月刊 未来人
FUTURE REPORT DEC 20 2022
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 168/60671
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2023 名古屋市がエスカレーターで立ち止まることを義務付ける(条例)
2023 沖縄最古の酒造会社がウイスキーを発売
2024 東京工大が入学試験に女子枠を導入(女性比率が20%に拡大)
2024 宇宙ベンチャーが月探査車で「宇宙資源」を採取
2024 ツール・ド・九州がこの年以降も開催される(2023年10月に初開催)
2024 新暗号クリスタルズ・カイバーの導入がはじまる
2024 SL人吉が運転を終了(蒸気機関車58654号機の老朽化)
2025 パート、アルバイトの厚生年金加入が広まる(企業規模要件撤廃)
2025 LPWA通信網が50の自治体に普及(山間部の河川の水位などを検知)
2025 大井川鉄道が蒸気機関車C56形135号機を復活(1938年製)
2025 自動運航の小型旅客船が瀬戸内の離島を結ぶ
2025 福岡県糸島市で地ワインの販売がはじまる
2025 大阪公立大森之宮キャンパスの近くに大阪メトロの新駅が開業
2025 高知県が高知アニメクリエイター祭を開催(アニメ制作の拠点化)
2026 仏ルノーが「走るスマートフォン」を発売(アンドロイドOS)
2026 豪空軍が米軍のためのB52駐機場を完成
2027 自走式ロープウェーが東南アジアの渋滞を解消
2027 携帯電話のプラチナバンドの再割り当てがこの年以降になる
2027 韓国大手が回路線幅1.4ナノの半導体を量産(世界初)
2027 スマートフォンの機能が人の手にあまるようになる
2027 中小農家向けミニトマト自動収穫ロボットが量産化(長野)
2027 中国の企業リスト信創目録が3.7兆元市場に拡大(2021年比で約3倍)
2027* 東京駅前の常盤橋地区に高さ390メートルの「Torch Tower」が完成
2028 ビーチレスリングがロサンゼルス五輪の女子新種目に採用される
2030 日本独自の量子コンピューターが実用化
2030 大手商社がCCSサービスを開始
2030 高性能コンピューティング(HPC)時代がはじまる
2030 ホンダが自動運転のマイクロモビリティーを実用化
2032 廃棄物を原料とする紙が宇宙空間で普及
2032 中国の宇宙ステーション天宮が10年の運用期間を満了
2035 大手商社がアジア太平洋地域のCCS権益を年1500万トン分確保
2035 団塊の世代が85歳に達し、社会に要介護者があふれる(2035年問題)
2040 団塊ジュニアが65歳に達し、高齢者数が4000万人のピークにせまる
2050 世界遺産にある氷河の1/3が消滅する(気温上昇1.5度)
2344 皆既月食と土星食(惑星食)が同時に観測される(7月26日)
【未来動向―基盤】
2023 難病の人が診断日にさかのぼって助成を受けられるようになる
2023* 政府の長期脱炭素電源オークションがはじまる
2023 福井県内で7基の原発が稼働(夏。全国最多)
2024 法律、政省令のアナログ規制が9029条項改正される(総数は9125)
2024 陸海空3自衛隊を一元的に運用する統合司令部が新設される
2024* 介護保険制度が見直しの年を迎える(自己負担の引き上げ)
2025 EUの排ガス規制がタイヤ、ブレーキの粉塵を対象に含める
2025 日本の年金制度が改正の年を迎える
2025 削減目標の5年更新と進捗の毎年開示が義務になる(地球温暖化)
2026 このころ約束手形が廃止になる
2026 日本の排出量取引市場が本格稼働
2027 日の丸半導体の量産がはじまる(補助金700億円)
2027 気象災害の危険を知らせる早期警戒システムが普及(国連)
2027 政府が他国の侵攻を阻止、排除する防衛力を整備
2028 アルテミス計画が月周回宇宙ステーション「ゲートウェイ」を完成
2029 関西電力の原発敷地内の燃料プールが満杯になる
2030 温室効果ガス削減量取引が年90億トンの削減を実現(全体の3割)
2030 国際社会が1人あたりの食品ロスを半減(2019年比)
2030 国際社会が代替肉の割合を肉魚介類市場の15%に拡大
2030 国際社会が気候変動に強い作物への転換を進める
2030 国際社会がマングローブを約1500万ヘクタール保全再生する
2030 政府が極超音速誘導弾を配備
2030 国際宇宙ステーション(ISS)の運用がこの年まで継続
2030 温室効果ガスの排出量が世界全体で10.6%増える(2010年比)
2032 政府が複数の攻撃型無人機を同時運用(第2段階)
2035 航空自衛隊のF2戦闘機が英伊日共同開発の後継機に置き換わる
2035 EUがガソリン車の新車販売を事実上禁止(乗用車と小型商用車)
2037 世界の人口が90億人に達する(2022年は推計80億人)
2037 世界人口の増加分の9割以上を低所得、低中所得国が占める
2050 暮らしのあらゆる場面にグリーン水素が普及(東京)
2050 世界のエネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合が29%にとどまる
2050 世界のエネルギー供給に占める石油の割合が27%を占める
2050 世界のエネルギー供給に占める天然ガスの割合が20%を占める
2050 世界のエネルギー供給に占める石炭の割合が15%を占める
2050 世界のエネルギー供給に占める原発の割合がわずかに増加
2050 アフリカが廃棄物の適正処理率を50%に高める
2050 世界人口に占める65歳以上の割合が16.4%に拡大(2022年は9.7%)
2059 世界人口が100億人を超える
2100 地球温暖化による気温上昇が2.4-2.6度に達する
2100 地球温暖化による気温上昇が2.8度に達する
【未来動向―市場】
2024 英国経済が不況に陥る(2024年前半)
2024* 国内のペット関連市場が1兆8370億円に拡大(21年度は1兆7187億円)
2025 英国の失業率が6.4%に上昇(現状は3.5%)
2025 訪日客がコロナ禍まえの水準に回復
2027 中国の企業リスト信創目録が3.7兆元市場に拡大(2021年比で約3倍)
2027 パワー半導体の世界市場が約290億ドルの規模に倍増(2020年比)
2030 世界のLNG不足がこのころまで続く(景気低迷の長期化)
2030 シンガポールが燃料用アンモニアの供給網を構築
2030 国内の燃料油需要が約2割減少(2022年比)
2030 リチウムの世界需要がこのころ供給を上まわる(レアメタル)
2030 国内のスマート農業関連市場が1092億円の規模に成長(64%増)
2030 自動運転の農機が世界で約1兆7000億円の市場規模に成長
2030 農機の世界市場が1890億ドルの規模に成長(21年は1030億ドル)
2035 ニッケルの世界需要が供給を上まわる(レアメタル)
2037 世界の人口が90億人に達する(2022年は推計80億人)
2045 世界の石油需要が日量1億980万バレルになる(12%増)
2045 OECDの石油需要が日量3410万バレルに縮小(24%減)
2045 OECD以外の国の石油需要が日量7570万バレルに拡大(45%増)
2050 国内で年1億2000万トンのCCSが必要になる
2050 世界のエネルギー供給に占める再生可能エネルギーの割合が29%にとどまる
2050 世界のエネルギー供給に占める石油の割合が27%を占める
2050 世界のエネルギー供給に占める天然ガスの割合が20%を占める
2050 世界のエネルギー供給に占める石炭の割合が15%を占める
2050 世界のエネルギー供給に占める原発の割合がわずかに増加
2050 インド、パキスタン、フィリピン、アフリカ5カ国の人口がこの年まで顕著に増加
【未来動向―自動車】
2024 福島で自動車用バイオエタノール燃料の研究所が活動を開始
2025 EUの排ガス規制がタイヤ、ブレーキの粉塵を対象に含める
2025 現代自、ベトナムの自動車生産能力18万台(21年は約7万台)
2026 仏ルノーが「走るスマートフォン」を発売(アンドロイドOS)
2026* 日産が世界販売に占める電動車の割合を40%以上に高める
2030 ホンダが自動運転のマイクロモビリティーを実用化
2030 EVがトヨタの世界販売の35%を占める
2030* 日産が欧州販売に占める電動車の割合を100%に高める
2035 EUがガソリン車の新車販売を事実上禁止(乗用車と小型商用車)
2035 トヨタの西欧での販売がゼロエミッション車100%になる
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)
→行動計画「シャルムエルシェイク適応アジェンダ」
→「パリ協定6条実施パートナーシップ」発足
→開催国(エジプト)提案「50 by 2050イニシアチブ」
・国連環境計画(UNEP)「排出ギャップ報告書」
・国際エネルギー機関(IEA)2022年版「世界エネルギー展望」
・洋上風力発電の普及に取り組む有志国連合の目標
・石油輸出国機構(OPEC)2022年版世界石油見通し
・欧州委員会の排ガス規制案
・中国の宇宙実験棟「夢天」の「天宮」接続成功
【国内】
・政府の成長戦略実行計画(2021年6月)
・政府GX実行会議、経済産業省カーボンプライシング(CP)導入基本構想案
・防衛装備移転三原則の見直し
・岸田文雄首相「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想
・政府、デジタル臨時行政調査会のアナログ規制撤廃
・経済産業省「長期脱炭素電源オークション」
・防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画(中期防)に向けた防衛省方針
【企業/大学全国区】
・仏ルノーと米グーグルの車載向け基盤ソフト共同開発
・韓国サムスン電子「テクノロジーロードマップ」
・三菱地所「TOKYO TORCH」再開発
・出光興産の燃料油需要予測
・沖縄電力「おきでんグループ統合報告書2022」
・アイスペースの月面資源開発計画
・ジップ・インフラストラクチャーの自走式ロープウェー「Zipper」開発
・東京大学、NTT、情報通信研究機構、理化学研究所の量子コンピューター開発
・東京工業大学「女子枠」発表
・広島大学ワクチン・医薬品製造拠点整備
・近畿大学の起業拠点施設「キンキュバ・ベースキャンプ」開設
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・福島県「ふくしま創生総合戦略」
・埼玉県熊谷市のゼロカーボンシティ宣言
・東京都「東京水素ビジョン」(2022年3月)
・相模原市の学校給食あり方検討委員会中間答申
・佐渡市のネーチャーポジティブ宣言
・飛騨高山大学設立基金の4年制大学CoIU開学計画
・愛知県豊田市「ハロー! カーボンニュートラルプロジェクト」(2022年11月)
・広島県の新病院構想基本構想
・高知アニメクリエイター聖地プロジェクト
・一般社団法人いとしまワインプロジェクト
・九州、山口、沖縄のツール・ド・九州開催目標
・永井酒造、東京パワーテクノロジー、三条印刷
「尾瀬の水芭蕉プロジェクト」(2020年9月- )
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・国連生物多様性条約締約国会議(COP15)「30 by 30」目標(12月)
・GX経済移行債の償還財源(年末)
・75歳以上、後期高齢者医療制度の保険料引き上げ(年末)
・政府、全世代型社会保障構築本部の改革工程表(年末)
・アナログ規制の見直し工程表(年末)
【今月登場した未収録の未来】
・英国の国防費GDP比3%(のゆくえ)
・アタカマ塩湖の生態系
・経済産業省「長期脱炭素電源オークション」
・山梨のオーガニックワイン推進
【今月決着した未来】
・世界人口80億人
・EU、2035年ガソリン車の新車販売禁止
・英イングランド銀行の政策金利を0.75%引き上げ(年3%)
・中国の宇宙実験棟「夢天」の宇宙ステーション接続成功(11月)
・トヨタ、BYDのEV共同開発(bZ3)
【今月の未来語】
・CCS権益(三井物産)
・CCSサービス(三井物産)
・GX経済移行債(経産省)
・LPWA(ローパワー・ワイドエリア)通信網
・アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)構想(岸田内閣)
・アナログ規制
・宇宙資源(アイスペース)
・回路線幅1.4ナノ(サムスン)
・気象災害
・クラウス・マケラ(指揮者)
・クリスタルズ・カイバー(IBM)
・高性能コンピューティング(HPC)
・極超音速誘導弾(防衛省)
・資源作物
・自走式ロープウェー
・地ワイン(福岡)
・信創目録(中国)
・スタンド・オフ防衛能力
・脱炭素電源(経産省)
・ツール・ド・九州
・統合抑止
・トーチタワー(三菱地所)
・土星食
・難病支援(難病法改正)
・入試の女子枠(東工大)
・ネーチャーポジティブ(生物多様性)
・年金制度改正(厚労省)
・燃料用アンモニア
・パリ協定6条実施パートナーシップ(COP27)
・ビーチレスリング
・日の丸半導体(経産省、ラピダス)
・プラチナバンド再割り当て(総務省)
・マイクロモビリティー(ホンダ)
・木材パネル(CLT)
・量子光
【用字用語】
1)HPC=high-performance computing(情報:高性能計算)
2)LPWA=low power wide area-network(通信:低電力で長距離のデータ通信)
3)クラウス・マケラ=Klaus M?kel?(人名:フィンランド出身の指揮者)
4)クリスタルズ・カイバー=CRYSTALS-Kyber(情報:量子コンピューターに耐える暗号技術)
5)混抄紙=こんしょうし(生活:パルプ以外の素材を混ぜた紙)
6)スタンド・オフ防衛能力(軍事:距離をとった防衛対処)
7)プラチナバンド(通信:携帯電話の700-900メガヘルツ帯)
8)名寄市=なよろし(地名:北海道)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2022年12月号」
Future Lab 未来人
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