月刊 未来人
FUTURE REPORT MAY 20 2024
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 224/63932
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2025 米パリセイズ原発が廃炉から復活(再稼働)
2026 熊本大が付属小中学校に国際クラスを設置(英語で授業)
2026 北海道の釧網線を豪華観光列車「赤い星」が運行(春)
2026 北海道の富良野線を豪華観光列車「青い星」が運行(春)
2026 再生した膝軟骨による膝関節症の治療がはじまる
2026 腸内細菌バンクのデータ数が1000人分に達する
2026 人工たんぱく質の繊維素材が山形で生産される(年2000トン)
2026 月に標準時間を導入する計画がまとまる(NASA)
2026 世界最大級のウェーブプールが三重県志摩市に開業
2026 広島大の理学部、工学部、情報科学部が入試に女子枠を導入
2026 京都大の理学部、工学部が入試に女子枠を導入(39人分)
2026* 東海道新幹線の個室が復活(約20年ぶり)
2026 指先の神経を再生する医療技術が実用化(世界初)
2027 再生した角膜を移植する治療がはじまる
2027* 大阪公立大が秋入学を導入
2027 深海に長期滞在できる研究施設が実用化(海洋版ISS)
2027 洋上のロケット基地が初の打ち上げに成功
2028 日本の神楽がユネスコの無形文化遺産に登録される
2028 大曲の花火が100回記念でにぎわう(秋田)
2029 千葉県芝山町の4集落(約130戸)が消滅(成田空港滑走路予定地)
2030 米ワイオミング州で高速炉「Natrium」が運転を開始
2030 地球軌道上の人工衛星の数が2万基を超える(現状は9000基)
2030 米ボーイングがeVTOL事業に参入(空飛ぶクルマ)
2030 山形大農学部が独自のラーメン用小麦を開発
2030 畑作業を全自動でおこなう農機具が実現(大豆、トウモロコシ用)
2032 光回路の半導体が電子機器の消費電力を1/100に抑える(光電融合)
2034 ヘリカル型の核融合発電が日本で実用化
2040 終身雇用・年功序列のサラリーマンが全滅(ジョブ型雇用の普及)
2040 東京、愛知、大阪で熱中症による救急搬送が1.8-2倍に増える
2040 管理されていないプラスチックごみが86%増加(2019年比)
2050 食用培養肉の生産装置が家庭に普及(卓上サイズ)
2050 気候変動が世界の人々の所得を19%目減りさせる(年間38兆ドル)
2050 一人暮らしの高齢世帯が増えて介護需要が増える
2050 失われた世代が高齢期に達する
2050 75歳以上人口が東京中央区で236.2%、群馬県南牧村で31.9%(2020年比)
2050 国内のリンゴ栽培適地の約3割が適地でなくなる
2050 国内のミカン栽培適地の5割が適地でなくなる
2050 世界のごみの量が1.7倍に膨らむ(2023年比)
2050 熱中症による救急搬送が東京で3.6倍に増える
2080 日本の夏が連日40度を超える暑さに見舞われる
2100 世界の204カ国(地域)の97%で合計特殊出生率が1.6にとどまる
2100 デングウイルスを媒介する蚊が九州―千葉に定着
2120 繁栄を続ける都市が東京と福岡だけになる
2120 都市の中心部からタワーマンションが消えはじめる(平坦化)
2120 都市の多くで人口のスポンジ化が進む
2120 日本が都市中心の社会であり続ける
2120 鉄道、道路から離れた地域がハイテクな1次産業で高収益をあげる
【未来動向――基本編】
2025 UHCナレッジハブ(仮称)が国内に整備される(途上国の人材育成)
2025 サステナビリティ情報の開示基準(SSBJ基準)がまとまる(3月末)
2025 政府が「自然共生サイト」を法制化(4月施行)
2026 日米比3カ国の海軍と自衛隊が海上訓練を実施(日本の周辺)
2026 能登半島地震で被災した石川県の輪島港が本復旧する
2026 日本が米国防総省の観測機器を載せた準天頂衛星2基を打ち上げる
2026 離婚後の父母に共同親権を認める法律が施行される
2026 EUが移民、難民の流入抑制と公平負担に関する新制度を適用
2026 中国が月面無人探査機「嫦娥7号」を打ち上げる
2028 米陸軍が地上発射型中距離ミサイルを運用するMDTFを5部隊配備
2028 中国が月面無人探査機「嫦娥8号」を打ち上げる
2028 国内で高温ガス炉(HTTR)による水素製造試験がはじまる
2030 米電子渡航認証(ESTA)制度を模した入国審査が日本ではじまる
2030 国内のネーチャーポジティブ経済が年47兆円の市場に成長
2030 介護人口が833万人に増え、企業に9兆1792億円の損失が生じる
2030 台湾がIT人材の確保に32万人の留学生を受け入れる(2021-30年)
2030 秒が再定義される(国際度量衡総会)
2030 生物多様性が回復軌道にのる(ネイチャーポジティブ)
2030 日本の世帯総数が5773万世帯でピークに達する
2030 全世帯に占める一人暮らし世帯の割合が41.6%に拡大
2032 米国の排ガス規制が中小型車のCO2排出量を半減(2027-32年)
2033 石川県が能登半島地震からの復興を達成(3月末)
2033 世帯の人数が2人を割り込む
2034 リニア中央新幹線の東京―名古屋開業がこの年以降になる
2035 国産の次世代旅客機が実現(官民で4兆円を投資)
2036 国内の一人暮らし世帯が2453万世帯でピークに達する
2040 経団連の産業戦略がデジタル技術で省力化と省人化を両立
2040 人口100万人あたりの博士号取得者数が約3倍に増える
2040 一人暮らし世帯が全世帯の43.5%を占める
2050 日本の世帯数が5260万世帯に減る(ピークは2030年)
2050 日本の世帯あたり平均人数1.92人(2020年は2.21人)
2050 一人暮らし世帯が2330万世帯になる(ピークは2036年の2453万世帯)
2050 一人暮らし世帯が全世帯の44.3%を占める
2050 全世帯の5軒に1軒が高齢者の一人暮らし世帯になる
2050 65歳以上の一人暮らし世帯が全世帯の21%を占める(初の20%超え)
2050 65歳以上の一人暮らし世帯が2020年比で47%増加(1083万人)
2050 65歳以上男性の26%が一人暮らし(未婚率の上昇が背景)
2050 65歳以上女性の29%が一人暮らし(2020年比で5.7増)
2050 就職氷河期世代がこのころ年金を受給
2050 夫婦と子どもがいる世帯が1130万世帯になる(2020年は1401万世帯)
2050 夫婦のみの世帯が995万世帯になる(2020年は1121万世帯)
2050 一人親と子どもの世帯が485万世帯になる(2020年は503万世帯)
2050 世帯主が高齢者の世帯が307万世帯増える(2404万世帯)
2050 世帯主が75歳以上の世帯が425万世帯増える(1491万世帯)
2050 世帯総数が310万世帯減、一人暮らし世帯215万世帯増
【未来動向――市場編】
2025 大阪・関西万博の経済波及効果が約2兆9000億円に膨らむ
2028 データセンターの世界市場4386億ドル(2023年比で33%増)
2028 小型の高温ガス炉(HTTR)で水素を製造する試験がはじまる
2029 航空宇宙・防衛の国内市場が年率5.28%成長(2024-29年)
2030 牛のげっぷを抑える飼料が3000億円市場に成長
2030 建材一体型太陽光パネルの世界市場951億ドル(2023年比で約4倍)
2030 341万-28万人の働き手が不足する(国内)
2030 日本の世帯総数が5773万世帯でピークに達する
2033 日本の世帯あたり平均人数が2人を割り込む(1.99人)
2035 国内の航空機産業が6兆円の市場に成長(現状比で4倍超)
2040 1100万-493万人の働き手が不足する(国内)
2050 世界の電力需要が1.5倍に増える
2050 日本の世帯総数が5261万世帯になる(ピークは2030年の5773万世帯)
2050 日本の世帯あたり平均人数1.92人(2020年は2.21人)
2050 一人暮らし世帯が全世帯の44%を占める(2020年は38%)
2050 65歳以上の一人暮らし世帯が2020年比で47%増加(1083万人)
2050 65歳以上の一人暮らし世帯が全世帯の21%を占める(初の20%超え)
2050 水素とアンモニアが発電量の約1%を占める
【未来動向――クルマ編】
2025 ホンダが新型のフレックス燃料HVをブラジルに投入
2026 広州汽車集団が全固体電池を量産(EVの航続距離1000キロ超)
2026 中型、準中型車にAT車限定免許が導入される(中型2種を含む)
2026 新型のバスやトラックがイベント・データ・レコーダー(EDR)を搭載
2026 トヨタが愛知県田原市で次世代EVを生産(航続距離1000キロ)
2027 大型車にAT車限定免許が導入される(大型2種を含む)
2027 日産が電動車16車種をこの年までに市場投入(3月期末)
2027 日産の全モデルでEV20%、電動車全体は40%(3月期末)
2027 三菱自の人気SUV「パジェロ」が復活(2021年以来)
2027 米フォードが新型EVの発売をこの年に変更(2025年を2年延期)
2028 米陸軍が地上発射型中距離ミサイルを運用するMDTFを5部隊配備
2028 鉄の車体を一体成型する技術が普及(車体コスト2割減)
2029 バスやトラックの新車がイベント・データ・レコーダー(EDR)を搭載
2030 日産がEVの製造コストをガソリン車なみに抑える
2030 EVへのワイヤレス給電が普及期を迎える(2030年以降)
2030 米フォードが北米の全車種にHVを導入
2030 ホンダが42億レアルをブラジルに投資(2024-30年)
2030 トヨタが日欧向け自動車の再生材割合を30%以上に高める
2030 国産の車載用先端半導体が車に搭載される
2031 日産が全モデルに占める電動車の割合を60%に高める(3月期末)
2032 米国の排ガス規制が中小型車のCO2排出量を半減(2027-32年)
2032 米国の新車販売の35-56%がEVになる(従来予測は67%)
2032 米国の新車販売の3-13%がHVになる(2027-32年新排ガス規制)
2032 米国の新車販売の13-36%がPHVになる(2027-32年新排ガス規制)
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・米バイデン政権の新自動車排ガス規制方針
・米国「CHIPS及び科学法」(2022年)
・米陸軍ジョージ参謀総長の連邦上院軍事委員会公聴会発言
・欧州議会、移民難民の流入抑制と公平負担に関する新制度案可決
・中国国家宇宙局、月面探査中継通信衛星「鵲橋2号」打ち上げ成功
・マレーシア政府とウエストポーツHDのクラン港運営に関するコンセッション契約
【国内】
・国立社会保障・人口問題研究所(社人研)世帯数の将来推計
・岸田首相訪米時のファクトシート要旨
・衆議院厚生労働委員会の雇用保険法改正案
・政府、地域生物多様性増進活動促進法案閣議決定
・経済産業省、国土交通省の洋上風力発電「促進区域」選定
・文部科学省「博士人材活躍プラン」
・環境省、農林水産省、経済産業省、国土交通省「ネーチャーポジティブ(自然再興)経済」移行戦略
・サステナビリティ基準委員会(SSBJ)、日本企業の気候関連開示基準草案
【企業/大学全国区】
・英海洋研究開発企業DEEP社「センチネル」開発計画
・経済団体連合会「産業戦略2040」策定提言
・NTTの光電融合装置開発「IOWN構想」
・日産自動車、中期経営計画(2024-27年)
・ヘリカルフュージョン(スタートアップ企業)、
自然科学研究機構核融合科学研究所(核融合研)の共同研究
・JR東海、リニア中央新幹線山梨県駅完成見通し
・富士山における適正利用推進協議会のオーバーツーリズム対策パッケージ(2024-29年)
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・札幌市「生物多様性さっぽろビジョン」改定
・秋田県大仙市「花火産業構想」
・白河市「小峰城一石城主」プロジェクト(福島)
・つくば市、スーパーサイエンスシティ構想(茨城)
・千葉「県感染症予防計画」(2024-30年)
・東京都、臨海地下鉄計画
・寒川町、茅ヶ崎市「カーボンニュートラルな未来へのまちづくり連携協定」(神奈川)
・石川県復旧・復興本部会議第2回会合「創造的復興プラン」(仮称)骨子案
・大分市、末広町一丁目地区市街地再開発
・宮崎県未来につなげる少子化対策調査事業研究会の提言
・那覇市「救急搬送支援システム」実証実験(沖縄)
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・ロシア、フレンドシップ・ゲームズ夏季大会開催(9月)
・中国国家宇宙局、月面無人探査機「嫦娥6号」打ち上げ(2024年前半)
・経済産業省、エネルギー基本計画見直し(2024年度内)
・ソフトバンクの大規模言語モデル(LLM)完成(生成AIの基盤技術)
・日本郵船、アンモニア燃料の小型タグボート導入(年内)
【今月登場した未収録の未来】
・G7、石炭火力2035年廃止
・日米比3カ国の経済安全保障「ルソン回廊」構想
・航空自衛隊、練習機「T4」後継機の日米共同開発
・自治体4割、20-39歳女性半減
・2040年、日本は新興国なみ(経産省)
・認知症、2040年に584万人
・国スポ廃止論
・国内気候避難民(京都大学関山健准教授)
・地銀の政策株削減
・北海道新幹線、札幌延伸2030年度完成困難
・大阪公立大学の英語の公用語化
・JR東海、水素エンジン開発
・横浜銀行「はまぎんソーシャル定期預金」取扱開始(4/5)
・仙台市地下鉄南北線泉中央駅―富谷市明石台地区間の基幹公共交通
・低所得国の食料不安
・エゴノミーからの行動の変化(ジャック・アタリ氏)
・ソーシャル預金
・インナーケア市場
・転換点(ティッピングポイント)
【今月決着した未来】
・ロシア、プーチン大統領通算5選(3/17)
・国際月探査「アルテミス計画」に関する日米首脳の共同声明
・中国国家宇宙局、月面探査中継通信衛星「鵲橋2号」打ち上げ成功(3/20)
・中国軍、情報支援部隊を新設(4/19)
・岸田内閣、不支持67%(3/19)
・日銀、マイナス金利解除他、異次元緩和を転換(3/20)
・ENEOS、東京晴海水素ステーション開所式(3/27)
・円安、151円97銭34年ぶり(3/27)
・高温工学試験研究炉(HTTR)安全確認成功(3/28)
・PCB無害化処理の「中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)」北九州終了(3/31)
・子ども・子育て支援金制度2026年創設
・住宅の省エネ性能表示制度(4/1)
・米国の急速な金利上昇と自動車販売のEV低迷
・飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群の世界遺産推薦書素案(4/15)
・ホンダ、中国向けEV「イエ」3車種発表(4/16)
・ジャパンバレーボールリーグ開幕10月
・政府、AI戦略会議のガイドライン決定(4/19)
・政府、次期戦闘機の第三国輸出解禁の閣議決定(4/20)
【今月の未来語】
・EDR(イベント・データ・レコーダー)
・ESTA(電子渡航認証)
・eVTOL(電動垂直離着陸機)
・HTTR(原子力機構)
・Natrium(高速炉)
・SSBJ基準(金融庁)
・Universal Health Coverage(UHC)
・青い星(JR北の豪華列車)
・赤い星(JR北の豪華列車)
・秋入学(大阪公立大)
・医師偏在(厚労省)
・インナーケア事業(成長市場)
・ウェーブプール(三重)
・大分駅北口(再開発)
・共同親権(改正民法)
・建材一体型太陽光パネル(成長市場)
・高温ガス炉(HTTR)
・光電融合装置(NTT)
・高齢単身世帯1/5(社人研)
・国際クラス(熊本大)
・国産旅客機開発(経産省)
・雇用保険法改正(厚労省)
・サステナビリティ情報開示
・自然共生サイト(環境省)
・宿泊税(熊本市)
・省力化、省人化(経団連)
・食用培養肉
・女子枠(広島大、京都大)
・ジョブ型雇用
・センチネル(英海洋版ISS)
・大規模言語モデル(LLM)
・腸内細菌バンク(山形)
・月の標準時間(NASA)
・データ連携推進監(つくば市)
・デジタル教材
・日本版CDC(感染症対策)
・ネーチャーポジティブ(自然再興)経済
・ネッタイシマカ(デングウイルスを媒介)
・博士人材活躍プラン(文科省)
・パリセイズ原発再稼働(米国)
・光格子時計
・一人暮らしの高齢男性(急増)
・ヘリカル型核融合(核融合研)
・マルチドメイン・タスクフォース(MDTF)
・未婚で一人暮らしの高齢世帯
・山梨県駅(リニア中央)
・洋上ロケット基地
・横浜市北仲地区(再開発)
・臨海地下鉄(東京)
・ワイヤレス給電の普及
【用字用語】
1)光格子=ひかりこうし(術語:物理学)
2)嫦娥=じょうが(宇宙:中国の無人月探査機)
3)SSBJ: Sustainability Standards Board of Japan(企業:日本のサステナビリティ基準)
4)留寿都村=るすつむら(地名:北海道)
5)大仙市=だいせんし(地名:秋田)
6)八峰町=はっぽうちょう(地名:秋田)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2024年5月号」
Future Lab 未来人
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