月刊 未来人
FUTURE REPORT OCT 20 2022
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 178/60306
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2023 空き家が急増する(23年以降)
2023* 空気中のCO2を回収する直接空気回収(DAC)装置が実用化
2024 キノコを使った代替皮革の生産が本格化(マッシュルームレザー)
2024 決済アプリから銀行に送金できるようになる
2024 東京恵比寿のビール醸造所が復活(春。35年ぶり)
2024 黒部ダムの工事用トンネルが一般開放される
2025 愛知の中高一貫校が音楽コースを設置(中学からは初)
2025 走行したまま充電できるEVの無線給電技術が実用化
2025 量子コンピューターを使った物流システムが実用化
2025 静岡のラムネメーカーが生産能力を約4割増強(海外で人気)
2026 韓国がアイアン・ドームを配備(2029年を前倒し)
2027 CO2を吸収させた新型コンクリートが実用化
2027 東京、新秩父宮ラグビー場の共用がはじまる(12月)
2027 中国の製薬大手がiPS細胞を使った再生角膜細胞を実用化
2028 エジプト初の原発が商業運転を開始(4基のうち1基)
2028* 札幌駅南口(北5西1、西2)の再開発が完成
2029 沖縄の下地島空港が宇宙旅行の拠点になる
2029 南大西洋を監視するブラジルの原潜が進水
2030 就職氷河期世代が60歳に到達
2030 関西2府4県で約26万人の資産が凍結される(認知症の増加)
2030 タイでCO2の排出を1/2に抑えたセメントの製法が開発される
2030 アルミ、銅、リチウムなどの非鉄がこの年まで不足
2035 中国の経済規模が米国の0.96倍になる(基本シナリオ)
2038 空き家の数が約2303万戸に増える(国内)
2040 千葉県立美術館が現代美術と屋外展示を拡充(展示から創造へ)
2050 台風エネルギーによる発電が可能になる
2050 世界で2億1600万人が国内移住をせまられる(気候変動)
2055 沖縄の全41市町村で人口が減少(2020年は20市町村)
2075 都市人口の上位にアフリカの都市がならぶ(東京は13位)
2100 世界の10大都市の半数がアフリカの都市になる
【未来動向―基盤】
2023 国内で原発7基が再稼働(23年以降)
2023 次期国土計画の最終報告がまとまる
2023 脱原発のドイツが原発2基を温存(4月まで予備で稼働)
2023 インド太平洋経済枠組み(IPEF)が閣僚級会合を開催
2025 東京の新築建物に太陽光パネルの設置が義務付けられる
2025 男女2人の宇宙飛行士が月面に着陸(NASAアルテミス計画)
2025 政府が安全保障のために利用規制する土地(600カ所以上)を指定
2025 英国が高温ガス炉の基本設計を終える(次世代原発)
2025 台湾の半導体大手が回路線幅2ナノの超先端半導体を量産
2025 カナダからドイツへの水素燃料の輸出がはじまる(脱ロシア依存)
2027 韓国が大統領選挙の年を迎える
2028 月面基地の建設がはじまる(NASAアルテミス計画)
2029 ロシアの「サハリン2」から日本へのLNG供給が契約期限を迎える
2030 中ロが共同で月面に宇宙飛行士を送る(2030年代前半)
2030 神戸空港に国際線の定期便が就航
2030 都市鉱山の資源再生が80兆円市場に成長(現状は約50兆円)
2030* 青森の大間原発が運転を開始(5回目の延期)
2030 英国が高温ガス炉の運転を開始(次世代原発)
2030* 日本の食料自給率が45%まで回復(2021年度は38%)
2030 国内の蓄電池生産に3万人の人材が新たに必要になる
2030 バイオものづくり市場が53兆3000億円の規模に拡大(2018年の1.6倍)
2031 国内の老朽マンションが約249万戸に増える(2021年は約115.6万戸)
2032 ウクライナでニューエコノミーが誕生(戦争と復興の並行)
2035 中ロが月の南極に月面基地を建設(2030年代後半)
2035 米カリフォルニア州がメーカーにZEV販売比率100%を義務付ける
2040 稼働可能な原発が急減(国内、2040年以降)
2040 全就業者の18-20%が医療福祉の分野で働くようになる(国内)
2040 英国がエネルギー資源の自給自足を達成(温暖化対策は後退)
2040 英国が核融合の試験プラントの完成(国家プロジェクト)
2040 NASAのアルテミス計画が火星の有人探査を実現
2050 国際線の航空機が排出するCO2が実質ゼロになる
2050 アフリカの人口が24億人を超える(世界人口の1/4)
2050 国内の原発が20基に減る(新設なしの場合。現状は33基)
2050 フランスが原子炉を6基新設(原発)
2060 国内の原発が5基に減る(新設なしの場合。現状は33基)
2062 国政レベルの女性議員の数が男性と均衡(40年後以降)
2070 台湾の生産年齢人口(15-64歳)が半減(776万人)
2100 世界の人口上位10カ国の半数がアフリカの国になる
2162 世界の管理職の男女均衡がこの年以降になる(140年後以降)
2308 世界の国が男女平等を保障する(286年後)
【未来動向―市場】
2025 静岡のラムネメーカーが生産能力を約4割増強(海外で人気)
2025 中国の半導体大手が生産能力を2倍に増強(米国依存の解消)
2026 モバイル機器を使ったAR市場が3倍の規模に成長(363億ドル)
2026 国内ビール大手が海外販売を1.7倍以上に拡大(2021年比)
2027 3次元センサーの関連市場が2倍の規模に成長(167億ドル)
2027 エッジAI市場が6倍の規模に成長(80億4980万ドル)
2030 バイオものづくり市場が1.6倍の規模に拡大(53兆3000億円)
2030 インドのEV市場が65万台の規模に急拡大(2021年は1万4776台)
2030 インドのEV関連市場が1500億ドルの規模に膨らむ(二輪を含む)
2030 電動二輪車が世界の二輪市場で2割を占める
2030 蓄電池の世界市場が8倍の規模に拡大(40兆円)
2030 小型モジュール炉(SMR)市場が130億ドルの規模に成長(原発)
2030 住宅リフォーム市場が6兆8000億円の規模を維持(国内)
2032 脱炭素の達成に官民で150兆円の投資が必要になる(2023-32年)
2034 沖縄発の宇宙旅行が1000人の旅行者を獲得
2035 世界のEV販売台数が5651万台(12倍)に膨らむ(2021年は469万台)
2040 量子コンピューターが4500億-8500億ドルの経済効果を生む
2050* 日本企業のカーボンニュートラル投資が累計で約160兆円に達する
【未来動向―自動車】
2024 自ら判断する自動運転フォークリフトが登場
2024 比亜迪(BYD)がタイの組み立て工場を完成(生産能力15万台)
2024 高齢者の運転をAIで分析する実験が終了(4月)
2025 走行したまま充電できるEVの無線給電技術が実用化
2025 現代自動車が米国にEVの生産工場を完成
2025 比亜迪(BYD)がEVの海外輸出を30万-50万台に拡大
2025 スズキがトヨタと共同開発したEVをインドで発売
2025 中国の成都市がすべてのタクシーをEVに転換
2026 米カリフォルニア州がメーカーにZEV販売比率35%を義務付ける
2026 スズキがインドの車載電池工場を稼働
2026 独アウディがF1自動車レースに参戦(新基準に対応)
2026 米フォードが年間30億ドルのコストを削減(EVへの移行)
2026 ホンダが世界市場で100万台の電動二輪車を販売
2029 月面でホンダの燃料電池を搭載したトヨタの探査車が活躍
2030 米カリフォルニア州がメーカーにZEV販売比率68%を義務付ける
2030 ホンダが新車の二輪に占めるEVの割合を15%に拡大
2030 ホンダが世界市場で350万台の電動二輪車を販売
2030 ホンダが米国で生産する自動車の約半数(80万台)をEVにする
2035 米カリフォルニア州がメーカーにZEV販売比率100%を義務付ける
2035 ヤマハが世界販売に占める電動二輪の割合を20%に高める
2035 川崎重工が先進国向けの主要なバイクを電動二輪に切り替える
2050 ヤマハが世界販売に占める電動二輪の割合を90%に高める
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・持続可能な開発目標(SDGs)の達成状況に関する国連の報告書
・国連、国際民間航空機関(ICAO)総会
・インド太平洋経済枠組み(IPEF)閣僚級会合
・ボルヌ仏首相の仏電力公社(EDF)国有化発表(7月)
・韓国の国防予算案
・台湾、国家発展委員会の人口予測報告
【国内】
・岸田政権の原子力政策転換
・重要土地等調査・規制法の全面施行
・経済産業省「バイオものづくり」人材育成プログラム(2022-26年度)
・経済産業省の蓄電池産業戦略
・厚生労働省「厚労白書」2022年
・中央審議会の最低賃金31円引き上げ答申
・国土審議会
・関西3空港懇談会
・文部科学省「地域活性化人材育成事業」(SPARC)
・環境省「循環経済工程表」公表
【企業/大学全国区】
・台湾積体電路製造(TSMC)技術説明会
・トヨタ自動車「TOKYO A-ARENA」(仮称)建設計画
・サッポロビール「YEBIS BREWERY TOKYO」発表
・りゅうぎん総合研究所「県内の市町村の将来推計人口」
・小樽商科大学「ユニバーサル・ユニバーシティ構想」
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・北海道マイワシ漁業改善プロジェクト
・北海道浦河町「ゼロカーボンシティ宣言」(2022年9月)
・東京都の太陽光パネル義務化発表
・富山県の観光路「黒部宇奈月キャニオンルート」名称決定
・三重県伊賀市「にぎわい忍者回廊整備に関するPFI事業」
・福岡県宗像市のゼロカーボンシティ宣言
・佐賀県「鹿島市ゼロカーボンシティ」宣言
・山口県と東京大学先端科学技術研究センターの「新たな時代の人づくりに関する連携協定」
・山口県防府市「駅北公有地」活用計画
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・政府の核融合戦略(2023年春)
・2030年、冬季五輪開催地決定(2023年9-10月)
・次期国土計画最終報告(2023年)
【今月登場した未収録の未来】
・中距離弾道ミサイル(IRBM)、準中距離弾道ミサイル(MRBM)
・健康保険証の2024年廃止
・米子空港、鳥取空港発着の国際線(フィールエア)
・熊本都市圏北連絡道路、熊本都市圏南連絡道路、熊本空港連絡道路(熊本の渋滞緩和)
・琉球料理の世界無形文化遺産登録(沖縄)
・金属有機構造体(MOF)によるCO2回収(名古屋大)
・反撃能力の保有
・原発回帰
・炭素税
・カーボンバジェット
・e-fuelの実用化(経産省)
・雪エネルギーの利用(札幌)
【今月決着した未来】
・日欧の水星探査計画「ベピコロンボ」探査機の水星撮影(6月)
・中国の電動貨物船実用化(8月)
・重要土地等調査・規制法全面施行(9月)
・沖縄県知事選、玉城デニー氏再選(9月)
・日本人の人口 1億2322万3561人(ピークは2009年)住基台(2022年1月現在)
【今月の未来語】
・IPEF(インド太平洋経済枠組み)
・TOKYO A-ARENA(トヨタ)
・YEBIS BREWERY TOKYO(サッポロ)
・空き家急増
・アルバロ・アルベルト(ブラジルの原潜)
・宇宙港(沖縄)
・エッジAI市場(成長市場)
・エルダバ原発(エジプト初)
・大間原発運転(青森)
・カーボンネガティブ
・核融合(英国)
・韓国型アイアン・ドーム
・疑似量子コンピューター(日立)
・金融資産の凍結(高齢化)
・黒部宇奈月キャニオンルート(富山)
・高温ガス炉開発(日英)
・国内移住(気候変動)
・再生角膜細胞
・最低賃金1000円
・サステナブル・シーフード
・札幌駅南口(再開発)
・次期国土計画(多極集住/多極分散)
・循環経済(環境省)
・自律式フォークリフト(豊田自動織機)
・新秩父ラグビー場(再開発)
・タイフーンショット(台風科学技術研究センター)
・炭素税/GX経済移行債
・地域活性化人材育成事業(文科省)
・蓄電池市場(成長市場)
・直接空気回収(DAC)
・ニューエコノミー(ウクライナ)
・バイオものづくり(経産省)
・ビーガンレザー(代替皮革)
・米中拮抗の時代
・道の駅併設型ホテル(マリオット)
・老朽マンション(築40年以上)
【用字用語】
1)檜皮=ひわだ(建築:屋根をふくヒノキの皮)
2)下地島=しもじしま(地名:北海道)
3)水疱=すいほう(用字:常用外)
4)馬糞=ばふん(用字:常用外)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2022年10月号」
Future Lab 未来人
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