月刊 未来人
FUTURE REPORT MAR 20 2023
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 212/61260
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2024 銀行大手が新卒の初任給を約5万円アップする
2025 広島大が自然界に存在しない超物質の研究拠点を開設
2025 衛星と直接通信するスマートフォンが登場(2025-26年)
2025 東京都稲城市に東京ジャイアンツタウンが完成
2025 富山で原酒を独自に熟成するボトラーズが販売を開始(国内初)
2025 原爆の子の像のモデル佐々木禎子の折り鶴が「世界の記憶」になる
2025 日本の基礎的財政収支が3兆円前後の赤字になる
2025* 中部国際空港の航空旅客数が2019年度の水準を回復
2025 福岡市のオフィスの空室率がこのころまで上昇(天神ビッグバン)
2025* 昆虫食の世界市場が1000億円の規模に拡大(2019年度は約70億円)
2026 福岡の大豆が新品種「ふくよかまる」に転換
2026* 石川県の能登地域でトキの放鳥が実現
2027 米国が宇宙空間で原子力推進システムを実験
2027 インドのGDPが日本を上まわる
2027 中国が核弾頭の数を550発に増やす(中国軍創設100年)
2027 プログラム医療機器(SaMD)の世界市場が865億ドルの規模に拡大
2027* 長野県が移住者数を4500人に増やす(2023-27年度)
2028 中国の合計特殊出生率が0.8に低下(世界最低水準)
2028 九州プロレス創立20周年(世界初のNPOプロレス団体)
2028* JR武蔵浦和駅西側に児童生徒数約3700人の小中一貫校ができる
2028 北海道のメーカーが3Dプリンターを搭載したドローンを開発
2028 沖縄の国公立大学に初の薬学部が設置される
2029 海に沈むと分解する素材技術が確立(マイクロプラスチック汚染対策)
2030 EV向け全固体電池の実用化がこの年以降になる
2030 米ニューヨーク州が化石燃料を使用する住宅向け暖房器具の販売を禁止
2030 スウェーデンがこの年の冬季五輪を招致
2030 石油元売り大手が北海道の苫小牧で合成燃料の供給モデルを確立
2033 札幌丘珠空港の滑走路がジェット機の通年対応(300メートル延伸)
2035 中国が核弾頭の数を900発に増やす(現状は約300発)
2036 GDP比率による政府債務のコントロールが破綻(経済破綻)
2040 二地点間高速輸送のための無人飛行体が実用化(国内)
2040 大阪府のGRPが日本のGDPの約10%を占める
2045 札幌市中央区の人口が10.1%増加(2015年比)
2047 インドが高所得国の仲間入りをする(独立100年)
2050 アフリカのカトリック信者が約3億5000万人に増える(現状は2億人)
2050 つくばエクスプレス(TX)が茨城県内で延伸(土浦が有力)
2060 米国で22万人が2型糖尿病になる(現状比で7倍)
【未来動向―基盤】
2024 後期高齢者医療制度の資金が出産育児一時金の財源になる(4月)
2024 特許非公開などの経済安全保障推進法関連規定が施行される(5月)
2025 気候変更に関する企業の情報開示がはじまる(ESGの一環)
2025* 幼稚園と小中の教員免許が4年制大で最短2年で取得可能になる
2025 政府が農林水産品の輸出2兆円を達成
2025 政府が全都道府県で自動運転の社会実験を実施
2025 東京多摩地域の人口が435万人でピークに達する(23区は2035年)
2025* 企業の水資源への取り組みを定量評価して認証する制度がはじまる
2025 アルテミス計画が初の女性と白人以外の飛行士を月面に送る
2025 インターネット通販の本人認証が強化される(カードの不正利用対策)
2025 政府が国内40カ所で公道無人自動運転をサービス化
2026* プライマリーバランスが黒字化(名目成長率3%の場合)
2026* 政府と企業700社のGXリーグが活動を本格化
2026 インドネシアが南シナ海の排他的経済水域(EEZ)を開発
2026 長野県が健康寿命全国1位を達成(2020年は男性2位、女性1位)
2027* 政府が毎年約4兆円の防衛費を捻出(1兆円強は増税)
2027* 政府が累計43兆円の防衛予算を積み上げる
2027 政府がスタートアップへの投資額を10倍に拡大(2023-27年度)
2027 政府がNISAの総合座数を倍増させる(2023-27年度)
2027* 対空、対潜能力に優れたスーパーイージス艦1隻が就役
2027 東京渋谷の東急百貨店本店が地上36階の複合ビルに生まれ変わる
2027 NASAが土星の衛星タイタンに向けて探査機を打ち上げる
2028* 政府のカーボンプライシングがCO2排出量に応じた賦課金を徴収
2028* スーパーイージス艦の2隻目が就役
2030 EUが大型車の新車のCO2排出量を45%削減(2019年比)
2030 東京の人口が1424万人でピークに達する
2030 国立・国定公園14カ所が新規に指定または拡張される(生物多様性国家戦略)
2030 EUが都市部のバスでCO2を排出する新車を禁止(乗用車は2035年)
2030 日独韓の企業が米国で年最大1000万トンの燃料アンモニアを生産
2030 国内のCO2回収貯留(CCS)が年600万-1200万トンの貯留量を確保
2032 カーボンプライシングが官民で150兆円超の投資をもたらす
2032 政府が市立大と公立大の約250学部を理工農系に転換(新設)
2033* 政府のカーボンプライシングが有償の排出量取引を導入
2035 東京23区の人口が999万人でピークに達する(多摩地域は2025年)
2035 東京の人口が1417万人に減少(ピークは2030年の1424万人)
2035 EUがガソリン車の新車販売を事実上禁止
2035 中国の核弾頭数が約1500発に達する(現状は400発超)
2035 中国で年金制度を支える積立金が枯渇
2040 東京の人口が1398万人に減少(ピークは2030年の1424万人)
2040 EUが大型車の新車のCO2排出量を90%削減(2019年比)
2050 シンガポールの国家水素戦略が発電の1/2を水素燃料でまかなう
2050 全国の送電網整備にこの年まで6兆-7兆円の投資が必要になる
2060 東京の人口が1200万人台に減少(ピークは2030年の1424万人)
2075 インドの労働人口がこのころまで増え続ける
【未来動向―市場】
2024* インドが防衛産業の輸出額を50億ドルに伸ばす(2021年度の3倍超)
2025 政府が農林水産品の輸出2兆円を達成
2025* 中部国際空港の航空旅客数が2019年度の水準を回復
2025* 昆虫食の世界市場が1000億円の規模に拡大(2019年度は約70億円)
2025 ウエルネスツーリズム市場が1.3兆ドルの規模に成長(2022年比で6割増)
2025 リチウムイオン電池の世界市場が12兆3315億円の規模に拡大(20年比で84%増)
2025 小型通信衛星の数が2022年比で倍増する
2026 航空大手が座席供給数をコロナ禍前の水準にもどす
2026 富山県が宿泊客の消費単価を1人あたり3万100円に高める
2027 政府がスタートアップへの投資額を10倍に拡大(2023-27年度)
2027 政府がNISAの総合座数を倍増させる(2023-27年度)
2027 プログラム医療機器(SaMD)の世界市場が865億ドルの規模に拡大
2027 ファミレス大手が海外店舗数を2倍以上(170店舗前後)に増やす
2027 世界の自動車市場が2兆1800億ドルの規模に拡大(30%超がEV)
2030 日独韓の企業が米国で年最大1000万トンの燃料アンモニアを生産
2030 中国の半導体自給率が3割にとどまる(米の規制前は50%を予測)
2030 日本の重工大手が欧州の水素タービン市場で2割のシェアを獲得
2030 LNG燃料船が世界で2000隻以上運航される(CO2の排出を25%抑制)
2030 飲料大手が日本ワインの販売数量を約70%増やす(2022年比)
2032 カーボンプライシングが官民で150兆円超の投資をもたらす
2032 熊本の半導体関連産業が1兆9315億円を生産(2019年比で2.3倍)
2032 北海道の漁獲量が150万トンに拡大(2022年比で30%増)
2033 インドの高所得層が1億世帯増える(世界の民間消費の10%)
2035 小型通信衛星の数が14倍に増える(2022年比)
2035 定置型蓄電池の世界市場が5.4兆円の規模に拡大(2021年比で3.8倍)
2035 北米の定置型蓄電池市場が1.7兆円の規模に拡大(2021年比で4.1倍)
2050 ベトナムの電力需要が約5倍に急拡大する(現状比)
2050 水素タービンの世界市場が約23兆円の規模に拡大
2050 世界の水素・派生品需要が6.6億トンに拡大(アジアが全体の4割)
2075 インドの労働人口がこのころまで増え続ける
【未来動向―自動車】
2024 岡山でコバルトフリーのLFPリチウムイオン電池工場が稼働
2025 リチウムイオン電池の世界市場が12兆3315億円の規模に拡大(20年比で84%増)
2025 政府が全都道府県で自動運転の社会実験を実施
2025 政府が国内の40カ所で公道無人自動運転をサービス化
2025 ロシアの自動車大手アフトバスが年間5万-7万台を生産(2025-27年)
2025 EV用電池の36%をLFPリチウムイオン電池が占める
2025 ホンダ、日産、トヨタのEVが全固体電池を搭載(2020年代後半)
2025 中国のEV大手BYDが日本に100店超の販売店網を整備
2026 米フォードモーターがミシガン州で車載電池を生産(約40万台分)
2026 トヨタがEVに最適化したクルマ作りを強化
2026 米フォードモーターがF1自動車レースに復帰(2004年以来)
2026 米サウスカロライナ州の市街地と空港間で空飛ぶクルマが運航
2027 トヨタがEV専用の車台を使った新型車を市場投入(2027-28年)
2027 インドネシアがEV向け車載電池の世界3大生産国のひとつになる
2028 中国のEV大手BYDがタイ市場で5位以内のシェアを獲得
2030 EUが大型車の新車のCO2排出量を45%削減(2019年比)
2030 EUが都市部のバスでCO2を排出する新車を禁止(乗用車は2035年)
2030 EV向け全固体電池の実用化がこの年以降になる
2030 EV用水系リチウムイオン電池が実用化(低コスト)
2030 日本全国にEVバスが1万台普及
2030 タイのEV割合が15%前後にとどまる(政府目標は30%)
2035 EUがガソリン車の新車販売を事実上禁止
2040 EUが大型車の新車のCO2排出量を90%削減(2019年比)
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)開示基準案(2022年3月)適用決定
・欧州議会の内燃機関車の新車販売禁止法案採択
・欧州委員会の大型車の二酸化炭素(CO2)排出規制案公表
・シンガポール「国家水素戦略」(2022年10月)
・インドネシア、ベトナムの南シナ海EEZ画定交渉終了(2022年12月)
【国内】
・岸田首相の施政方針演説
・経済財政に関する内閣府の中長期試算
・経済安全保障推進法に基づく、政府の「特許非公開」基本指針原案
・岸田政権「GX実現に向けた基本方針」閣議決定
・電力広域的運営推進機関の送電網長期計画案
・政府の健康保険法改正案
・私立学校法改正案の閣議決定
・経済産業省のCCS事業化工程表案
・環境省「生物多様性国家戦略」最終案
【企業/大学全国区】
・東京電力による家庭向け電気料金算定の前提(23日申請分)
・中部国際空港会社の2023-25年度経営計画
・読売巨人軍、よみうりランドの「TOKYO GIANTS TOWN」(東京ジャイアンツタウン)構想
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・北海道「北海道水産業・漁村振興推進計画(第5期)」計画案
・栃木県「とちぎグリーン農業推進方針」案
・東京都の人口推計
・小池百合子知事の都議会第1回定例会施政方針演説
・川崎市「地球温暖化対策推進条例」改正
・石川県のトキ放鳥工程表案
・福井県「ふくい経済ビジョン」案(2023-27年度)
・長野県の次期総合5カ年計画「しあわせ信州創造プラン3.0」計画案
・CNPを目指す四日市港の協議会による「四日市港CNP形成計画案」
・京都府「向日町競輪事業の今後のあり方に関する基本的な考え方」
・大阪府と大阪市のMICE誘致戦略案
・副首都推進本部「副首都ビジョン」(2017年)改定案
・奈良県と26市町村の県域水道一体化計画
・愛媛県の人口減少対策
・くまもと半導体産業推進ビジョン有識者懇話会「くまもと半導体産業推進ビジョン」素案
・公益財団法人岡田文化財団「さくらプロジェクト」
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・IPCC 1-3部会の統合報告書(3月)
・核融合発電の国家戦略完成(3月)
・地域医療構想の改定議論スタート
・理系学部の私学助成引き上げ(4月)
・CCS事業法案国会提出
・2025年以降のNATO国防費(7月のNATO首脳会議)
・サーフィン全日本選手権(9月新設)
・全医療システムのマイナンバー対応(秋)
・米国、長射程極超音速兵器(LRHW)「ダークイーグル」実戦配備
・米国、精密誘導型巡航ミサイル「トマホーク」
・米国、地上発射型対空ミサイル「SM6」配備
【今月登場した未収録の未来】
・ソサエティー5.0(AIの普及した社会)
・国債費の増加
・排他的経済水域(EEZ)での洋上風力発電
【今月決着した未来】
・マスク緩和(3/13)
・日中平和友好条約45周年
・ASEAN友好協力50周年
・NATO国防費GDP2%の2022年達成は9カ国(加盟国の3割)
・出産育児一時金42万円→50万円(4月)
・中国半導体大手YMTC、CXMTの新工場建設遅延(2022→24-25年)
・東急百貨店営業終了(1/31)
【今月の未来語】
・CCS事業法(経産省)
・GXリーグ(経産省)
・JR池袋駅周辺(再開発)
・LFP電池(リチウムイオン電池)
・LNG燃料船
・NPO九州プロレス
・TOKYO GIANTS TOWN(東京)
・TX延伸(茨城)
・秋入学制度(都立大)
・イーメタン(合成メタン)
・インクルーシブ遊具
・インド独立100周年(2047年)
・ウエルネスツーリズム(成長市場)
・大阪ガスビルディング周辺(再開発)
・カーボンニュートラルポート(CNP)
・神奈川県駅(リニア)
・株主優待の廃止(国内)
・貨物新幹線
・キラルノット超物質(広島大)
・グラングリーン大阪(再開発)
・原子力推進システム(NASA, DARPA)
・県立夜間中学(石川)
・合成燃料(出光)
・公道無人自動運転
・佐々木禎子(世界の記憶)
・札幌丘珠空港
・次世代旅客機(NASA)
・自然資本
・新月寒体育館(札幌)
・水性リチウムイオン電池(東芝)
・水素タービン市場(成長市場)
・スウェーデン冬季五輪
・スーパー・イージス艦(防衛省)
・成長志向型カーボンプライシング(政府)
・生物多様性国家戦略(環境省)
・台湾有事
・中部縦貫自動車道
・電波オークション(総務省)
・特別栽培米
・特許非公開(経済安全保障)
・泊原発3号機(再稼働)
・二地点間高速輸送(IHI)
・燃料アンモニア
・半導体自給率
・福岡市立こども病院跡地(再開発)
・ふくよかまる(大豆の新品種)
・プログラム医療機器(SaMD)
・ミールワーム(昆虫食)
・南シナ海開発(インドネシア)
・メタノール燃料船
・リチウム金属電池
・リチウム電池市場(成長市場)
【用字用語】
1)GX=グリーントランスフォーメーション(経済:地球環境に配慮した経済改革)
2)イーメタン(資源:日本ガス協会による合成メタンの呼称)
3)高付加価値旅行者(観光:一度で100万円以上使う旅行者)
4)佐々木禎子=ささきさだこ(人名:広島で被爆した少女。平和記念公園「原爆の子の像」のモデル)
5)丘珠=おかだま(地名:札幌市東区)
6)月寒=つきさむ(地名:札幌市豊平区)
7)設楽町=したらちょう(地名:愛知)
8)野洲市=やすし(地名:滋賀)
9)向日市=むこうし(地名:京都)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2023年3月号」
Future Lab 未来人
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