月刊 未来人
FUTURE REPORT MAY 20 2022
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 170/59479
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2023 定型文を送る「定文電報」が終了
2024 上野駅13番線ホームで科学者と美術家が作品を完成
2024 北九州市の暴力団本部跡地が子ども食堂に生まれ変わる
2024 茨城がAIを用いたマサバの養殖を商業化
2024 タイ国営石油が中国メーカーのEVを受託生産
2024 群馬県桐生市の会社が耕作放棄地で桑の葉を収穫(国産シルク)
2024 動画、画像の改ざんを判別する技術が実用化(偽動画拡散防止)
2025 国内の「人間拡張」市場が1兆円を超える
2025 東京銀座に1泊30万円の高級ホテル(38室)が開業
2025 食用の培養肉が約100グラムに成長
2025 海洋温度差発電所が沖縄で稼働(出力1000キロワット)
2025 万博の大阪パビリオンに「人間洗濯機」が登場
2025 機動戦士ガンダムのメタバース空間が本格稼働
2026 小型の家庭ごみ処理設備が商用化(1日10-50トンを処理)
2026 タイ東北ノンカイに巨大物流拠点が整備される
2026 タイ―ラオス間の貨物列車が1日24往復に増便(現状は2往復)
2026 京都市が別荘や空き家の所有者に非居住住宅利活用促進税を課税
2028 ペットテックの世界市場が約2兆5000億円に成長(2021年比で4倍)
2028 福岡市の海の中道海浜公園近くに統合型リゾート施設(IR)ができる
2028 英国で小型原発(AMR)の1号機が稼働
2028 オーストラリアが子宮頸がんの撲滅に成功(HPV対策)
2028 北海道ニセコ町がカーボンニュートラルな街区を完成
2030 スペインが冬季五輪を招致(カタルーニャとアラゴンの共催)
2030 東京、丸の内の廃棄物再利用率が100%に達する
2030 次世代電池への世代交代がはじまる(2030-40年)
2030 低コストの海洋温度差発電が実現(養殖の取水管などを利用)
2040 人が火星を歩く日がくる(NASAの有人火星探査)
2070 銅がレアメタルになる(鉱石の品位低下)
2097 沖縄で100年ものの古酒が完成
【未来動向―基盤】
2023 JAXAが誤差100メートルの月面着陸に成功(探査機SLIM)
2023 民間所有を含む約100カ所の自然共生サイト(仮称)が認定される
2024 ドイツがロシア産天然ガスの輸入を停止(脱ロシア依存)
2024 DV、性被害など女性を支援する法律が施行される
2024 女川原発2号機が再稼働(宮城)
2024 メキシコが中央銀行デジタル通貨(CBDC)を導入
2024 米国の上場企業が気候変動リスクの開示をはじめる
2025 小型の電球形蛍光灯が禁止になる(水俣条約)
2025 EUが有事に対応する即応部隊を創設(戦略的コンパス)
2025 政府が半導体の製造に必要な希ガスを国産化(脱ロシア依存)
2025 世界の温室効果ガス排出量が減少に転じる(気温上昇1.5度の条件)
2025 ASEANがDX、ECの共通課題を克服(デジタルマスタープラン2025)
2027 EUがAI、量子などの国際共同研究を実施(ホライズン・ヨーロッパ)
2030 WHOが子宮頸がんのワクチン接種率を90%に高める
2030 国際社会が温室効果ガス排出量を43%削減(気温上昇1.5度の条件)
2030 石炭の商業的価値がなくなる(気温上昇1.5度のため)
2030 政府が陸海の30%以上を保護区域に指定(生物多様性保全)
2030 政府が量子技術の利用者1000万人を達成(量子未来社会ビジョン)
2030 英国が原発50基分の洋上風力を導入(エネルギー安全保障戦略)
2030 英国が最大8基の原発を新設(エネルギー安全保障戦略)
2030 政府が熱中症の死者を年1000人以下に抑える(行動計画)
2030 加賀市が健康医療の情報銀行を構築(石川、デジタル田園健康特区)
2032 政府の沖縄振興が領海と排他的経済水域(EEZ)の保全を重視
2033 デンマークの国防費がGDP比2%に拡大(2021年は推計1.41%)
2035 ドイツが全電力を再生可能エネルギーでまかなう(脱ロシア依存)
2050 岐阜県の人口が137万人にとどまる(2020年は198万人)
2050 国際社会が温室効果ガス排出量を84%削減(気温上昇1.5度の条件)
2050 英国が原発比率を25%に拡大(現状は16%、エネルギー安全保障)
2055 世界が温室効果ガス排出量実質ゼロを達成(気温上昇1.5度の条件)
2100 地球温暖化による気温上昇が3.2度に達する(現状の対策の場合)
【未来動向―市場】
2023 仙台市がコロナ禍前の宿泊者数を回復(624万人規模)
2024 仙台市が宿泊者数650万人を達成(インバウンド50万、国内600万人)
2025 国内の人間拡張市場が1兆円を超える
2025 中国のIT大手が共同富裕の実現に約1兆7000億円を拠出
2025 フードテック市場が700兆円の規模に成長
2026 インドネシアの小売市場が2427億ドルの規模に成長(約8割増)
2026 ドラッグラグで日本の医薬市場の成長が-2-1%に停滞
2026 チリのセンチネラ銅鉱山が生産量を5割拡大(年45万トン)
2026 銅の需要が生産を上まわる
2027 感情を検知、認識する技術の世界市場が433億ドルに成長
2027 サウジアラビアが石油生産を拡大(日量1200万→1300万バレル)
2028 ペットテックの世界市場が約2兆5000億円に成長(2021年比で4倍)
2030 サウジアラビアが天然ガス生産を5割以上拡大(ロシア制裁が背景)
2035 EVの世界市場が2418万台の規模に拡大(2020年の約11倍)
2050 世界全体で1.7倍の穀物生産量が必要になる(現状比)
【未来動向―自動車】
2023 トヨタがブラジルの生産拠点を3工場にまとめる
2024 二輪大手が技術者約700人をEV向けに再教育
2025 中国のFCV保有台数が5万台に増える
2025 運転手の表情を判別する機能が開発される(スウェーデン)
2025 車載電池大手が米ケンタッキー州で新工場を稼働
2025 日産が米ミシシッピ工場の従業員2000人をEV向けに再教育
2025 自動車部品大手が技術者1000人をソフト開発向けに再教育
2025 東北大とトヨタ東日本がこの年まで共同で脱炭素技術を研究
2026 中国の車載電池大手がインドネシア工場を完成
2026 独VWがスペインのバレンシアで車載電池の生産を開始
2027 ホンダが北米市場に300万円台のEVを投入
2027 米GMとホンダが共同開発したEVの生産がはじまる
2028 HV向け車載電池の生産コストが半減(1台分10万円以下)
2030 独VWが欧州の車載電池生産能力を240ギガワット時に高める
2030 この年までにホンダがEVの開発と生産に5兆円を投資
2030 インドの自動車販売に占めるEVの割合8-10%(政府目標は30%)
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国連、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第3作業部会第6次報告書
・WHO「子宮頸がんのない世界」目標
・水銀に関する水俣条約第4回締約国会議
・米証券取引委員会(SEC)の気候変動リスク開示規則案
・欧州連合(EU)外相・国防相会合「戦略的コンパス」合意
・欧州委員会「ホライズン・ヨーロッパ」計画
・独エネルギー戦略「イースターパッケージ」採択
・東南アジア諸国連合(ASEAN)「ASEANデジタルマスタープラン2025」(2021年)
・タイ国鉄の中国向け巨大物流拠点構想
・中国、水素エネルギー中長期発展計画
・日比初の外務・防衛閣僚会合(2プラス2)
【国内】
・困難な問題を抱える女性への支援に関する法律案
・統合イノベーション戦略推進会議「量子未来社会ビジョン」
・熱中症対策推進会議の改定熱中症対策行動計画
・国家戦略特区諮問会議「デジタル田園健康特区」(仮称)指定
・政府、沖縄振興基本方針原案
・環境省、生物多様性保全工程表案
【企業/大学全国区】
・C2PA(コンテンツの来歴と信ぴょう性のための連合)偽動画拡散防止計画
・三井不動産「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言」(2021年)
・関西電力の2050年カーボンニュートラル工程表
・東京大研究グループと日清食品ホールディングス「食べられる培養肉」開発
・東北大とトヨタ東日本の共創研究所開設
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・北海道ニセコ町「NISEKO生活・モデル地区」開発
・仙台市の観光新戦略
・茨城県「カーボンニュートラルポート形成計画」
・京都市議会「非居住住宅利活用促進税」を含む条例
・三重県デジタル社会推進局「三重県 デジタル社会の未来像」
・大和郡山市、郡山城跡公園パークPFI再整備(奈良)
・徳島市の新町西地区市街地再開発事業
・沖縄県「新・沖縄21世紀ビジョン基本計画」最終案
・東京都医師会「TMA近未来医療会議」
・国際NGO「グローバル・アライアンス『持続可能な平和と繁栄をすべての
人に』」設立構想
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・ジャマイカ、中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入(3月)
・JAXAと東京大の超小型探査機「オモテナシ」「エクレウス」打ち上げ(5月)
・CO2回収・貯留する技術(CCS)工程表案(5月)
・経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)(6月)
・政府のクリーンエネルギー戦略
・IPCC、第2部会、第3部会統合報告書(9月)
・ダイモン、超小型月面探査車「YAOKI」(ヤオキ)打ち上げ(後半)
・アイスペース、探査ロボ搭載の月着陸船打ち上げ(HAKUTO-R計画、年末)
・EUロシア産石油の輸入停止(年内)
・独ロシア産石炭石油の輸入停止(年内)
【今月登場した未収録の未来】
・フッ化物イオン電池(九州大の次世代電池)
・タイ―ラオス高速鉄道の完成
・企業の低炭素移行評価(ACT)
・デジタル・ツイン
・宇宙倫理学
【今月決着した未来】
・IMF、2022年の世界の実質成長率0.8ポイント可能修正(3.6%)
・国際会計基準、気候変動リスク開示基準案(3月)
・フードテックのCESカテゴリー入り(1月)
・バハマ、エルサルバドル、ジャマイカの
中央銀行デジタル通貨(CBDC)導入(2020-22年)
・マレーシアの最低賃金、最大36%引き上げ(5月)
・タイ―ラオス高速鉄道開通
・秋田の人口減少率1.52%(全国最大)
・和歌山県議会IR対策特別委員会の整備計画申請否決(19日)
・並行在来線のJR北海道小樽―長万部間廃止
・東芝2分割案の否決
・トヨタ初のEV専用モデル発売(5月)
・京都大霊長類研究所再スタート(3月末)
【今月の未来語】
・NISEKO生活・モデル地区(北海道)
・PCB廃棄物
・イースターパッケージ(独)
・エネルギー安全保障戦略(英)
・女川原発2号機(再稼働)
・海洋温度差発電
・感情の検知・認識技術
・気候変動リスクの開示(米)
・緊急輸送道路(緊急道)沿道の耐震化
・ケア天気予報サービス
・国産シルクの再興
・古酒(沖縄)
・困難な問題を抱える女性への支援に関する法律案
・再教育
・子宮頸がん
・自然共生サイト(環境省)
・自由で開かれたインド太平洋
・新町西地区市街地再開発(徳島市)
・先進モジュール炉(AMR)
・戦略的コンパス(EU)
・大学等連携推進法人
・タイーラオス―中国(高速鉄道)
・中央銀行デジタル通貨(CBDC)
・デジタル田園健康特区(仮称)
・電池の世代交代
・ドラッグラグ
・人間拡張(人間拡張研究センター)
・培養肉(日清、東大)
・非居住住宅利活用促進税(京都市)
・ブルーエコノミー(沖縄)
・併設型中高一貫校(愛知)
・ペットテック市場(成長市場)
・ホライズン・ヨーロッパ計画(EU)
・木造オフィスビル
・量子未来社会ビジョン(政府戦略)
【用字用語】
1)中標津町=なかしべつちょう(地名:北海道)
2)女川町=おながわちょう(地名:宮城)
3)定文電報=じょうもんでんぽう(通信:電報)
4)櫓門=やぐらもん(建築:城楼)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab MIRAIJIN「Future Report 2022年5月号」
Future Lab 未来人
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