月刊 未来人
FUTURE REPORT APR 10 2014
毎月10日にアップデートするデータから、見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートいていきます。冒頭のグラフは2014年から何年後に何件の予測が集中しているかを示します。ヨコ軸の数値に2014を足すことで西暦に一致します。
・該当数 211/37124
※2100年超を含む
未来の諸相
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。市場予測はすこし性質がことなりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2015 欧州特許庁が「統一特許」制度を導入(25カ国で有効)
2015 この年を待たずにアフガニスタン駐留米軍が全面撤収する
2015 高速道路の「高精度地図データベース」開発がはじまる
2015 バチカンのフランシスコ・ローマ法王が長崎県の招請にこたえる
2015 吐く息で健康状態をモニタリングする小型呼気分析装置が実用化
2015 水面を走行できる小型(4人乗り)EVが発売される
2015 インドの平均寿命が男性が67.3歳、女性69.6歳になる
2016 ガスパイプライン「サウスストリーム」の完成が、
この年より遅れる
2016 青函圏がサイクル・ツーリズム(自転車観光)でにぎわう
2016 短時間でマラリア感染を診断するバイオチップ検査法が実用化
2016 世界最高精度のデジタル3D地図提供サービスがはじまる(3月)
2017 ベトナムがETCを備えた高速道路システムを導入
2017 東南アジアの白物家電市場が、日本の3倍の規模に成長
2017 日本が米国外初の「F35B」戦闘機前方配備地になる
2017 民間用ティルトローター機「AW609」が
米国で認証を取得(世界初)
2017 イラク北部クルド地区の天然ガスが欧州に輸出される
2018 中国が「遼寧」に続く2隻目の空母「山東」(通常動力)を就航
2020 ベルギーの都市農業「アクアポニックス」が2000人の雇用を創出
2020 携帯電話の第5世代(5G)通信技術が実用化
2020 国内の漢方薬大手が国内の生薬栽培農地を3倍に拡大する
2020 米海軍が装備の6割をアジア太平洋地域に配備(現状は約5割)
2020 東京で一人暮らしをする高齢者の数が山梨、佐賀の人口に並ぶ
2020 政府とメーカーが自動車関連情報をインターネットで商業公開
2020 湾岸協力会議(GCC)6カ国が合計531億ドルのハラル食品を輸入
2020 複数のロボットが協調して働く喫茶店が実現
2020 フィリピンのカジノが世界2位の規模になる
2020 中国の都市人口の割合が60%に拡大する(現状は53.7%)
2020 ロシアの「北のトラ」計画がアムールトラの個体数を倍増
2021 北海道にコメの新品種が誕生(温室栽培で開発期間を短縮)
2022 中国都市部の消費者の75%が年収6万-22万9000元世帯になる
2023 北海道江別市が「歩いて暮らせる」集約型都市構造を実現
2024 欧州宇宙機関(ESA)が
系外惑星探査衛星「PLATO」を打ち上げる
2025 地方銀行(地銀)の市場が縮小し、経営難が深刻化
2025 全国の75歳以上高齢者が約759万人増加する(半数が都市部)
2025 在宅医療を求める患者の数が29万人に拡大(現状は約16万人)
2025 脳卒中の発症者数が年間約30万人に増える(国内)
2027 北九州市が若戸大橋、新若戸道路(若戸トンネル)を無料化
2027 愛知県が名古屋駅を基点とする在来線の40分圏内を拡大
2030 湾岸協力会議(GCC)6カ国が合計人口6200万人に成長
2030 日本の再生可能エネルギー比率が35%に高まる(FIT制度導入)
2030 国内の石油需要が2010年比で3割減少
2030 中国のハイテク製品が同貿易総額の50%以上を占める
2030 朝鮮半島の統一が、この年から10年で
2030 韓国の済州島がEV化100%を達成
2030 民族的背景が多様な韓国の「多文化将兵」が1万2000人に達する
2030 世界で食べられる魚の62%が養殖ものになる
2030 中年男性と高齢女性の貧困、孤立が深刻になる(2030年問題)
2032 早稲田大のウェブサイトがすべての授業を公開
2040 日本全国で人口のブラックホール現象が生じる
2040 大分県の農林水産業人口(就業者数)が約1万人台まで激減
2047 埼玉県の死亡県民数が約2.4倍(約280万人)に増加
2050 離島住民の暮らしを支える交通ネットワーク整備が完了する
2050 政府が都市と地方の2地域居住をしやすくする
2050 アジアの高齢者人口が12億5300万人に達する
2050 英国で暑さによる死亡者数が257%増加(年間約7000人)
2100 国内の砂浜が最大85%消失する
2100 洪水、高潮の年間被害額が7400億円以上増加する
2100 熱中症による死者が全都道府県で倍増
2110 日本の人口が4286万人に減少する(移民を受け入れない場合)
2110 日本の人口が1億1404万人を維持する(移民が定住した場合)
2140 仮想通貨「ビットコイン」の発行量が上限に達する
【未来動向―基盤】
2015 米軍在沖縄海兵隊がグアム移転施設の建設計画をまとめる
2015 政府の新しい子育て支援制度がスタート(追加費用は1.1兆円)
2015 太平洋クロマグロの幼魚(0-3歳)の漁獲量が50%削減される
2015 日中韓3カ国のFTA交渉が妥結
2015 政府が2020年以降の温室効果ガス削減目標を国連に提示
2015 国勢調査にインターネット回答が本格導入される
2015 電子書籍に出版権を認めた改正著作権法が施行される(1月)
2016 家庭向けの都市ガス小売りが、電力と同時に全面自由化される
2016* 沖縄電力がスマートメーターの本格導入を開始
2016* 中国電力がスマートメーターの本格導入を開始
2017 豊島(香川県)に不法投棄された産業廃棄物の処理が完了する
2017 米英仏が財政赤字をGDP比で3%以内に抑える
2017 インドネシア初の深海ガス田が操業を開始
2017 中国空軍が次世代ステルス戦闘機「殲20」を配備
2018 G20が6%程度の経済成長率を達成(2015-18年)
2019 核兵器のプルトニウムをMOX燃料に加工する米国の工場が完成
2019 ガスパイプライン「TANAP」が供給を開始
2020 ベトナムに総額約1200億円の円借款を供与(2014-20年)
2020 JAグループの農産品年間輸出額が10倍を超える額に拡大
2020 沖縄に駐留する米海兵隊がグアムに4700人移転
2020* 愛知県でエコカーが200万台普及する(2011年度は60万台)
2020 訪日外国人が1700万-1800万人台にとどまる
2020 ロシア軍が第4世代潜水艦の配備を完了(第5世代は開発中)
2020 中国の都市化計画が地下鉄と公共住宅の整備を終える
2020 中国の都市化計画が人口20万人超の都市すべてに鉄道を敷く
2020 中国の都市化計画が大気の基準適合都市を60%に高める
2020* 東京電力がスマートメーターの導入を完了
2022* 沖縄の米軍普天間飛行場の代替施設が、この年以降に完成する
2022* 中部電力がスマートメーターの導入を完了
2022* 関西電力がスマートメーターの導入を完了
2023 米国での臨床研修に医学教育水準の国際認証が必要になる
2023 全国80医学部に対する国際基準による評価、認証が完了する
2023 大阪市に阪神百貨店梅田本店が入る大阪神ビルが完成
2023* 北海道、東北、中国、四国、九州電力が
スマートメーター化を完了
2024* 福島第一原発1-3号機で溶けた核燃料の取り出しが始まる
2024* 沖縄電力がスマートメーターの導入を完了
2025 東京都の75歳以上高齢者が約197万7000人に増加
2025 神奈川県の75歳以上高齢者が約148万5000人に増加
2025 大阪府の75歳以上高齢者が約152万8000人に増加
2025 埼玉県の75歳以上高齢者が約117万7000人に増加
2025 千葉県の75歳以上高齢者が約108万2000人に増加
2025 愛知県の75歳以上高齢者が約116万6000人に増加
2026 沖縄に駐留する米海兵隊がハワイに2700人移転する
2029 日本の研究用使用済み核燃料を米国が引き取る期限が到来
2030 英国が、この年までに1600万キロワット分の原発を新設
2030 医療福祉分野の就業者数が908万人以上で産業中最大になる
2030 ミャンマーが電化率100%を達成(現状は約3割)
2030 太陽光発電の累積導入量が1億200万キロワットに達する
2030 米国人口の18%が65歳以上になり、金融政策の効果が減退
2035 世界の再生可能エネルギー発電量が2011年比で2.6倍に増加
2035 中国の再生可能エネルギー発電量が世界全体の24%を占める
2035 ASEAN10カ国の石油需要が日量680万バレルに達する
2035 インドネシアの人口が3億人に達する
2050 国際社会が低炭素エネルギーの割合を3-4倍に拡大
2050 国際社会が温室効果ガス排出量を40-70%削減
2050 中国沿岸の海面水位が17センチ上昇する
2050 中国の都市化計画が人口50万人超の都市を高速鉄道で連絡
2060 日本の労働力人口が3795万-5407万人に減少
2100 河川の流量が2000年までの20年間に比べて1.1-1.2倍増加する
2100 洪水の年間被害額が最大で約4800億円増加
2100 高潮の年間被害額が最大で約2600億円増加
2100 コメの収量が近畿、中国、四国、九州の全域で半分以下に減少
2100 北海道、東北のヒトスジシマカの生息域が2倍以上に拡大
2100 日本の平均気温が3.5-6.4度上昇する(IPCC)
2100 日本の降雨量が9-16%増加する(IPCC)
2100 日本の海面が最大63センチ上昇する(IPCC)
2100 日本の砂浜が最大85%消失する(IPCC)
2100 日本の洪水被害額が最大4809億円増加する(IPCC)
2100 日本の高潮被害額が最大2592億円増加する(IPCC)
2100 日本の河川流量が2割増加し、水質が悪化する(IPCC)
2100 日本のブナ生息域が最大9割消失する(IPCC)
2100 日本の温州ミカン適地が消失する(IPCC)
2100 日本のコメの品質低下リスクが高まる(IPCC)
2100 熱中症などの暑さによる死亡リスクが高まる(IPCC)
2100
2100 中国沿岸の海面水位が42センチ上昇する
【未来動向―市場】
2015 アジア太平洋の医療費が急増、世界の医療収益の33.1%を占める
2015 韓国ドラマの続編「宮廷女官チャングムの誓い2」が制作される
2015 全編CGの劇場版スヌーピー(Peanuts)公開
2015 FRBが利上げを実施(下期以降)
2016 世界の鉄鉱石価格が1トンあたり80ドルに下落
2017 東南アジアの白物家電市場が、日本の3倍の規模に成長
2017 中位スマートフォン出荷台数が世界で5億2000万台に達する
2017 中国全体の大気汚染対策投資が1兆7000億元を超える
2018 韓国仁川市が中国人観光客をリゾート地区の外に誘致
2018 国内のモバイルデバイス市場が6257万台の規模に成長
2018 世界のスマートフォン出荷台数が前年比伸び率6.2%に減速
2018 世界の二次電池市場が2013年比で20.9%成長
2018 世界のパソコン出荷台数が2億9170万台にとどまる
2019 マレーシアの格安航空会社(LCC)が57機体制を実現
2020 携帯電話の第5世代(5G)通信技術が実用化
2020 湾岸協力会議(GCC)6カ国が合計531億ドルのハラル食品を輸入
2020 一人っ子政策緩和による中国のベビー特需が、この年まで持続
2020 JAグループの農産品年間輸出額が10倍を超える額に拡大
2020 訪日外国人が1700万-1800万人台にとどまる
2020 3Dプリンターが1兆円市場に成長(2012年は約2300億円)
2020 インドネシア国民の7割超(約2億人)が中間層になる
2021 北海道にコメの新品種が誕生(温室栽培で開発期間を短縮)
2022 中国都市部の消費者の75%が年収6万-22万9000元世帯になる
2025 地方銀行(地銀)の市場が縮小し、経営難が深刻化
2025 在宅医療を求める患者の数が29万人に拡大(現状は約16万人)
2027 長野県伊那谷の交流人口が年間200万人増加する(リニア効果)
2030 湾岸協力会議(GCC)6カ国が合計人口6200万人に成長
2030 国内の石油需要が2010年比で3割減少する
2030 中国のハイテク製品が同貿易総額の50%以上を占める
2030 世界で食べられる魚の62%が養殖ものになる
2030 世界の貿易総額が年平均8%の成長を続ける(2014-30年)
2030 ハイテク製品の貿易額が世界の貿易総額の25%を超える
2032 この年までにインドが1290機の新しい旅客機を需要する
2035 ASEAN10カ国の石油需要が日量680万バレルに達する
2050 アジアの高齢者人口が12億5300万人に達する
2140 仮想通貨「ビットコイン」の発行量が上限に達する
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
【海外】
・国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第3部会向け報告書案
・国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)合意
・G20財務相・中央銀行総裁会議(23日)の底上げ目標
・世界銀行、国連食糧農業機関(FAO)、国際食糧政策研究所(IFPRI)
の共同研究「「2030年までの漁業資源」
・国際エネルギー機関(IEA)長期予測
・ブリュッセルの都市農業「アクアポニックス」(ベルギー)
・欧州宇宙機関(ESA)コズミックビジョン計画
・オバマ米大統領の米軍全面撤収計画作成指示
・米国防総省「4年ごとの国防計画見直し」(QDR)発表
・米下院軍事委員会の
太平洋軍ロックリア司令官書面証言(2013年3月)
・核不拡散に関する日米の首脳合意
・ロシアの「北のトラ」計画
・中国国家衛生計画生育委員会「一人っ子政策」緩和計画
・中国政府の2014-20年都市化計画
・日中韓3カ国の自由貿易協定(FTA)第4回交渉会合
・イラクのBTCパイプライン南ガス回廊構想
・フィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)の予測
・日越共同声明
・韓国統一部の(朝鮮半島)統一費用推算プロジェクト(2012年)
・ミャンマー、テイン・セイン政権の方針表明(2013年)
・ベトナムの南部重要経済地域経済・社会開発マスタープラン承認
【国内】
・内閣府の労働力人口推計
・経済財政諮問会議「選択する未来委員会」第3回会合内閣府試算
・国連IPCCの最新シナリオよる環境省研究チームの報告書
・著作権法改正案閣議決定
・自民党地域分散型エネルギー会議の試案
・経済産業省スマートメーター制度検討会(第14回)
・観光庁の訪日外国人予測(交通政策審議会、24日)
・全国地方銀行協会、金融庁の意見交換会配付資料
・国土交通省「グランドデザイン」骨子案
【企業/大学全国区】
・ボルボ「VISION 2020」
・米ゼネラルエレクトリック(GE)
「エコマジネーション」成長戦略(2005年)
・JAグループの改革最終案(4月公表予定)
・ゼンリン「高精度地図データベース」開発
・みずほ情報総研「単身急増社会の衝撃」
・太陽光発電協会「PV OUTLOOK 2030」
・佐賀大学の文化教育学部改革構想
・慶応義塾大学の「ロボット協調サービスシステム」開発
・早稲田大学「Waseda Course Channel」(2014年2月25日公開)
・中国海面公報に基づく朱建栄華東師範大学教授の予測
・IPCCの2014年9月予測による国立環境研究所、茨城大学ほか
34研究機関の共同研究結果
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・国土交通省北海道開発局、青森県観光国際戦略局、北海道
のサイクルツーリズム研究会初会合
・函館市の港湾計画変更
・江別市都市計画審議会の市都市計画マスタープラン改定案答申
・秋田県の4年計画「第2期ふるさと秋田元気創造プラン(仮称)」案
・増田寛也元岩手県知事を座長とする人口減少問題研究会の将来予測
・愛知県第4次環境基本計画中間とりまとめ
・名古屋市(名古屋駅周辺まちづくり構想素案)
・名古屋市営地下鉄東山線・名古屋―伏見間新駅建設構想
・大分県初の中長期県勢シミュレーション
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり。
【今月登場した近未来】
・中国一人っ子政策緩和(20以上の都市)
・クリミア自治共和国のルーブル切り替え(4月)
・政府の温室効果ガス削減目標(2015年3月末)
・公的年金支給開始年齢の引き上げ検討(6月)
・エネルギー基本計画(案)閣議決定
・国土形成計画見直し議論開始
・国土の「グランドデザイン」とりまとめ(6月)
・経済財政諮問会議「選択する未来委員会」報告書(年内)
【今月登場した未収録の未来】
・もんじゅ計画案の徹底的な改革
・高レベル放射性廃棄物最終処分の処分地選定方法見直し
・商業核融合発電会社
・日本の財政状況と債務残高に関する長期推計(EU手法)
・ロコモティブシンドローム(ロコモ)
・昆虫食市場
・働く女性の壁解消(103万円の壁、130万円の壁、小1の壁)
・ビットコインと制度の接点
【今月決着した未来】
・米プルサーマル発電の凍結
・核熱融合実験炉ITER最大23カ月遅延
・あべのハルカス全面開業
・生活支援ロボットの国際安全規格決定(2月)
・エネルギー基本計画政府案
・もんじゅ実証炉の現行計画撤回
・米バーモントヤンキー原発の廃炉(10月)
・国連ミレニアム開発目標7(安全な飲料水)達成
・日本、オーストリア、オープンスカイ合意
【用字用語】
1)BTC(ビットコインの通貨単位)
2)野面積み工法=のづらづみ工法(大阪城)
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