月刊 未来人
FUTURE REPORT JAN 10 2015
毎月10日にアップデートするデータから、見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートしています。冒頭のグラフは2014年から何年後に何件の予測が集中しているかを示します。ヨコ軸の数値に2014を足すことで西暦に一致します。
・該当数 211/39345
※2100年超を含む
FUTURE MAP JAN 2015
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例）2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2015 世界で格差の拡大が大きな問題になる
2015 「飛び入学」生に高校卒業の資格が認定される
2015 人気の寝台特急「ブルートレイン」の定期運行が終了（3月）
2015 秋田市の国際教養大がリクルートスーツの非着用に踏み切る
2015* 東京都初の「女性活躍推進白書」がまとまる（2015年度）
2015 リヨン、アヴィニョン、マルセイユ3都市とロンドンを結ぶユー
ロスターの新路線が開通
2015 ロシア国内で米アップル社の端末が使用禁止になる（前倒し
施行）
2016 新種の酒米「華錦」を使用した日本酒が発売される
2016 ドイツの大企業が監査役会の女性役員比率を30％以上に高める
2016 北朝鮮が約20個の核爆弾を保有（年間製造能力は4個）
2016 立教大の入試が外部の英語資格検定試験を全学部で導入
2016 東宝がゴジラの新作を公開（シリーズ29作目）
2016 北海道の十勝岳一帯がジオパークに認定される
2016 医療機関がマイナンバー制度に連動した「医療番号」を導入
2016 アムステルダムとロンドンを結ぶユーロスターの新路線が開通
2016 広告大手がエチオピア産品のブランド化でアフリカを支援
2016 東京大が体内完全埋込式の完全置換型人工心臓を完成
2016 認知症、現代病を健診ビッグデータの解析で予防する弘前大の
研究が、この年まで実施される（2014-16年）
2016 英国が農場の野生生物（鳥類が主）を保護する新しい制度を導入
2016 英仏両政府が無人戦闘機の共同研究を実施（2014-16年）
2017 IOCがペルーのリマで2024年夏季五輪の開催地を決める
2017 中国が2000年以上続いた塩の専売制廃止を終了、自由化する
2017 米国が世界最速のスーパーコンピューター2基を開発
2017 米フロリダ州で高さ160メートルのローラーコースターが稼働
2017 中国の高速鉄道「蘭新鉄路第2双線（蘭新高鉄）」が全線開通
（高速鉄道で世界最長）
2017 中国が、米国を抜いて世界最大の電子ごみ排出国になる
2018 マイナンバーの銀行預金口座への適用拡大が本格化
2018 米国と英国で図書と電子書籍の市場規模が逆転する
2019* 小中学校教員の需要（全国）が2万5000人程度でピークに達し、
この年以降大幅に減少する（2019年度）
2020 南米のブラジル、アルゼンチンで、この年まで遺伝子組み換え
種子と除草剤のセット販売が展開される
2020 脳の血流、脳波を計測して家電を遠隔操作するシステムが実用化
2020 国内の電機大手が太陽光とCO2から燃料をつくる「人工光合成」
技術を実用化
2020 アジア太平洋地域で中国海軍の保有艦船数が最大351隻に達する
（米軍は最大67隻）
2020 長崎県五島市から養殖クロマグロの成魚6000匹が出荷される
2020 東京五輪が「東京文化資源区構想」による都心北部の文化遺産を
見直す機会になる
2020 日本の家計貯蓄率がマイナス3％に低下（現状は2％）
2020 世界市場でカカオが約100万トン不足する（チョコレート価格が
高騰）
2021 日本の南極観測隊が入手可能な最古の氷を採取する場所の調査を
実施（2016-21年）
2025 国内大都市圏の病床が約9万床不足する
2026 スキージャンプの葛西紀明選手が冬季五輪に出場（代表10回目）
2027 献血が約85万人分不足する（少子高齢化の影響）
2027 アジアで個人資産3000万ドル以上の超富裕層人口が欧州を上まわ
る（現状は北米、欧州、アジアの順）
2030 パキスタンから中国新疆ウイグル自治区まで約3000キロの道路、
鉄道を整備する「中パ経済回廊」が完成（総工費5兆円超）
2030 世界の成人のほぼ半数が過体重か肥満に該当（現状は21億）
2044 千葉市が震度6弱以上の地震を経験する（確率73％）
2050 途上国で地球温暖化被害を軽減するための費用が年平均2500億-
5000億ドル必要になる
2050 ベトナムで230万-430万人の男性が結婚の機会を喪失する（男女
比の偏り）
2064 音楽家ショパンの心臓に対する保存状態の検査が実施される
2100 西日本の平均降雪量が平野部でゼロになる
2100 地球温暖化による気候変動で落雷の発生件数が50％増加する
【未来動向―基盤】
2015 国家戦略特区の第2弾「地方創生特区」が選定される
2015 2020年以降の温暖化対策目標をまとめた報告書が公表される
（11月）
2015 茨城県で次世代原子炉「高温ガス炉」の試験研究炉が再稼働
2015 戦後100年（2045年）に向けた政治経済の日米関係「パシフィッ
ク・ビジョン21」がまとまる
2015 中韓FTAが発効する（下期。2014年11月に実質合意）
2015 中国とロシアが地中海と太平洋で合同軍事演習を実施（春）
2016 政府の交通安全基本計画が自転車の安全走行環境を盛り込む
2016 千葉県が大地震の被害想定を震源地別にまとめる（3月）
2016 東京都の豊洲新市場が開場（11月）
2016 NATOが「緊急即応統合部隊」（仮称）を本格運用
2016 裁量労働制を認めた改正労働基準法が施行される
2016 ミャンマーの携帯電話普及率が80％に高まる（2013年は10％）
2016 放置状態の空き家を税制上の優遇から除外する制度が実施される
2016* 国の試験研究機関の地方移転がはじまる
2016 北海道苫小牧市の製油所でCO2の回収・貯留（CCS）がはじまる
2016 米主導の核安全保障サミットがロシア不参加のまま開催される
2017 EUで3150億ユーロの投資効果と130万人の雇用が生まれる
2017 先進諸国が多国籍企業に対する営業場所での課税（BEPS）を実施
2018 送配電会社が原発の廃炉費用を上乗せ徴収する（2018-20年）
2018 24時間、365日振り込みができる銀行システムが稼働
2018 インドネシアの首都ジャカルタに初の地下鉄が開通
2019* 群馬県長野原町の八ツ場ダムが完成（2019年度）
2019 福岡空港が民営化される（4月）
2019 韓国の1人当たりGDPが日本を上まわる（IMF基準）
2020 若者の安定した雇用が累計で30万人分創出される（2015-20年）
2020 東京圏の転入、転出者が約22万人で均衡する（2015-20年）
2020 東京への転入が7万人減り、転出が3万人増える
（転入超過が逆転）
2020 農林水産業の6次産業化が若者5万人の新規雇用を創出
2020 日本の合計特殊出生率が1.6に回復
2020 政府が住宅、店舗の省エネ基準適合を強化、義務化する
2020 韓国の1人当たりGDPが日本を上まわる（OECD基準）
2021 NASAが新型宇宙船「オリオン」の有人試験飛行を実施
2023 農地バンク制度が合計140ヘクタールの農地集約を達成する
2023 ロシアが次世代戦略爆撃機の配備を開始する
2024 米国が、この年の夏季五輪・パラリンピックを招致
2024 イタリアのローマが、この年の夏季五輪・パラリンピックを招致
2024 東京都の再生可能エネルギー導入量が100万キロワットに達する
2025 NASAが新型宇宙船「オリオン」の有人小惑星探査を実施
2025 政府初の対認知症国家戦略「新オレンジプラン」が、この年まで
実施される
2025 インドとロシアの貿易額が年間300億ドルに達する
2025 途上国で地球温暖化被害を軽減するための費用が年平均1500億ド
ル必要になる（2025-30年）
2025 全国の水道施設の更新費用が1兆円を超える
2030 日本の合計特殊出生率が1.8に回復
2030 NASAが新型宇宙船「オリオン」の有人火星探査を実施
2030 東京都が、都内のエネルギー消費量を2000年比で30％削減
2030 中南米の電力需要が倍増
2030 ヘリウムガスで冷却する次世代原子炉「高温ガス炉」が実用化
2030 ミャンマーの1人あたりGDPが5倍に拡大（タイに匹敵）
2030 インドネシアのジャカルタ首都圏投資促進特別地域で、この年ま
で都市インフラ整備が実施される（総事業費3兆円）
2033 移民制度改革の進展が米国の実質GDPを年率5.4％押し上げる
2033 建設後50年を経過する道路橋（長さ2メートル超）が全体の65％
を超える
2035 インド政府が、この年までにロシア製原発12基を導入
2035 この年までに累計7兆ドルが送配電設備に投資される
2040 日本の合計特殊出生率が人口置換水準の2.07に回復
2040 日本の実質経済成長率が、この年から10年以内にマイナスになる
2045 日本が戦後100年を迎える
2060 高レベル放射性廃棄物を地層処分するスイスの最終処分場が、こ
のころ稼働する（2050年の計画を延期）
2100 日本の平均気温が4.4度上昇し、降雪量の全国平均が57センチ減
少する（地球温暖化が続いた場合）
2100 日本の平均気温が4.4度上昇し、東日本の日本海側で平均降雪量
が半減する（地球温暖化が続いた場合）
【未来動向―市場】
2015 中韓FTAが発効する（下期。2014年11月に実質合意）
2016 ミャンマーの携帯電話普及率が80％に高まる（2013年は10％）
2016 国内ベーカリーの海外売上高が26億円に達する（現状は21億円）
2016 広告大手がエチオピア産品のブランド化によるアフリカ支援を
展開
2017 医療機器の世界市場が50兆円の規模に成長する
2018 米国と英国で図書と電子書籍の市場規模が逆転する
2020 長崎県五島市から養殖クロマグロの成魚6000匹が出荷される
2020 日本の家計貯蓄率がマイナス3％に低下する（現状は2％）
2020 世界市場でカカオが約100万トン不足する（チョコレート価格が
高騰）
2020 世界のスマートフォン契約数が倍以上に増加（61億件）
2020
2030 世界市場でカカオが約200万トン不足する（チョコレート価格が
高騰）
2034 北米の旅客機需要が累計で5500機に達する（約8割が小型機）
【未来動向―自動車】
2015 トヨタの世界販売が2年連続で1000万台を超える
2015 トヨタの国内生産が320万台を下まわる
（2014年は325万台程度）
2016 中国の高級自動車販売が227万3000台に達し、米国を抜いて
世界2位になる（首位は欧州）
2016* 東名高速道路と横浜港の交通を改善する横浜環状北線が完成
2016 車内でインターネットを楽しむことができる自動車が登場
2016 欧州市場で自動車の48Vハイブリッドシステムの導入がはじまる
2017 トヨタが米国、欧州、日本のほぼ全車種に自動ブレーキを搭載
2017 トヨタが高速道路を自動運転支援する車を発売
2017 トヨタの車が最大で100キロ軽量化する
（アルミ材の採用拡大）
2020 太陽光とCO2から燃料をつくる「人工光合成」技術が実用化
2020 水素ステーションの建設費用が2.5億円程度に低下する
2020 韓国の自動車大手が、この年までにエコカー22車種を発売
2020 中国の高級自動車販売が309万5000台に達し、
首位の欧州（340万2000台）に迫る
2021* 東名高速道路と第三京浜国道を結ぶ横浜環状北西線
（約7.1キロ）が完成
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国連環境計画（UNEP）の温暖化対策コスト予測
・OECD「税源浸食と利益移転（BEPS）」行動計画（2013年）
・米中経済安保見直し委員会の年次報告書
・米国議会予算局の推計
・欧州委員会の投資計画
・印露首脳会談合意
・中国、パキスタンの中パ経済回廊構想
・中国社会科学院「経済青書」の出産制限完全撤廃提言
・ジャカルタ首都圏投資促進特別地域都市インフラ整備
・アブドラ国王原子力・再生可能エネルギー都市（KA-CARE）計画
【国内】
・2015年度税制改正大綱
・安倍政権の地方創生5カ年計画
※総合戦略原案「まち・ひと・しごと創生総合戦略」
※長期ビジョン原案
・全国地震動予測地図
・経済産業省の原発廃炉会計見直し案骨子
・日本原子力研究開発機構の安全審査申請
・日米政治家、財界人の「パシフィック・ビジョン21」会合
・中央教育審議会答申案
・国交省、警察庁の第10次交通安全基本計画に向けた有識者会議
・空家対策特別措置法（空き家法）
・厚生労働省有識者研究会「医療番号」中間報告
・環境省と気象庁の降雪量予測（12日）
・第9期南極地域観測計画（2016-21年）骨子
【企業／大学全国区】
・英PwCのエンターテイメント市場調査
・全国銀行協会の新決済システム導入発表
・通信機大手エリクソン社のスマートフォン契約数予測
・弘前大学COI研究推進機構「脳科学研究とビッグデータ解析の
融合による画期的な疾患予兆発見の仕組み構築と予防法の開発」事業
・岩手大学の学部、学科再編案
・山崎博敏広島大学教授の小中学校教員需要推計
【自治体／地域企業／NPOその他団体】
・北海道美瑛町、上富良野町の十勝岳ジオパーク構想
・北海道ニセコ町のワイン特区認定
・札幌市の温暖化対策推進計画案
・東京都生活文化局「女性活躍推進白書」（2015年度公表予定）
・東京文化資源区構想
・北野天満宮「北野の松原」復活事業
・鳥取市福部町の幼小中一貫校推進委員会
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり。
【今月登場した近未来】
・米国2024年五輪候補地決定（1月）
・新オレンジプラン正式決定（1月）
・文科省「科学技術予測調査」（3月）
・マイナンバー工程表（2014年度中）
・日米パシフィックビジョン21（5月）
【今月登場した未収録の未来】
・大気中のCO2を削除するCDR技術
・米次世代スパコン「Fast Forward 2」
・ガス自由化ガス管部門の分社化
・印露第5世代戦闘機共同開発
・クラウドファンディング
・東京文化資源区構想
【今月決着した未来】
・ブルートレイン「北斗星」廃止
・空き家対策法成立
・米CNNロシア放送撤退
【用字用語】
1）華錦=はなにしき（酒米の新種）
2）中標津=なかしべつ（北海道）
3）祖母傾山系=そぼかたむきさんけい（宮崎）
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2015年1月号」
Future Lab 未来人
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