月刊 未来人
FUTURE REPORT DEC 20 2021
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 240/58514
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2022 米国の旅券システムが性別Xに対応
2022 講談の此花千鳥亭が1年間休まない「365日千鳥亭」を達成
2022 中国軍3隻目の空母が就役
2022 航空大手が大分空港から人工衛星を打ち上げる
2022 トランプ氏が2024年米大統領選への出馬を表明(11月)
2022 トランプ氏のソーシャルメディアが本格稼動(1-3月)
2023 国立競技場の運営が民間に移行(東京)
2023 滋賀県初のイチゴの新品種が市場に登場(滋賀SB2号)
2023 弁護士バッジがピンで留めるタイプ変わる(女性に配慮)
2023 森林フットプリントの枠組みがまとまる(森林破壊の情報開示)
2023 航空2社が搭乗ゲートの改札機を共同利用(ライバル社の協力)
2023 仏動物愛護法が移動型サーカスのトラやライオンの演技を禁止
2023 航空機向けリチウム金属電池が実用化(リチウムイオン電池の2倍)
2023 米ボーイングが旅客機「777X」を市場投入(貨物機仕様も検討)
2023 米大リーグ(MLB)の大谷翔平選手がフリーエージェントになる
2023 台湾空軍がF16A/B戦闘機141機すべてをF16Vに改良
2023 独メルセデスのマイバッハがEVになる
2023 奄美大島に天然温泉浴場がオープン(夏)
2023 日本最北の村がイチゴの栽培マニュアルをまとめる
2023 大分の養殖ブリが年間を通して出荷される
2024 仏動物愛護法がペットショップでの犬猫の販売を禁止
2024 中国が河北省、四川省、上海市などの挙式をこの年まで簡素化
2024 鳥取で日本酒の酵母を使ったウイスキーが発売される(秋)
2024 このころ台湾海峡の緊張が高まる(2022-24年)
2024 パラリンピック、パリ大会の女子選手数が史上最多を記録(1859人)
2024 卵巣がんを狙い撃ちする再生医療の治療法が治験を終える
2025 米IT大手が自社開発のEVを発売
2025 コンバージョンEVが1台100万円になる(エンジンをEVに転換)
2025 携帯電話の基地局を使ったワイヤレス給電がはじまる
2025 磁気テープのデータが再生困難になる(技術者の引退)
2025 船舶の自動運航(IMO自動化レベル1)が実用化(2025年以降)
2025 食品の即配サービス市場が2兆円の規模に急成長
2025 DXの進展で自動車の運転手が11万人減る(2015年比、国内)
2025 DXの進展で販売店員が10万人減る(2015年比、国内)
2025 DXの進展でビル清掃員が9万人減る(2015年比、国内)
2025 和歌山柿の新品種「紀州あかね」が収穫される(秋)
2026 雑談の相手をする音声AIが実現(完全自動対話)
2027 伊香保温泉の旅館が食事の鶏卵をケージフリーに切り替える
2028 仏動物愛護法が移動型サーカスのトラ、ライオンの所有を禁止
2028 ロサンゼルス五輪が新種目コースタルローイングを採用
2028 ロサンゼルス五輪の近代五種から馬術がなくなる
2029 東京の国立劇場がホテルを併設した観光拠点に生まれ変わる
2030 メルセデス・ベンツがEV専業メーカーになる
2030 出雲市がトキを放鳥(トキによるまちづくり構想)
2030 米民間宇宙ステーション「オービタルリーフ」が運用を開始(10年以内)
2030 COP26で表明された中期目標が気温上昇を1.8度に抑える
2030 韓国が月面着陸に成功
2030 東京タワー周辺の2万5000平方メートルに観光施設が建設される
2040 世界23カ国の新車販売がゼロエミッション車になる(日米独中は反対)
2100 地球の気温上昇が1.8度にとどまる(COP26の成果)
【未来動向―基盤】
2022 気候変動のCOP27がエジプトで開催される(シャルムエルシェイク)
2022 世界が気温上昇1.5度に向けて歩調をあわせる(対策は毎年更新)
2022 アワビとナマコの取引を記録する制度がはじまる(水産流通適正化)
2022 クアッド(Quad)の首脳会談が日本で開催される(米新大統領初来日)
2022 韓国が純国産ロケットの2号機を打ち上げる(人工衛星を搭載)
2022 福井の美浜原発3号機が運転を再開(10月ごろ)
2022 生物多様性条約のCOP15が雲南省昆明で閉幕(世界目標を採択)
2023 気候変動のCOP28がUAEで開催される
2023 EUが財政ルールを刷新(新型コロナウイルス後の財政規律)
2023 スーダン軍が民政移管のための選挙を実施(7月)
2023 老朽トンネルが全体の27%を占める(建設から50年が経過)
2023 名古屋城天守の木造復元に関する全体計画がまとまる(3月末)
2024 韓国が固体燃料ロケットで500キロ級の小型偵察衛星を打ち上げる
2025 国際社会が気候変動に関する途上国支援を倍増
2025 ウナギの稚魚の取引を記録する制度がはじまる(水産流通適正化)
2025 中米が2030年の温室効果ガス削減目標をともに提出
2025 EUが有志国だけで展開する独自の軍隊を創設(戦略的コンパス)
2025 NASAのアルテミス計画が飛行士の月着陸を達成(目標を1年延期)
2027 サウジが原油生産能力を日量1300万バレルに増強(100万バレル増)
2027 韓国が国防中期計画(2022-27年)に315兆ウォンを投じる
2028 ブラジルから違法な森林破壊がなくなる
2028 首都高1号羽田線(都心―羽田空港)が更新工事を完了
2028 違法な森林伐採がブラジルからなくなる
2030 森林と土地利用に関するグラスゴー宣言が森林破壊を止める
2030 世界の40カ国以上がグラスゴー・ブレークスルーに協力(技術提供)
2030 ブラジルが温室効果ガスの排出を2005年比で50%削減
2030 中国が風力発電と太陽光発電の設備を倍増(1200ギガワット以上)
2030 中国の新車の4割が新エネルギー車になる
2030 国際社会がCO2排出量を2010年比で45%削減
2030 韓国が人工衛星を100基以上打ち上げる(今後10年)
2030 中国の核弾頭が1000発に増える(2020年時の予想は400発)
2030 中国の温室効果ガス排出量がピークに達する
2030 政府の「新しい資本主義」が車載用電池の国内生産能力を高める
2030 独連邦議会の連立3党が脱石炭この年に早める(従来は2030年)
2035 英国が電力供給の脱炭素化を達成
2040* 老朽化した首都高の更新がすべて終わる
2048* 老朽インフラに約170兆-280兆円の維持更新費が必要になる(全国)
2050 日本の海運が温暖化ガス排出量の実質ゼロを達成
2050 UAEが温室効果ガス排出量の実質ゼロを達成
2050 グラスゴー気候合意がCO2排出量実質ゼロを達成
2050 社会主義現代化強国の中国が共同富裕を実現(2035-50年)
2050 豪州が温室効果ガス排出量実質ゼロを達成(200億豪ドルを投資)
2050 日本の鉄鋼業界が温室効果ガス排出量実質ゼロを達成
2050 ベトナムが温室効果ガス排出量実質ゼロを達成
2060 サウジアラビアが温室効果ガス排出量の実質ゼロを達成
2060 中国が温室効果ガス排出量実質ゼロを達成
2070 インドが温室効果ガス排出量の実質ゼロを達成
【未来動向―市場】
2022 東京の配送専用スーパーが開業1年で100店舗展開(1キロ10分以内)
2024 ネット通販の国内普及率が8割に達する(米国は2017年に80%)
2024 回転ずし大手が海外の店舗数を200店に拡大(2021年9月の3倍以上)
2024 訪日外国人旅行者数がコロナ禍前の水準を回復
2025 食品の即配サービス市場が2兆円の規模に急成長
2025 東南アジアのデジタル経済市場が3630億ドルに達する
2025 デジタル証券市場が900兆円の規模に成長
2025 デジタル証券による資金調達市場(STO)が8兆ドルに成長
2026 排ガス浄化触媒の世界市場が2021年比で4割増える(598億ドル)
2030 中国が風力発電と太陽光発電の設備を倍増(1200ギガワット以上)
2030 中国の新車の4割が新エネルギー車になる
2030 半導体供給の後押しが日本企業の売上高を13兆円(約3倍)に高める
2030 世界の有力企業が中型トラックの調達をゼロエミッション車に限定
2030 国内商社が世界の森林取得に1000億円を投じる(アジアの需要増)
2030 東南アジアのデジタル経済市場が7000億-1兆ドルに達する
2030 東南アジアのeコマースが消費全体の5割を占める
2030 東南アジアのデジタル決済が決済全体の7-8割を占める
2030 中国が非化石エネルギーの割合を25%引き上げる
2030 世界の新車販売に占めるEVの割合が30%に達する(半分弱が中国)
2040 世界の航空機数4万9405機。アジア太平洋がその4割を占める
2040 世界の航空機の70%を小型機が占める(総数は4万9405機)
2040 日韓台がこの年までに1360機の航空機を需要(大型機が全体の4割)
2050 油田開発の停止で石油の生産が日量2500万バレルに減少する
2050 ガス田開発の停止でガスの生産が現状の25%に減少する
【未来動向―自動車】
2022 トヨタが充電1回で460-500キロ走るEVを発売
2022 メルセデスが航続距離1000キロの新型EVを発売(独自の車載電池)
2023 独メルセデス・ベンツのマイバッハがEVになる
2023 中国、長城汽車がタイ市場向け小型EVの現地生産を開始
2023 電池大手が英国の電動バス150台の電池をサブスクリプションで提供
2023 CO2の排出を抑える自動車の樹脂向け塗料が量産される
2023 中国、集度汽車が動運転タクシーの量産を開始
2023 北九州市のタクシー大手がEVを約100台導入(保有車の1%)
2024 台湾の電子機器大手が欧州、インド、南米にEV工場を建設
2024 メルセデスが独自の車載OSを投入
2025 米IT大手が自社開発のEVを発売
2025 コンバージョンEVが1台100万円になる(エンジンをEVに転換)
2025 DXの進展で自動車の運転手が11万人減る(2015年比、国内)
2025 メルセデスがすべての新車をEVにする
2025 中国ネット検索大手が65都市で自動運転タクシーを展開
2026 メルセデスがすべての新型車をEVにする
2026 米国外で組み立てられたEVが優遇措置から外れる(2026-27年)
2030 中国の新車の4割が新エネルギー車になる
2030 世界の新車販売に占めるEVの割合が30%に達する(半分弱が中国)
2030 メルセデス・ベンツがEV専業メーカーになる
2030 中国ネット検索大手が100都市で自動運転タクシーを展開
2030 EVバスが世界全体で300万-500万台普及(現状は50万台)
2050 ホンダがサプライチェーン全体のCO2排出量を実質ゼロにする
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)「グラスゴー気候合意」
・生物多様性条約の第15回締約国会議(COP15)開幕(2021年10月)
・国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)「森林と土地利用に関するグラスゴー宣言」
・国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)「グラスゴー・ブレークスルー」
・米国務省のインターセックス対応旅券発行
・温室効果ガス削減に関する中国と米国の共同宣言(COP26)
・気候変動の安全保障上のリスクに関する報告書
・中国の軍事・安全保障に関する米国防総省の年次報告書
・バイデン米大統領の歳出・歳入法案枠組み
・米議会の大型歳出法案
・トランプ米前大統領の「トゥルース・ソーシャル」設立
・欧州連合(EU)ジェンティローニ欧州委員会見(財政規律)
・欧州連合(EU)外相・国防相共同会合「戦略的コンパス」案
・フランスの動物愛護法成立
・ドイツ社会民主党(SPD)、緑の党、自由民主党(FDP)の連立交渉事前合意書
・中国共産党第19期中央委員会第6回総会(6中全会)「歴史決議」第7節
・国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に向けた中国の国別目標
・温室効果ガスの排出減少に向けた中国の行動計画
・中国「婚姻風習改革実験区」指定(2021年)
【国内】
・政府「新しい資本主義実現会議」緊急提言
・水産流通適正化法(2020年12月成立。2022年12月施行)
・経済産業省、2050年温室効果ガス排出量実質ゼロ工程表(鉄鋼)
【企業/大学全国区】
・世界経済フォーラム(WEF)「ファースト・ムーバーズ・コアリション(FMC)」
・国際フィルムアーカイブ連盟マグネティック・テープ・アラート
・米ボーイングの航空機市場予測
・トヨタの新型EV「bZ4X」発表
・此花千鳥亭「365日千鳥亭」構想
・サイバーエージェントの完全自動対話研究センター新設
・立命館アジア太平洋大学(APU)サステイナビリティ観光学部(仮称)開設
・福井県、東京大学高齢社会総合研究機構の共同研究協定(2021-24年)
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・猿払村企画政策課のイチゴ栽培実証実験(2021-23年)
・函館駅前東地区市街地再開発準備組合(北海道)
・岩手県「復旧・復興ロードマップ」
・つくば市のシェアサイクル実証実験「つくチャリ」(2021年10月)
・中野駅前エリア再開発(東京)
・福井駅前南通り地区市街地再開発準備組合
・島根県出雲市「トキによるまちづくり構想」
・JAグループ福岡「2030年ビジョン」県域オールJA構想
・久留米市駅前第二街区市街地再開発組合(福岡)
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・フランスの原発建設再開(年内)
・地域的包括的経済連携(RCEP)協定発効(1月)
・油田開発の低迷と原油価格の高止まり
・経済産業省、蓄電池産業戦略
【今月登場した未収録の未来】
・ASEAN「インド太平洋構想」(AOIP)
・JR城端線、氷見線のLRT化(富山。城端=じょうはな)
・Xジェンダー
・インターセックス
・お達者度(静岡県)
・化石燃料への非効率な補助金の段階的廃止(COP26)
・気候正義
・進まない企業のメンタルヘルス対策
・進まない勤務間インターバル制度の導入
・難治性不妊の治療
・ビヨンド石油・ガス同盟(BOGA)
・福井駅近辺の多機能アリーナ建設
・福島第一原発の汚染水からでる高線量の汚泥
・無対策の石炭火力の段階的削減(COP26)
・メタバース
【今月決着した未来】
・地域的包括的経済連携(RCEP)協定発効確定(11月)
・米国、2023年のAPEC首脳会議議長国を逃す(ロシアの反対)
・米連邦準備制度理事会(FRB)量的緩和の縮小開始(11月中。利上げは維持)
・中国共産党第3の「歴史決議」(習近平指導部)
・中国の極超音速滑空機(HGV)、中距離弾道ミサイル東風(DF)17配備(2020年)
・韓国初の純国産ロケット「ヌリ号」打ち上げ
・ダンスの「Dリーグ」開幕
【今月の未来語】
・365日千鳥亭(大阪)
・G7サミット関係閣僚会合招致(栃木)
・G7サミット招致(広島)
・Xジェンダー、インターセックス
・新しい財政規律(EU)
・アップルカー計画
・アニマルウェルフェア(AW)
・オービタルリーフ(米民間宇宙ステーション)
・完全自動対話
・紀州あかね(和歌山の柿)
・共同富裕(中国)
・共同利用(ライバル社同士の協力)
・漁獲番号(水産流通適正化法)
・グラスゴー気候合意(COP26)
・グラスゴー・ブレークスルー(COP26)
・久留米駅東口(再開発)
・軍民融合(中国)
・京阪電鉄古川橋駅前(再開発)
・ケージフリー(鶏卵)
・コースタルローイング(五輪)
・極超音速兵器開発(中米)
・婚姻風習改革実験区(中国)
・コンバージョンEV
・サステイナビリティ観光学部(立命館アジア太平洋大)
・滋賀SB2号(イチゴの新品種)
・次世代燃料バイオコークス(近畿大)
・食品の即配サービス市場(成長市場)
・森林と土地利用に関するグラスゴー宣言(COP26)
・セキュリティー・トークン・オファリング(STO)市場(成長市場)
・戦略的コンパス(EU)
・デジタル証券市場(成長市場)
・東京タワー周辺(再開発)
・東南アジアのデジタル経済(成長市場)
・トゥルース・ソーシャル(トランプ氏のSNS)
・中野駅西口(再開発)
・配送専用スーパー
・バイデン米大統領初来日
・函館、棒二森屋跡地(再開発)
・ピーファス(PFAS)規制(米)
・フォレストフットプリント
・福井駅西口南通り(再開発)
・福島駅東口(再開発)
・不登校特例校
・フレイル予防(福井)
・ボーイング777X(旅客機)
・北陸銀行札幌支店跡地(再開発)
・北海道放送(HBC)本社屋跡地(再開発)
・マグネシウムイオン電池
・マグネティック・テープ・アラート(磁気テープ情報の危機)
・メタン監視技術
・木材市場(成長市場)
・米子駅南北自由通路(鳥取)
・リチウム硫黄電池(GSユアサ)
・リチウム金属電池(次世代電池)
・ワイヤレス給電(ソフトバンク)
【用字用語】
1)棒二森屋=ぼうにもりや(名称:百貨店)
2)PFAS=ピーファス(化学:有機フッ素化合物)
3)大和村=やまとそん(地名:奄美大島)
4)猿払村=さるふつむら(地名:北海道)
5)湧別町=ゆうべつちょう(地名:北海道)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2021年12月号」
Future Lab 未来人
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