月刊 未来人
FUTURE REPORT JUN 20 2023
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 172/61741
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2025 偏在する地域資源を流通させる実験の結果がまとまる(脱輸入依存)
2025 男子プロテニスのライン際を電子機器が自動判定
2025 英国がデジタル市場・競争・消費者法案を施行(2024-25年)
2025 広島県三原市が著名な建築家が設計した別荘兼ホテルを誘致
2025 リトアニア国立博物館がアイヌ民族に関する展示を開催
2025 NASAのアルテミス計画がスペースXの月着陸船を導入
2026 欧州がデジタルユーロを発行(2026-27年)
2026 米ニューヨーク州が新築建物での化石燃料の使用を禁止(7階未満)
2026 eスポーツがアジア大会の実施競技になる(名古屋で開催)
2026 改正著作権法が施行される(二次利用の円滑化)
2026 家電大手が中国のZ世代向け家電で売上5割増(2023年比)
2026 神奈川の信金が支店の一部を「サ高住」にする(地域貢献)
2027 紀伊国屋書店が100周年でにぎわう
2028 博多駅の線路上空に12階建てのビルが完成(空中都市計画)
2029 NASAのアルテミス計画がブルーオリジンの月着陸船を導入
2030 日本の光電融合技術が実用化する
2030 経団連が分厚い中間層を再生
2030 大阪の統合型リゾート(IR)開業がこの年にずれ込む
2030 治療が難しいがんの再発を防ぐ新たながんワクチンが登場
2030 コンビニ大手が店舗の地産地消比率を30%に高める(現状は約6%)
2030 ボトルで販売される水の市場規模が2倍を超え、ごみ問題が深刻化
2030 北九州市から高炉の火が消える(大型電炉を検討)
2032 東京港区が子育て送迎ルートを整備(23区内初)
2033 米原発メーカーが小型原発の初号機を稼働(AP300)
2036 独ベルリンが夏季五輪を開催(1936年ベルリン五輪の100年後)
2038 国内にある家屋の3軒に1軒が空き家になる(2303万戸)
2040 パーキンソン病の患者が倍増(世界)
2040 国内労働市場が1100万人の供給不足に陥る
2040 世界の金鉱脈が掘り尽くされる(2039-40年)
2045 日本経済が約3割の人手不足に順応
2047* ヘルパーの不足で大量の介護難民が生じる
2050 数理生物学が病気の発症を超早期に予防する
2050 気候変動の洪水からロンドンを守る対策が完了(従来計画は2065年)
2056 日本の人口が1966年の規模になる(生産年齢人口は16ポイント縮小)
2060 日本のGDPが5位に後退(インド、ドイツに抜かれる)
2075 GDP上位10カ国のうち7カ国がグローバルサウスになる
2160 継承されない墓が全国で156万基以上生じる
【未来動向――基本編】
2024 岸田政権が改憲案4項目の成立を目指す(9月末まで)
2024 バイデン米大統領が再選を目指す
2024 政府が年金制度見通し(財政検証)を発表する
2025 EUがAI規制法を施行(生成AIのリスクを想定)
2025 欧州の新排ガス規制「ユーロ7」がスタート
2027 地球の年平均気温が最低1回1.5度を超える(確率66%、2023-27年)
2028 日米が東京に先端技術の共同研究拠点を新設
2030 毎年70万人を超える人口が日本から消える(2030年代)
2030 G7が太陽光発電導入量を3倍強に増やす(10億キロワット以上)
2030 G7が洋上風力発電を1.5億キロワット増やす(2021年比で約8倍)
2030 東証プライム上場企業の女性役員比率30%以上(2022年は11.4%)
2030 対日直接投資額100兆円(従来目標は80兆円)
2030 総発電量の19%を石炭火力発電が占める(2021年度は31%)
2030 石炭火力発電がアンモニアの50%混焼を実施(海外は批判)
2038 出生数が70万人を割り込む
2040 高齢者1人を支える現役世代1.6人(1970年は9.8人)
2040 石炭火力発電がアンモニアの専焼を商用化
2043 高齢者数がピークを迎える
2045 生産年齢人口が5832万人に減る(2020年比で約22%減)
2045 人口が増える市区町村が94にとどまる(全体の5.6%)
2047* 公的年金の給付水準が2割目減りする(2019年度比)
2050 中国の65歳以上人口が倍増(全体の3割)
2056 総人口が1億人を割り込む(外国人の入国超過が背景)
2060 1年で90万人を超える人口が日本から消える(2060年代)
2070 出生数が45万人に半減
2070 総人口8700万人。その1割を外国人が占める
2070 合計特殊出生率が1.36になる(従来推計は2065年で1.44)
2070 高齢化率が38.7%に達する(2020年は28.6%)
2070 出生数が45万人に減る
2070 高齢者1人を支える現役世代1.3人(1970年は9.8人)
2100 中国の人口が10億人を割り込む
2120 総人口4973万人。5000万人を割り込む
【未来動向――市場編】
2026 家電大手が中国のZ世代向け家電で売上5割増(2023年比)
2026 航空機大手が航空機の整備台数を年120台に増やす(従来は60台)
2027 プログラム医療機器(SaMD)の世界市場865億ドル
2027 生成AIの世界市場約16兆円
2030 経団連が分厚い中間層を再生
2030 ボトルで販売される水の市場規模が2倍を超え、ごみ問題が深刻化
2030 日本経済が人口減少によるマイナス成長を続ける(2030年代以降)
2030 ゼロエミッション車の割合が小型車50%、中大型車30%に拡大(世界)
2030 民間カーボンクレジットの世界市場1800億ドル(2020年比で600倍)
2030 自律型兵器の世界市場301億ドル(2010年比で2.6倍)
2040 世界の銅の消費量が3524万トンに増える(2022年比で4割増)
【未来動向――クルマ編】
2025 ホンダが中大型のEVを米国市場に投入
2026 スバルがEV3車種を北米市場などに追加投入。EVの販売20万台
2026 車載電池大手が生産能力を年間400ギガワット時に高める(約20倍)
2026 ホンダがEVを4車種発売(国内)
2026 トヨタがEV関連に2.5兆円を投資(2023-26年)
2026 自動車産業の半導体不足が深刻化(現状を放置した場合)
2027 ホンダが10車種のEVを中国市場に投入(2023-27年)
2027 ホンダがリチウムイオン電池工場を本格稼働(EV数十万台分)
2030 韓国の起亜がパーパス・ビルト・ビークル(PBV)を100万台生産
2030 トヨタがEV関連に5兆円を投資(2023-30年)
2030 世界の自動車メーカーがEVや車載電池に約1兆2000億ドルを投じる
2030 スバルがEVの国内生産能力を年30万台に拡大(全体の2割強)
2030 TURINGが完全自動運転車を発売(2023年1月にレベル2を発売)
2030 世界の商用車販売の23%以上を電動車が占める(2021年は1.2%)
2030 商用EVの販売台数が661万台を上まわる(2020年比で25倍。世界)
2031 豪ニューサウスウェールズ州で新車販売の半数がEVになる
2032 米国で発売される新車の2/3がEVになる(排ガス規制強化の場合)
2035 トヨタが新車1台あたりのCO2排出量を50%以上削減
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・バイデン米大統領の大統領選出馬正式発表
・米ウエスチングハウス(WH)「AP300」開発発表
・英国のデジタル市場・競争・消費者法案発表
・欧州半導体法(成立見込み)
【国内】
・国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の将来推計人口(2023年4月26日)
・政府、男女共同参画会議の岸田首相の「女性版骨太の方針2023」(6月)に向けた表明
・政府、経済財政諮問会議の少子化対策効果試算
・海外の人材、資金を呼び込む政府の行動計画
【企業/大学全国区】
・培養肉未来創造コンソーシアム設立(2023年3月)
・NHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」発表
・JR九州「博多駅空中都市プロジェクト」
・リクルートワークス研究所「未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる」(3月末)
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・石川県産業振興指針検討委員会の新指針素案
・鳥取市の鳥取城跡復元工事
・島根県浜田市「オーガニックビレッジ宣言」
・香川県「せとうち企業誘致100プラン」
・福岡県、循環のまちづくり研究所中村修代表の筑後七国構想
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・EU炭素国境調整措置(国境炭素税)移行期間(10月)
・中国の25-64歳人口が減り始める(数年以内)
・eスポーツが杭州アジア大会の正式競技入り(9-10月)
・社人研、日本の将来推計人口都道府県及び市区町村別(年内)
・柏崎刈羽原発7号機2023年10月、6号機2025年4月の再稼働、延期?
・ネット霊園(アルファクラブ武蔵野)
【今月登場した未収録の未来】
・初AI兵器規制会議「REAIM」(国際会議)
・AI権利章典草案(米国)
・GPT-4(オープンAI)
・Google「バード」(生成AI)
・テスタ「トゥルースGPT」(生成AI)
・防衛装備移転3原則の運用指針見直し
・柏崎刈羽原発7号機2023年10月、6号機2025年4月の再稼働
・宇宙人材、宇宙医学人材の育成
・トヨタ、全固体電池2027年実用化
・ホンダ、2026年F1復帰
・量子テレポーテーション
【今月決着した未来】
・EU炭素国境調整措置(国境炭素税)承認(4/25)
・インドの人口14億2577万人で世界最多(4月末)
・新型コロナ制限終了5類移行
・改正著作権法成立(5/18)
・佐賀オスプレイ駐屯地着工
・京都競馬場グランドオープン
【今月の未来語】
・AI規制法案(EU)
・オーガニックビレッジ(農水省)
・改憲案4項目(岸田政権)
・介護難民
・改葬
・看護地域枠制度(滋賀)
・完全自動化
・九州大学箱崎キャンパス跡地(再開発)
・グローバル・スタートアップ・キャンパス(日米首脳会談)
・光電融合
・小型原発AP300(米ウェスチングハウス)
・小型モジュール炉(SMR)
・国際人口移動
・子育て送迎ルート(港区)
・出生数半減(社人研)
・女性版骨太の方針2023(岸田政権)
・彗星探査「コメット・インターセプター」計画(JAXA)
・数理生物学(病気の超早期予測)
・菅原道真没後1125年
・スマートテンプル(築地本願寺)
・生成AI市場(成長市場)
・全領域統合指揮統制(JADC2)構想(米軍)
・対日直接投資100兆円(政府)
・地域資源(農水省)
・筑後七国構想(福岡の5市2町連携)
・月着陸船「スターシップ」(米スペースX)
・月着陸船「ブルームーン」(米ブルーオリジン)
・デジタル市場・競争・消費者法案(英)
・デジタル墓
・デジタルユーロ(ECB)
・東武鉄道太田駅南口(再開発)
・鳥取城跡復元(鳥取市)
・ニッチトップ企業(石川)
・ネット霊園
・年金の目減り
・パーパス・ビルト・ビークル(PBV)
・博多駅空中都市プロジェクト(再開発)
・ひとり親の養育費受領率40%(男女共同参画)
・分厚い中間層(経団連)
・プログラム医療機器(SaMD)
・ベルリン五輪(独)
・未継承墓
・民間カーボンクレジット市場(成長市場)
・無人化
・労働供給制約社会(リクルートワークス)
【用字用語】
1)蔦屋重三郎=つたやじゅうざぶろう(人名:江戸時代の版元)
2)紀伊国屋=きのくにや(会社名:書店大手)
3)中ノ御門渡櫓門=なかのごもんわたりやぐらもん(史跡:鳥取城)
4)安曇野=あずみの(地名:長野)
5)大和村=やまとそん(地名:鹿児島)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2023年6月号」
Future Lab 未来人
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