月刊 未来人
FUTURE REPORT NOV 20 2024
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 166/64876
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2025 東京大が授業料を2割アップ(53万5800円→64万2960円)
2026 米ボーイングが次世代大型旅客機「777X」を出荷
2026 大正大が仮想寺院の管理運営に取り組む(墓じまい、廃寺に対応)
2026 塗布することでCO2を吸収するコーティング剤が実用化
2026 グリーン水素で焙煎したコーヒーの生産がラオスではじまる
2026 米テスラがサイバーキャブの生産をはじめる(EV自動運転タクシー)
2026 パキスタンの巨大ダム建設で世界遺産級の岩絵が湖底に沈む
2026 未来のコンビニのためのAI研究成果がまとまる
2026 NASAが伊高級ブランドの月面用宇宙服を月探査に導入
2026 佐賀大が全国初のコスメティックサイエンス学環(仮称)を開設
2026 腎臓の形成不全をブタの臓器で治療する異種移植が実施される
2026 細胞移植による脱毛症の治療が臨床段階に進む
2026 新しい静岡酵母を使った酒造りがはじまる(日本酒)
2026 岐阜県白川村に「村の自慢の酒」が誕生(100年越しの酒蔵復活)
2027 高松市にある名プロ野球選手(水原、三原)の銅像に中西太が加わる
2027 栃木のトマト、ニラ、アスパラガスの産出額が50億円増額
2027 千葉県袖ケ浦市がデマンド型乗り合い送迎の実証運行を終える
2028 米スリーマイル島原発1号機が再稼働(メルトダウンした2号機に隣接)
2030 電力消費1/100のAI半導体が量産される
2030 がん治療のためのiPS細胞培養装置が実用化(免疫細胞を増殖)
2030 米国で小型モジュール炉(SMR)が稼働(5万キロワット規模)
2030 川崎市の臨海部で水素発電がはじまる(都市ガスに30%混焼)
2031 NASAの探査機が木星の衛星エウロパに到着(2031年以降)
2031 体の奥深くのがんを治療する薬剤が実用化
2035 海洋プラスチックごみ流出量の32%削減が必要になる(2024-35年)
2035 米ネット検索大手が原発(SMR)の電力を購入(2030-35年)
2035 日本の労働力不足が2023年比で倍増(384万人)
2035 原発の副産物でレドックスフロー電池を作る技術が実用化
2035 ロシアが千島列島のシュムシュ島(占守島)に軍事・愛国博物館を建設
2040 下関北九州道路(下北道路)の交通量が1日最大2万8200台に増える
2040 石油元売り大手が合成燃料を商業化(生産開始は2024年)
2040 DOC(Direct Ocean Capture)の国産技術が事業化する
2046 ロシアの総人口が1億3000万人に減少(2024年比で1割減)
2050 浸水するエリアの土地利用規制が日本の水災害被害額を2割減らす
2050 身寄りのない高齢者が約1.5倍(448万人)に増える
2050 子がいない高齢者が1032万人に倍増(2024年は459万人)
2050 配偶者も子もいない高齢者が834万人に増える(2024年は371万人)
2100 ドイツと日本の人口差が約260万人に縮まる(現状は約4000万人差)
【未来動向――基本編】
2025 政府による被爆者の海外派遣がはじまる
2025 国連が創設80周年を迎える
2025 国民年金保険料の納付猶予制度を見直す法案が国会に提出される
2025 ロシア国防費の対GDP比が6.3%に拡大(関連を含め総支出の約41%)
2025 自動車産業における日本とASEANの共同戦略(2025-35年)がまとまる
2025 ハワイでDOC(Direct Ocean Capture)の実験プラントが稼働
2026 欧州宇宙機関(ESA)の探査機が小惑星ディモルフォスに接近
2026 韓国が在韓米軍の駐留経費を1兆5192億ウォン負担(2025年比で8.3%増)
2026 イラクに駐留する有志連合軍がこの年9月までに大幅縮小
2028 新しい全銀システムが稼働(5月)
2029 小惑星アポフィスが地球から3万2000キロの距離に接近
2030 世界の再生可能エネルギー発電容量が2.3-2.7倍に増加
2030 世界の政府債務残高が145兆ドルに達する(2024年6月は92兆ドル)
2030 世界の再生可能エネルギー発電量が3倍に拡大
2030 石油元売り各社がSAFの供給をはじめる(義務化)
2030 国民年金保険料の納付猶予制度がこの年以降も継続(2030年の期限を延長)
2030 インド太平洋経済枠組み(IPEF)が蓄電分野に1200億ドル以上の資金を投じる
2035 アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)がこの年まで共通の行動計画に取り組む
2035* 国内の水素、アンモニアの取扱量が700万トン程度に拡大
2036 国スポがこの年3巡目に入る
2045 インドネシアが新首都ヌサンタラに38の省庁と国家機関を移転
2045 国際社会が新たなグローバルガバナンスを模索(2024-45年)
2050 世界の政府債務残高が440兆ドル以上に急増(2024年6月は92兆ドル)
2057* 公的年金の所得代替率が50.4%まで落ち込む(現状は61.2%)
2057* 基礎年金の所得代替率が25.5%まで落ち込む(現状は36.2%)
【未来動向――市場編】
2025 ロシア国防費の対GDP比が6.3%に拡大(関連を含め総支出の約41%)
2027 世界のウェルネス産業が1200兆円の規模に成長
2030 インド太平洋経済枠組み(IPEF)が蓄電分野に1200億ドル以上の資金を投じる
2030 UAEが世界のクリーン水素生産量の5%を占める(投資額は230億ドル)
2030 データセンター(DC)の消費電力が2018年度比で5倍に膨らむ
2030 ベトナムの半導体産業が年250億ドル以上の市場を形成
2030 車載電池の国内循環が約6000億円の市場に成長(関連市場を含む)
2030 低炭素の水素が世界で年間3800万トン生産される
2031 CCSの世界市場が165億ドルの規模に拡大(2023年比で約7倍)
2032 ペロブスカイト型太陽電池セルの世界市場が24億ドルの規模に急成長(2022年比で26倍)
2035* 国内の水素、アンモニアの取扱量が700万トン程度に拡大
2040 民間宇宙ステーションでの実験が世界で3500億円の市場に成長
2040 ウイスキーの世界市場がこの年まで年2-3%拡大を続ける
2050 車載電池の国内循環が約8兆円の市場に成長(関連市場を含む)
【未来動向――クルマ編】
2025 自動車産業における日本とASEANの共同戦略(2025-35年)がまとまる
2025 米テスラがカリフォルニアとテキサスでドライバー不要の運転支援システムを実用化
2025 パンタグラフ式のEVバスが川崎市を運行(全国初)
2026 米テスラがサイバーキャブの生産をはじめる(EV自動運転タクシー)
2026 欧州ステランティスが経営陣を刷新
2026 日産が英国で発売するEVに自宅に給電する機能を搭載
2026 ホンダがアルミの一体成型による新型EVを発売
2026 トヨタがEVの世界生産台数を100万台に抑える(従来計画は150万台)
2026 ベトナムのタイビン省で中国ブランドの自動車工場が稼働
2026 英ケータハムがヤマハ発動機の部品を搭載したスポーツEVを発売
2026 ホンダのEVブランド「Honda 0」がアイズオフ機能を搭載(レベル3相当)
2027 千葉県袖ケ浦市がデマンド型乗り合い送迎の実証運行を終える
2027 長安マツダが毎年1車種以上の新エネルギー車を投入(2025-27年)
2027 米国がコネクテッドカーに関する中国、ロシアのソフトウエアを禁止
2030 車載電池の国内循環が約6000億円の市場に成長(関連市場を含む)
2030 世界の新車販売に占めるEVの割合が約45%に拡大
2030 スバル(SUBARU)が年間60万台のEVを販売
2030 米国が中国、ロシア製のコネクテッドカーと部品の販売、輸入を禁止
2035 世界の新車販売に占めるEVの割合が55%を超える
2050 車載電池の国内循環が約8兆円の市場に成長(関連市場を含む)
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国連「未来サミット」成果文書「未来のための協定」
・国連、IPCC第6次評価報告書(AR6)の予測
・国際エネルギー機関(IEA)「世界エネルギー見通し」(2024年版)
・国際金融協会(IIF)の報告書「グローバル債務モニター」
・木星の衛星エウロパを目指す米航空宇宙局(NASA)の探査機打ち上げ
・小惑星「ディモルフォス」に向けたESAの探査機「Hera」(JAXAの観測機器を搭載)打ち上げ
・JAXA、ESAによる共同探査の検討(プラネタリー・ディフェンス)
・アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)首脳声明
・東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)、自動車産業の共同戦略(2025-35年)策定
・インド太平洋経済枠組み(IPEF)のクリーン協定発効
・外国直接投資(FDI)の誘致に取り組むベトナム政府の産業戦略
・中国科学院、宇宙科学の中長期計画ロードマップ
・ロシア政府の2025年予算案
・ロシア連邦統計庁の悲観シナリオ/ロシア政府、立法委員会のチャイルドフリー規制法案支持
・ロシア、サハリン州政府の観光開発計画( -2035年)
・韓国、尹錫悦(ユンソンニョル)政権の原発推進策
・シンガポール、チャンギ国際空港のデジタル化戦略
【国内】
・衆議院選挙2024の向けた自民党の選挙公約
・政府、成長戦略(2024年5月)
・海上自衛隊の最新型潜水艦の命名・進水式
・厚労省社会保障審議会年金部会(20日)の国民年金保険料の納付猶予制度見直し案
・水産庁、みなみまぐろ保存委員会年次会合の合意発表
【企業/大学全国区】
・米コンステレーション・エナジー(電力大手)のスリーマイル島原発1号機再稼働方針
・米の電気自動車(EV)大手テスラ「サイバーキャブ」試作車公開
・米キャプチュラ、ノルウェー石油大手エクイノール社の実験用プラント設置計画
・米コンステレーション・エナジー(電力大手)のスリーマイル島原発1号機再稼働方針
・米アクシオムスペースと伊プラダの月面用宇宙服共同開発
・米モデルナの湘南ヘルスイノベーションパークへの製造拠点設置
・英ケーターハムのスポーツEV開発「PROJECT V」
・日本原子力研究開発機構のレドックスフロー電池開発
・トヨタ自動車のEV世界生産計画
・TSBグリーンネックス(東京)など8社「グリーン・ハイドロジェン・バレー・プロジェクト」
・ラジオナノセラピューティクス(京都大発スタートアップ)のホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の薬剤開発
・TDK、東北大学の人工知能(AI)半導体開発
・日本法医学会/政府の死因究明等推進計画
・東北大学大学院風間聡教授の水災害による被害額シミュレーション
・佐賀大学コスメティックサイエンス学環構想
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・札幌市水素利活用方針改定検討委員会
・栃木県「園芸大国とちぎづくり推進方針」
・宇都宮市、シェアリングモビリティ事業実証実験
・足利市議会改革推進協議会の議員定数改革案
・袖ケ浦市のデマンド型乗り合い送迎サービス「チョイソコがうら」
・白子町と町教育委員会の基本計画案
・東京都の能登半島地震災害廃棄物受け入れ開始
・東京都葛飾区、立石駅北口地区市街地再開発組合
・川崎鶴見臨港バスなどのEVバス実証事業
・富山市、中央通りD北地区市街地再開発組合
・山梨県の空港整備構想
・岐阜、白川村と渡辺酒造店の酒蔵進出に関する地域活性化協定
・静岡市独自の人口推計
・三菱地所の地下鉄久屋大通駅前開発
・下関北九州道路の環境影響評価のためのアセス準備書
・JR四国による高松市中心部の「4S STAY」開設予定
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・二地域居住促進法の施行(11月)
・札幌市水素エネルギー基本方針素案(25年1月)
・佐賀県での国民スポーツ大会(国スポ)開幕(10/5)
【今月登場した未収録の未来】
・英国独自の外交(米追随からの転換)
・ロシアの核抑止力の国家政策指針(核ドクトリン)改定
・ロシアによるシュムシュ島(占守島)の軍事・愛国博物館整備
・米台の軍事通信システム「リンク16」刷新
・国民年金保険料の納付猶予制度見直し案(2025年国会提出)
・開発協力大綱、オファー型協力(2023年6月)
・農水省、持続可能なコーヒー生産プロジェクト
・INPEXの大規模ガス田開発「アバディ」(インドネシア)
・千葉ロッテマリーンズ2軍本拠地の移転先(千葉か茨城)
・京都銀行本店ビルの建て替え(検討中)
・人出不足倒産
・本州各地でのクマの大量出没
【今月決着した未来】
・インド太平洋経済枠組み(IPEF)クリーン経済協定発効(10/11)
・英国、最後の石炭火力発電所が運転を終了(9/30)
・ENEOS、合成燃料の生産開始(9/28)
・中国、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試験発射(9/25)
・インドネシア、環太平洋経済連携協定(TPP)加盟申請(9/25)
・シンガポール、チャンギ国際空港の生体認証導入
・芳賀・宇都宮LRT累計乗客数500万人超(開業2年目の9月)
・佐賀新聞AI紙面(8/1)
・山梨県、富士山の登山鉄道断念(11/19)
【今月の未来語】
・CCS市場(成長市場)
・DAC(Direct Air Capture)
・DOC(Direct Ocean Capture)
・PROJECT V(英ケーターハム)
・アイズオフ(ホンダ)
・アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)
・アリアン6(仏アリアンスペース)
・異種移植
・インド太平洋経済枠組み(IPEF)
・ウェルネス産業
・エウロパ(木星の衛星)
・解剖医の不足(日本法医学会)
・グローバルガバナンス(多国間協調)
・系統蓄電所
・交通空白地
・高度運転支援システム(米テスラ)
・国スポ廃止論
・国民年金保険料の納付猶予制度見直し(厚労省)
・コスメティックサイエンス学環構想(佐賀大)
・混合ワクチン
・災害廃棄物(能登半島地震)
・最低賃金1500円(公明、共産)
・サイバーキャブ(米テスラ)
・シェアリングモビリティ
・次期全銀システム(全銀ネット)
・静岡酵母(日本酒)
・次世代脱毛症治療
・下関北九州道路(下北道路)
・シュムシュ島(占守島)
・水素コーヒー(ラオス)
・水素発電(レゾナック)
・スリーマイル島原発1号機(再稼働)
・政府債務残高(IIF)
・立石駅北口(再開発)
・チャイルドフリー規制(ロシア)
・低レベル放射性廃棄物(TRU)
・富山市中央通り(再開発)
・博多コネクティッド(再開発)
・バーチャル寺院(大正大)
・パンタグラフ充電式EVバス(川崎市)
・久屋大通駅前(再開発)
・広島市中区基町(再開発)
・プラネタリー・ディフェンス(地球防衛)
・兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)交渉
・ペロブスカイト型太陽電池セル(成長市場)
・ボーイング777X(次世代大型旅客機)
・星が丘ボウル跡地(再開発)
・ミナミマグロ漁獲枠(みなみまぐろ保存委員会)
・身寄りのない高齢者(日本総研)
・未来のコンビニ(KDDI)
【用字用語】
1)DAC=Direct Air Capture(環境:直接空気回収技術)
2)三原脩=みはらおさむ(人名:野球選手)
3)国スポ=こくすぽ(行事:国民スポーツ大会の略語)
4)渡島=おしま(地名:北海道)
5)白子町=しらこまち(地名:千葉)
6)久屋大通= ひさやおおどおり(地名:名古屋)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2024年11月号」
Future Lab 未来人
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