月刊 未来人
FUTURE REPORT OCT 10 2014
毎月10日にアップデートするデータから、見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートしています。冒頭のグラフは2014年から何年後に何件の予測が集中しているかを示します。ヨコ軸の数値に2014を足すことで西暦に一致します。
・該当数 194/38678
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2015 兵庫県加東市で水上型メガソーラーが稼動
2016 函館市がハーフマラソンとフルマラソンを同時開催
2016 超伝導受信機を備えた電波望遠鏡が稼動(グリーンランド)
2016 物を触った感覚を再現する「3D触力覚」が実用化
2016 在宅療養の子を一時預かる大型「レスパイトケア施設」が完成
2016 長野県の「信州大イワナ」(仮称)が市場に登場
2017 人気映画「青い山脈」(1949年)の現代版が公開される
2017 目の再生医療拠点「神戸アイセンター」(仮称)がオープン
2017 イスラム文化に配慮したテレビアニメを日本企業がマレーシアで
製作、放映
2017 光ファイバー1本で毎秒10テラビット以上の通信速度が必要にな
る
2017 米国の全トヨタ車が衝突回避の「自動ブレーキ」を搭載
2017 香港の次期長官選挙が「指名委員会」が選出した候補に限定され
る(自治の危機)
2017 クロマグロの稚魚のための低コスト飼料が実用化(完全養殖)
2017 福井県大野市が広告代理店の人口減対策を実施(2014-17年)
2017 医療機関と介護施設を併設した高齢者住宅が誕生(札幌市)
2017 電磁カタパルトを搭載した米軍の新空母が完成(現状は蒸気)
2018 広島市に単位制の「フレキシブルスクール」(仮称)が開校
2018 大西洋—インド洋を結ぶアフリカ大陸横断鉄道が中国主導で実現
2018 ロシアが世界初の原子力宇宙エンジンを完成
2019 太平洋—カリブ海、大西洋間を結ぶニカラグアの運河が完成
2019 建設現場で働く女性が20万人に倍増(現状は約10万人)
2019 災害時でも通信できる衛星回線の携帯電話サービスが身近になる
2019 東京都が大型クルーズ船が停泊できる客船ターミナルを整備
2020 新潟県佐渡市の自然界で生息するトキが300羽に増える
2020 藻から作った非食料系界面活性剤が商品化
2020 ブータンの首都を走る自動車の8割がEVになる
2020 竜巻、ゲリラ豪雨などを1時間前に予測する技術が確立
2020 東京パラリンピックで自動走行の「ロボット車いす」が活躍
2020 中国軍が「航天(宇宙)部隊」を設立(第5の軍種)
2020 東京都がすべての都立、公立病院(14カ所)を多言語化
2020 ベトナムが国産小型衛星の衛星画像を販売
2021 米軍が電磁銃「レールガン」を実戦配備する
2022 東九州道、大分—宮崎間約150キロのトイレ空白区間が解消
2023 米国の外国人医師の受け入れが国際基準を満たした大学の卒業者
に限定される
2023 この年の空き家率が13.7%にとどまる
2023 この年の空き家率が21.0%に達する
2024 豪タスマニア州がワインの生産量を4倍に増強(適地の南下)
2025 インドの人口の約半分を29歳以下が占める
2027 米軍在沖縄海兵隊のグアム移転がこの年以降にずれ込む
2030 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」がエイズ、結核、マラリ
アを根絶
2035 開園50周年の千葉市動物公園がリスタート構想を完了
2035 世界のコメ需要が5億5500万トンに増大(26%増)
2050 東京の最高気温が40.8度に達する(8月)
2050 豪南部のブドウ収穫期が2-3月に集中(コスト増)
2100 世界人口が110億人に達する(従来予測は90億人)
【未来動向―基盤】
2015 多国籍企業などの課税逃れを防止する多国間協定が締結される
2015 太平洋クロマグロの幼魚の漁獲枠が半分になる
2015 有価証券報告書に女性役員の人数開示が義務付けられる
2015 在韓米軍第2師団と韓国軍の戦車部隊が連合師団を編成
2015* 光ファイバー1本で毎秒約25テラビットのデータ通信が可能にな
る(現状は最高8テラビット)
2016 EUとウクライナとのFTAが、この年以降に実現
2016 RCEP合意が、この年以降にずれ込む
2016 朝鮮通信使の関連史料が記憶遺産に登録申請される
2016 日本が国連安保理の非常任理事国になる(2016-17年)
2016 南極海での調査捕鯨再開が、この年以降にずれ込む
2016 北極航路の航行ルールを定めた初の国際基準が導入される
2016 中国の「天宮2号」が、このころ打ち上げられる
2016 インドネシアと米国を結ぶ海底ケーブルが完成
2016 エチオピアの人口が1億人に達する
2016 インドとオーストラリアがFTAを含む包括経済協力協定に合意
2017 奄美・琉球の自然遺産登録が、この年以降にずれ込む
2017 米国の政策金利が通常の水準に回復
2017 米国が「流動性カバレッジ比率」を重視した新しい銀行規制を本
格実施(1月)
2017 国産ジェット「MRJ」を使った地方路線、アジア路線の運航受託
会社が設立される
2017 NASAの次世代大型ロケット「SLS」が試験飛行(計画を1年
延長)
2018 ロシア本土とクリミア東部間(ケルチ海峡)の架橋が完了する
(クリミアのロシア化)
2018 バレーボールの女子世界選手権が日本で開催される
2018 電気料金の総括原価方式が撤廃される
2018* 大阪府が行財政改革推進プランを終える(2015-18年度)
2019 東シベリアの天然ガスを中国に輸送するロシアのパイプライン
「シベリアの力」が稼動
2019 沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場が、この年2月までに運用を
停止する
2019 G20が世界の巨大金融機関に自己資本比率16-20%を義務付ける
規制を導入(バーゼル規制は中核的自己資本8-9.5%)
2019 マレーシアのペトロナス・ペンゲラン総合コンビナートが中核設
備を完成
2019 この年までインドのインフラに中国が総額200億ドルを投資
2020 東京都が住宅の耐震化率を95%に高める(東京の防災プラン)
2020 東京都が家庭、企業での備蓄100%を達成(東京の防災プラン)
2020 東京都が避難所運営マニュアルを全区市町村で策定(東京の防災
プラン)
2020 女性の労働力率に見られる「M字カーブ」が解消する
2020 政府が1兆円を上まわる農林水産物、食品の輸出を達成(攻めの
農林水産業)
2020 大阪府の「大阪の成長戦略」が実施成長率年平均2%以上を達成
2020 大阪府の「大阪の成長戦略」が来阪外国人数650万人を達成
2020 横浜市のみなとみらい地区に新しいMICE施設がオープン
2020 中国政府が「2020年までの改革実施計画」を推進
2020 東京都の課長級以上の職員に占める女性の割合が20%に拡大
2020 東京都の「長期ビジョン」が外国人旅行者数1500万人を達成
2020 WHOが国別の自殺率を10%低減する
2021 東京都目黒区にビジネス訴訟の専門裁判所が開設される
2022 中国独自の宇宙ステーションが、このころ打ち上げられる
2022 日本とASEANが、この年まで戦略的経済協力ロードマップを推進
2022 ベトナムがニントアン第1原発を着工する
2024 東京都が外国人旅行者数1800万人を達成(長期ビジョン)
2024 東京都が国際会議の開催数を年330件に高める(長期ビジョン)
2024 東京都が段差のない駅の数を712駅に増やす(長期ビジョン)
2024 東京都が都民の「ボランティア行動者率」を40%に高める(長期
ビジョン)
2025 政府の宇宙基本計画が目標年次を迎える
2025 大阪都が万国博覧会(万博)を招致
2025 インドが世界一人口が多い国になる(13億9604万人)
2025 米軍在沖縄海兵隊のグアム移転がこの年までずれ込む
2026 5歳未満の乳幼児の死亡率を1/3に削減する国連ミレニアム開発目
標(MDGs)が、このころ達成される(目標年は2015年)
2026 ベトナムの人口が1億人に達する
2028 このころ、インドの人口が中国を超える
2028 米カリフォルニア州の高速鉄道が完成
2028 ベトナムのニントアン第1原発が完成(2026-28年)
2029 ベトナムのニントアン第2原発が完成(2027-29年)
2030 ミャンマーの1人あたりGDPが5000ドルに達する
2030 国連が極度の貧困と飢餓を撲滅(持続可能な開発目標:SDGs)
2030 国連がエネルギー効率の改善率を2倍に高める(持続可能な開発
目標:SDGs)
2030 国内発電量に占める再生可能エネルギーの割合が20.5%に達する
2030 APECが域内の再生可能エネルギー比率を2倍に高める
2030 魚介類の養殖生産が世界の消費量の約半分を占める
2030 ロシアが「サハリン1」チャイボ鉱区北に隣接する新油田を、こ
の年まで開発
2050 コンゴ、タンザニアなど19カ国の人口が1億人を超える
2100 日本の人口が、この年まで減少を続ける
【未来動向―市場】
2015 太平洋クロマグロの幼魚の漁獲枠が半分になる
2016 EUとウクライナとのFTAが、この年以降に実現
2016 インドとオーストラリアがFTAを含む包括経済協力協定に合意
2016 日本企業がベトナムの日本食レストランを35店舗に拡大
2016 長野県の「信州大イワナ」(仮称)が市場に登場
2016 世界のネット通販市場が約2倍に成長
2020 世界市場でダイヤモンドの小売価格が上昇する
2020 米国のアルミパネル材市場が100万トンの規模に拡大
2020 アジア太平洋の水ビジネスが世界最大の市場に成長
2024 国内のパワードスーツ市場が1000億円を超える
2030 魚介類の養殖生産が世界の消費量の約半分を占める
2030 インドネシアの人口ボーナス期が、このころまで続く
2035 世界のコメ需要が5億5500万トンに増大(26%増)
【未来動向―自動車】
2016 静岡県と磐田市が超小型モビリティーの公道実験を終了
2017 米国の全トヨタ車が衝突回避の「自動ブレーキ」を搭載
2017 三菱自がインドネシアで東南アジア向け多目的車の生産を開始
2018 東風日産が中国のEV市場でシェア20%を獲得
2020 ブータンの首都を走る自動車の8割がEVになる
2020 FCV向けのアルミ複合素材が実用化
2030 世界のPHV販売台数が304万台(33.8倍)に増える
2030 世界のHV販売台数が643万台(3.9倍)に増える
2030 世界のEV販売台数が280万台(23.3倍)に増える
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
【海外】
・国連「持続可能な開発目標(SDGs)」案
・国連児童基金(ユニセフ)、乳幼児の死亡率報告書
・国連国際海事機関の海上人命安全条約、海洋汚染防止条約改正
・欧州連合(EU)、ロシア、ウクライナの閣僚級三者会合
・主要20カ国地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議
・多国籍企業などの課税逃れ防止に関するOECD行動計画指針
・国際捕鯨委員会(IWC)総会決議
・東アジア包括的経済連携協定(RCEP)閣僚会合
・アジア太平洋経済協力会議(APEC)エネルギー相会合共同宣言
・中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)合意
・中印首脳会談「5カ年貿易経済発展計画」目標
・米海兵隊グアム移転計画の環境影響評価補足説明書(4月)
・中国鉄建のベンゲラ鉄道補修完了
・朝鮮通信使ユネスコ記憶遺産日韓共同推進会議
・ブータン政府「国家EV化計画」
【国内】
・改正過疎法施行(2014年4月)
・宇宙開発戦略本部「宇宙基本計画」見直し
・攻めの農林水産業実行本部初会合
・環境省、トキの野生復帰専門家会合
・菅義偉官房長官と仲井真弘多沖縄県知事との会談
・国土交通省、日本建設業連合会などの行動計画(2014-19年)
【企業/大学全国区】
・次世代地域航空ネットワーク検討協議会の運航受託会社設立構想
・大野市と電通西日本の人口減対策協定(2014-17年)
・野村総合研究所の空き家予測
・総務省「平成25年住宅・土地統計調査」
・新関西国際空港会社の大阪(伊丹)空港ターミナルビル改修計画
・NHK「2050年の天気予報」
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・青森市「青森駅を中心としたまちづくり基本計画」(2012年2月)
・新潟県の県央基幹病院概要
・千葉市動物公園「リスタート構想」(2016-35年)
・世界一の都市東京のための東京都「長期ビジョン」案
・東京都「東京の防災プラン」骨子
・JR武蔵小金井駅南口再開発事業
・大阪府戦略本部会議「大阪の成長戦略」案了承
・大阪府戦略本部会議「行財政改革推進プラン」素案了承
・大阪維新の会政策案(マニフェスト)発表
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり。
【今月登場した近未来】
・COP21(パリ)/地球温暖化対策の枠組み決定
・中国、CO2排出総量規制
・政府「総合戦略」(年末)
・政府「女性が輝く政策パッケージ」とりまとめ(10月)
・有価証券報告書の女性役員人数開示義務(2015年6月)
・国土交通省、広域観光周遊ルート開発(外国人向け)
・東京の防災プラン確定(12月)
・北海道開発の将来展望とりまとめ(有識者、年内)
【今月登場した未収録の未来】
・日露天然ガスパイプライン構想(自民)
・イスラム国
・エボラ熱
・超多収イネ開発
・関西イノベーションハブの新ビジネス構想
・大阪市、今里筋線ほか4路線の延伸、新設
【今月決着した未来】
・米FRB量的緩和策10月で終了(ゼロ金利は継続)
・川内原発、新規制基準を通過(第1号)
・関電の首都圏進出(家庭用電力市場)
【用字用語】
1)祭祀=さいし(常用外含む)
2)幸手=さって(埼玉)
3)触力覚=しょくりきかく
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report」2014年10月号
Future Lab 未来人 Copyright(C)2014 MIRAIJIN