月刊 未来人
FUTURE REPORT DEC 10 2014
毎月10日にアップデートするデータから、見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートしています。冒頭のグラフは2014年から何年後に何件の予測が集中しているかを示します。ヨコ軸の数値に2014を足すことで西暦に一致します。
・該当数 208/39134
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2015 トヨタの純利益が初めて2兆円に達する
2015 国内IT大手がベトナムの野菜工場を遠隔操作する
2015 タイで新しい憲法草案の最終案がまとまる(7月)
2016 都市ガス大手が低カリウムレタスの出荷を開始
2016 4K映像に対応したスマートフォン液晶パネルが量産される
2016 企業の衛星打ち上げを規律する「宇宙活動法案」国会提出
2016 ニュージーランドが国旗のデザインを決める国民投票を実施
2016 日本企業がミャンマーで生薬の商業栽培をはじめる
2016 横浜市、川崎市が共同で保育所を整備
2016 ビールと「第3のビール」の酒税の差が縮まる
2016 住宅大手が戸建て住宅と電力をセット販売
2016 新大阪駅の改札内に「エキマルシェ新大阪」が全面開業
2016 築地場外市場に豊洲市場の仲卸を集めた新市場が開業(東京)
2016 太平洋クロマグロ、アメリカウナギが
ワシントン条約の輸出入規制対象種になる
2016 函館、青森、八戸、弘前4市が青函都市圏になる(北海道
新幹線の開業)
2016 欧州航空機大手が次世代機の製造に3Dプリンターを本格導入
2017 中国が建設したメキシコの高速鉄道が開業
2017 京都市内に有機栽培がテーマの商業施設が開業
2017 京都市でオーガニック素材を内装に使ったホテルが開業(春)
2017 TDL、TDSが新しい大型アトラクションの運営を開始
2017 奄美群島が世界自然遺産への登録をはたす(鹿児島)
2018 製薬大手がデング熱ワクチンを実用化
2018 ミドリムシから抽出した油をジェット燃料に加工する
技術が確立する
2019 日本女性の5割が50歳以上のシニア世代になる
2019 ロシアが北極海航路の通年航行を開始(砕氷船を新造)
2020 IoTの世界市場が約355兆円に達する
2020 走行可能距離を2倍にのばすEV用リチウムイオン電池が
実用化
2020 政府が動植物の侵略的外来種400種を根絶(愛知目標)
2020 大阪市の中之島に工業デザインの美術館が誕生
2020 エンターテイメント人材を育成する施設が沖縄県に完成
2020 津波で破壊された宮城県名取市の海岸林が
総延長5キロに回復(東日本大震災)
2020 タクシー大手が女性運転手を1000人に拡大(現状は約90人)
2020 インフラロボット市場が1038億円の規模に成長(2015年は
216億円)
2020 沖縄県の人口が約141万7000人でピークに達する(2015年は
約141万人)
2021* 青森県の大間原発がMOX燃料100%による運転を開始(世界初)
2021 米国がワシントン―ボストン間の高速鉄道に日本のリニア
技術を導入
2023 JR新橋駅西側に複数の超高層ビルが完成(東京)
2024 米ニューヨーク市が交通事故による死者を大きく減らす
2025 建設業の就業者数が240万人に減少(2012年比で41.9%減)
2025 全国の「買い物難民」が598万人に達する(2010年は382万人)
2025 都市の「買い物難民」が349万人に達する(2010年は181万人)
2025 農村の「買い物難民」が249万人に達する
2025 東京圏の「買い物難民」が156万人に達する(2010年は76万人)
2030 建設大手が海底都市「オーシャンスパイラル」を実現(人口規模
約5000人。総工費3兆円)
2040 沖縄県の人口が2020年の141万人から約4万7000人減少
2040 沖縄県の高齢者人口が約41万5000人に達する(2015年比で約
13万6000人増)
2040 世界の原発200基が、この年までに閉鎖される
2040 世界のエネルギーに占める原発の割合が12%にとどまる
(2013年比で1%増)
2040 東北地方の市町村の約60%で世帯数が30%以上減少する
2040 青森県外ケ浜町の世帯数が約57%減少する(東北地方で最高の
減少率)
2050 認知症の人の数が世界全体で1億3500万人(約3倍)に達する
2050 バイオニック・デザインを機体の骨格に用いた近未来機が実現
2050 この年までに中国、ドイツ、韓国の高齢化が顕著に進む
2064 このころ日本の人口が8000万人程度の維持にとどまる(1億人は
維持困難)
2100 世界人口が96億-123億人に達する(90億人超え)
2109 3度目の名月「ミラクルムーン」が観測される
【未来動向―基盤】
2015 トヨタが量産型FCV約400台を販売(世界初)
2015 APECが製造業での規制緩和行動計画を策定(年末)
2015 運転40年を超える原発7基が延長申請の期限を迎える
2016 西大西洋のクロマグロ漁獲枠が約14%拡大(2015-16年)
2016 地方財政に対する規制が強化される(地方財政健全化法)
2016 中国がG20サミットの議長国を務める
2016 都道府県知事に検体の採取、提出を求める権限を認めた
改正感染症法が施行される
2016 ロシアがメディアの外国資本比率(出資比率)を制限
2016 APECがFTAAP実現に向けた戦略的共同研究の結果をまとめる
2016 女川原発2号機がベント、防潮堤などの整備を終える
2016* 2021年以降の国際宇宙ステーション(ISS)への参加の是非が
決まる(2016年度末まで)
2016 青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場が完成
2016 http://flagylgeneric-online.net/ 横浜銀行と東日本銀行が経営統合(地銀最大)
2016 未成年者の選挙違反が成人と同等に処罰される(選挙権年齢
18歳以上の場合)
2016 青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場が、この年3月に
完成(21回目の延期)
2016 国際課税ルールのための多国間協定がまとまる(多国籍企業の
課税漏れ防止)
2016 チェルノブイリ原発4号機を覆う「石棺」が耐用期限に達する
2017 東大西洋・地中海のクロマグロ漁獲枠が毎年約20%ずつ拡大す
る(2015-17年)
2017 消費税率が10%になり(4月)、生活必需品に軽減税率が導入
される
2017 消費税率の10%引き上げが、この年4月からになる
2017 都市ガスの全面自由化で大手ガス3社の導管事業が分離される
2017 チェルノブイリ原発の「石棺」を巨大シェルターで密閉する
作業の完了が、この年までずれ込む(11月)
2017* 離島奪還を想定した陸上自衛隊の「水陸機動団」が発足
2017 2024年の夏季五輪開催都市が決まる
2018 日本の宇宙ごみ監視体制が、この年から5年程度で完成
(平成30年代前半)
2018 G20のGDPが2.1%高まる(各国の取り組みが実施された場合)
2018 米テキサス州のシェールガス輸出基地が日本への輸出を開始
2019* 陸上自衛隊の「水陸機動団」がオスプレイ17機の運用を開始
2019 新興国の原油需要が先進国を上まわる
2020* 小中高校の英語教育を見直した学習指導要領が実施される
2020 政府が新型基幹ロケットの初号機を打ち上げる(宇宙基本計画)
2020 中国が南シナ海、東シナ海で石油、天然ガス開発の行動計画を
実施(2014-20年)
2020 東南アジア最大級の大型製油所がベトナムに完成
2020 米国がシェールガスを含む天然ガスの純輸出国になる
2020 このころ年少人口(15歳未満)の減少に歯止めがかかる
(2020年代初め)
2020
60歳以上29%)
2020 地方創生を掲げる政府が、高齢者が共同生活する地域共同体
(日本版CCRC)を設置する(2014-20年)
2020 地方創生を掲げる政府が、若者の地方移住促進策を実施する
(2014-20年)
2020 中国が発電燃料に占める石炭の比率を6割以下に抑える
2020 中国が党支配下での法治を強化
2020 沖縄県の高齢化率が21%を超え、超高齢社会に入る
2020 この年までのCO2換算100億トンの温室効果ガス削減が
必要になる
2020 政府の少子化対策予算が、この年までに倍増する
2023 政府がスーパーグローバル大学(SGU)に毎年1億-4億円を投入
する(2014-23年)
2023 北陸新幹線金沢―敦賀間が、このころ開業(富山、石川、福井
3県の要望)
2025 FTAAPの実現が、この年以降で日米TPP合意後の「可能な限り早
期」になる
2025 宇宙機器産業が5兆円産業に成長する(2015-25年度)
2025* 新しい宇宙基本計画が、この年まで実施される(2015-25年度)
2025 米国が温室効果ガス排出量を2005年比で26-28%削減
2025 ダッカ市の人口が2000万人の規模に膨らむ(バングラデシュ)
2026 札幌市が、この年の冬季五輪、パラリンピックを招致
2027 中国の習近平国家主席が、この年まで3期15年政権の座にある
(憲法が定める任期は1期5年)
2027 シンガポールの港湾地域が都市開発される(主要港湾を移設
統合)
2030 中国のCO2排出量がピークに達する(使用量は2014年から減少)
2030
倍に膨張させる
2030 この年までのCO2換算170億トンの温室効果ガス削減が
必要になる
2030 オーストラリアが日米豪共同開発の潜水艦を導入(コリンズ型
6隻を順次更新)
2030 EUが温室効果ガス排出量を1990年比で40%削減
2030 EUが最終エネルギー消費に占める再生可能エネルギーの割合を
27%以上に高める(従来目標は2020年で20%)
2030 EUが域内のエネルギー効率を27%以上に高める(従来目標は
2020年で20%)
2030 北海道の人口が471万人に減少(1955年の水準)
2030 米国が発電部門が排出するCO2を2005年比で3割削減する
2035 高浜原発1、2号機がこのころまで稼働する(20年延長)
2040 米国が石油の純輸出国になる
2040 日本の人口減少が、このころ収束する
2040 世界のエネルギー消費量が2012年比で44%増加(増分の約6割
がアジア)
2040 この年まで原油価格が1バレル100ドル前後の高値で推移する
(主要なエネルギー源)
2040 世界の原油需要が2013年比で1.2倍に拡大(日量1億1100万
バレル)
2050 中部地方が3大都市圏(東京、名古屋、大阪)の要になる
(第3次まんなかビジョン)
2050 この年までの温室効果ガス排出量の41-72%削減が必要になる
(2010年比)
2060 日本の公的債務比率(230%)を100%に戻すため、消費税率で
約30%分の収支改善が必要になる
2060 出生率1.8を達成した政府が、この年の人口1億人維持を達成
2064 日本が人口1億人を維持し、実質GDPで1.5-2%程度の経済成長を
続ける
2090 2035年までに出生率2.1を達成した政府が、この年人口1億人を
維持する(出生率1.8の達成、維持の場合は8101万人程度)
2100 世界の平均気温が最大で4.8度上昇する(IPCC)
2100 温室効果ガス排出量の78-118%削減が、この年までに必要になる
(2010年比)
【未来動向―市場】
2016 住宅大手が戸建て住宅と電力をセット販売
2016 函館、青森、八戸、弘前4市が青函都市圏になる(北海道新幹
線の開業)
2017 世界の3Dプリンター出荷台数が32万台に達する(約4.6倍)
2018 日本企業がミャンマーで年間2000トンの生薬を収穫
2018 世界のウエアラブル端末出荷台数が約1億2000万台に達する
2018 静岡県産イチゴの約8割が新品種「きらぴ香」になる
2020 IoTの世界市場が約355兆円に達する
2020 インフラロボット市場が1038億円の規模に成長(2015年は
216億円)
2020 北海道ガスが電力20万キロワットを供給(将来目標は50万
キロワット)
2020 北米産シェールオイルの増産が一巡。原油価格の上昇圧力が
高まる(この年以降)
2020 炭素繊維の世界市場が4500億円の規模に成長(現状比で3倍超)
2020 この年までの過剰石油化学設備の解消が必要になる
【未来動向―自動車】
2015 トヨタが量産型FCV約400台を販売(世界初)
2015 トヨタの純利益が初めて2兆円に達する
2016 ブラジルで「プリウス」の生産がはじまる
2017 富士重工が全方位の衝突を回避する運転支援システムを実用化
2020 走行可能距離を2倍にのばすEV用リチウムイオン電池が
実用化
2020 タクシー大手が女性運転手を1000人に拡大(現状は約90人)
2020 韓国の自動車大手が平均燃費を2014年比で25%高める
2020 熊本大が開発したマグネシウム合金が米ボーイングの
航空機開発に生かされる
2024 米ニューヨーク市が交通事故による死者を大きく減らす
2025 トヨタのFCVがHV並の価格になる
2030 このころ多くのFCVが走る社会になる
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第5次統合報告書
・アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳宣言北京ロードマップ承認
・欧州連合(EU)首脳会議総括文書
・主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)首脳宣言
・国際エネルギー機関(IEA)「世界エネルギー見通し」2014年版
・石油輸出国機構(OPEC)の世界石油見通し発表
・国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト公表
・大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)
・米中首脳会談での地球温暖化対策新目標発表
・中国共産党第18期中央委員会第4回総会
「法に基づく国の統治(法治)」採択
・中国国務院のエネルギー政策行動計画
・中国共産党最高指導部と党長老の北戴河会議(8月)
【国内】
・経済財政諮問会議有識者会議「選択する未来」委員会最終報告書案
・まち・ひと・しごと創生(地方創生)本部「総合戦略」
lexapro generic 「長期ビジョン」骨子案
・改正感染症法可決成立
・内閣府「宇宙基本計画」(2015-25年度)公表
・農林水産省農林水産政策研究所の「買い物難民」推計
・文部科学省「スーパーグローバル大学(SGU)」選定(9月)
・環境省「侵略的外来種」選定方針
・公選法改正案をめぐる自民、民主、公明3党の大筋合意
・経済産業省の石油化学市場の構造に関する調査報告
【企業/大学全国区】
・肥後銀行と鹿児島銀行の経営統合調整
・JR西日本「エキマルシェ新大阪」発表
・熊本大学と米ボーイング社との共同研究協定
・吉本興業「沖縄エンターテイメント構想」
・清水建設の海底都市「オーシャンスパイラル」構想
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・下北半島ジオパーク構想推進協議会(関係5市町村)の決定
・鹿児島県の奄美群島世界自然遺産登録推進検討会
・大阪市「インダストリアルデザイン・アーカイブス
研究プロジェクト」
・香川県防災会議「県地域防災計画」修正案了承
・愛媛県松山市の中心市街地活性化基本計画
・鹿児島経済同友会観光戦略提言
・富山、石川、福井3県議会議長会の北陸新幹線金沢―敦賀間
建設要望合意
・沖縄県の県高齢者福祉対策推進協議会報告
・国土交通省中部地方整備局などの有識者懇談会
「第3次まんなかビジョン」
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり。
【今月登場した近未来】
・COP20(ペルー、リマ)
・トヨタ最高益2兆円(2015年3月)
・中国の第13次5カ年計画(2016-20年)のゆくえ
・原発政策の中間整理骨子案(12月中)
・衆院解散総選挙(12月14日)
・選択する未来委員会最終報告書
・地方創生本部「総合戦略」
・厚労省、介護職員確保具体策(年内)
・ラグビーW杯、開催都市決定(3月)
・CNNロシア、放送停止
・福岡空港民間委託の是非
【今月登場した未収録の未来】
・ダイヤモンドナノフィラメント(ペン州立大)
・ヘルスツーリズム
・TPP大筋合意
・宇宙基本計画工程表
・高浜1・2号機、3・4号機の稼働
・自動車取得税に代わる燃費課税
・敦賀原発2号機再稼働
・ロシア独自の軌道ステーション投入
・韓国のミサイルTHAAD配備(高高度ミサイル防衛体系)
・宮崎、祖母傾山系のエコパーク登録
・札幌市、地下鉄延伸
【今月決着した未来】
・IPCC第5次報告書まとまる
・EU温室効果ガス削減目標2030年40%
・欧州デザーテック構想断念(?)
・消費増税先送り
・GDP年率1.6%減
・豪中FTA
・太平洋クロマグロのレッドリスト入り
・はやぶさ2打ち上げ成功
・トヨタ自動車、燃料電池車発売(世界初)
・NTT、4K映像配信サービス開始(国内初)
・新幹線、北海道上陸(列車名:はやぶさ、はやて)
・SIMロック解除
・海の日を7月20日に戻す法案断念
・大阪都構想案、府市両議会で否決
・愛知ロボット産業クラスター推進協議会設立
【用字用語】
1)比布町=ぴっぷちょう(北海道)
2)伊勢堂岱=いせどうたい(秋田)
3)剣山=つるぎさん(徳島)
4)上野三碑=こうずけさんぴ(群馬)
5)きらぴ香=きらぴか(静岡米)
6)役行者=えんのぎょうじゃ(京都)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2014年12月号」
Future Lab 未来人
Copyright(C)2014 MIRAIJIN