)を誘致する
2025 民主進歩党(民進党)政権下の台湾が脱原発を
達成する
2030 衆議院選挙の小選挙区定数が12増18減になる
2030 TPPの発効が参加12カ国のGDPを平均1.1%押し上げる
2030 TPPの発効が日本のGDPを2.7%押し上げる
2030 TPPの発効が日本の輸出額を23.2%押し上げる
2040 原油価格が1バレル=95ドルになる(緩やかな上昇)
2040 OPECの原油供給量が日量4070万バレルになる
2040 世界の原油需要が日量1億980万バレルに達する
(主要なエネルギー源の地位を維持)
2045 国内の認知症人口が最大で966万人に達する
(現状は約520万人)
【未来動向―市場】
2017 日本経済のGDP成長率が0.3%になる
(前予測を0.1下方修正)
2018 小型ビジネス機「ホンダジェット」の生産が
年間90-100機に倍増(現状は約50機)
2019 世界の鉄道市場が年平均約1760億ユーロ
(約22兆円)の規模に拡大(2017-19年。約2割増)
2020 原油価格が1バレル=70ドルにとどまる
(15年11月予測は95ドル)
2020 OPEC非加盟国の原油供給量が日量4430万バレルになる
2020 世界の原油需要が日量9740万バレルになる
(2015年比で5%増)
2020 ネットワークに常時接続する車が世界市場で年間
8490万台(新車販売の約53%)販売される
2020 世界全体で約500基の超小型衛星が打ち上げられる
2020 中国のコーヒー豆需要が3倍(20万トン規模)に
拡大する(食の欧米化)
2025 OPEC非加盟国の原油供給量がこのころピークに達する
2025 米国―中国間を往復する航空路線の利用者が
1日あたり1万3444人に達する(2015年比で7割増)
2030 中国が世界60カ国で200基を超える原発を建設する
2030 中国と東南アジアの中間層が23億6000万人に達する
2030 中国の農産物、食料品輸入シェアが世界市場の29%
を占める(2007年は4%)
2040 原油価格が1バレル=95ドルになる(緩やかな上昇)
2040 OPECの原油供給量が日量4070万バレルになる
2040 世界の原油需要が日量1億980万バレルに達する
(主要なエネルギー源の地位を維持)
【未来動向―自動車】
2016 スズキが燃料電池二輪車の公道走行実験を開始
2016 自動運転車の公道走行が解禁になる
2017 同性のパートナーを夫婦同様に割引する自動車保険
が実現
2017 米カリフォルニア州でHVがエコカーから外れる
2017* 東京都の豊洲地区に水陸両用車用スロープが完成
2017 自動ブレーキなどを装備した先進安全自動車(ASV)
の保険料が10%程度割り引きになる(1月)
2017 中国遼寧省大連で日本企業のEV向け電池工場が稼働
(総投資額500億円)
2017 トヨタがネットワークに常時接続する大衆車を
米市場に投入(トヨタ・ビッグデータ・センター)
2018 ホンダがFCVと共通車台のPHVを北米市場に投入する
(FCVのコスト低減策)
2019 リアウィンドーの上でブレーキランプを点灯できる
透過型有機EL照明が実用化する
2020 トヨタが多数の市販車から収集した情報で道路地図
を更新するシステムを導入
2020 トヨタがFCVの世界生産台数を年間3万台に拡大する
(2015年は年間700台)
2020 独フォルクスワーゲン(VW)が走行距離600キロの
ミニバン型EVを市場投入(現状は160キロ)
2020 拡張現実(AR)技術が自動車に搭載される
2020 このころトヨタが米市場に高級FCVを投入する
2021 鉄とアルミを接合して約2割の軽量化を実現した
新型車が市場にでる
2025 PHVより低価格なFCVが普及しはじめる
2025 この年までに大型車で15%の軽量化が必要になる
(米国のCO2規制)
2050 エコカーの主力がPHVに移行する
(世界の新車販売シェアの35%)
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・石油輸出国機構(OPEC)世界石油見通し
・世界銀行の経済成長率見通し
・欧州連合(EU)一般データ保護規則(欧州議会可決)
・英高速鉄道計画「HS2」
・台湾、蔡英文民進党主席の2016年総統選公約
【国内】
・第4次男女共同参画基本計画(2016-20年度)
・衆院選挙制度改革有識者調査会答申添付資料
・国会MANGA議連「MANGAナショナル・センター」構想
・国土交通省交通政策審議会
青函共用走行区間技術検討WG中間報告
【企業/大学全国区】
・米ジョンズ・ホプキンズ大「38ノース」報告書
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・宇都宮市、芳賀町の軌道運送高度化実施計画案公表
・山梨県「ダイナミックやまなし総合計画」
・山梨「県まち・ひと・しごと創生総合戦略」
・福島県、保健医療従事者養成機関設置基本構想概要
・東京都の親水拠点整備
・富山「県地域交通ビジョン」素案
・鳥取「県水素エネルギー推進ビジョン」骨子
・大分市文化財課「大友氏遺跡」整備基本計画
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり。
【今月登場した近未来】
・女性活躍推進法全面施行(春)
・燃料電池二輪車の保安基準策定(1月)
・燃料電池二輪車の公道走行実験(スズキ)
【今月登場した未収録の未来】
・ニューロボット
・パタニティハラスメント(パタハラ)
・チップ廃止論(米国)
・ロシアの宇宙予算見直し
・大阪副首都化
【今月決着した未来】
・ASEAN共同体発足
・マイナンバー運用開始
・韓中、韓越、韓NZの各FTA同時発効
・ISS国際宇宙ステーションの運用延長参加
・がん診療情報一元管理の開始
・富士山保全報告書提出
・米テキサス州の日本式新幹線営業開始時期
・都市ガス自由化(2017年4月)
【今月の未来語】
・100%植物由来容器(サントリー)
・KN08(北朝鮮のICBM)
・MANGAナショナル・センター構想
・一般データ保護規則(EU)
・医療用においセンサー(NIMS)
・エネルギー自給自足ビル(資源エネルギー庁)
・大阪万博
・大阪副首都化(大阪府市)
・大友宗麟生誕500年(大分)
・拡張現実(AR)
・がんワクチン(久留米大)
・軌道運送高度化実施計画(宇都宮)
・県地域交通ビジョン素案(富山)
・高速鉄道計画HS2(英)
・高速鉄道車両AT-400(日立)
・国際ロー・バリュー送金(金融庁)
・小倉祇園400周年(北九州)
・宿泊税(大阪府)
・準公営住宅(国交省)
・省エネスパコン(文科省)
・商法の口語化(法務省)
・全国がん登録(国立がん研究センター)
・先進安全自動車(ASV)
・第4次男女共同参画基本計画(政府)
・ダイナミックやまなし総合計画(山梨)
・高浜原発3、4号機(関電)
・放射性廃棄物の地層処分(北海道)
・中国のコーヒー豆市場
・超小型人工衛星
・築地の荷揚げ用桟橋(東京)
・つながる車(トヨタ)
・テキサスの新幹線(米TCP社)
・透過型有機EL照明(パイオニア)
・動物愛護センター(大分)
・鉛冷却高速炉(第5世代原発)
・燃料電池二輪車(スズキ)
・ハイアット・セントリック銀座東京
・板東俘虜収容所(徳島)
・フェルガナ・シルダリヤ回廊(世界文化遺産)
・フォボス探査(JAXA)
・腐植物質のメタンガス化(ノーステック財団)
・ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)
・ボディースキャナー全空港設置
・マイクロビーズ(米国)
・マタハラ防止義務化
・ミニ臓器(横浜市立大)
・屋久島森林トロッコ
・友友介護(団塊女性)
・陸上総隊(防衛省)
【用字用語】
1)施行=しこう
2)俘虜=ふりょ(徳島/板東俘虜収容所)
3)幌延=ほろのべ(北海道)
4)檜枝岐=ひのえまた(福島)
5)尻手=しって(神奈川/尻手駅)
6)安房=あんぼう(鹿児島/安房森林鉄道)
7)下地=しもじ(沖縄/下地空港)
8)平昌=ピョンチャン(韓国)
9)本部=もとぶ(沖縄)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2016年2月号」
Future Lab 未来人
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