月刊 未来人
FUTURE REPORT MAR 20 2021
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。
・該当数 173/56616
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2023 超小型衛星3機による広域の光通信が実現(世界初)
2023 東京虎ノ門の高さ240メートルのビルに高級ホテルが開業
2023 筋萎縮性側索硬化症(ALS)を治療する技術の治験がはじまる
2023 京都の醍醐寺が宇宙寺院を建立(人工衛星に大日如来像を搭載)
2023 米半導体大手が次世代CPUを市場投入(回路線幅7ナノ)
2023 原油、天然ガスと同時に水素を製造する装置がオマーンで稼動
2023 東京港区の高層ビルに高さ330メートルの住宅が登場(最上階)
2023 JAXAが宇宙放射線に耐える半導体を開発(宇宙で5Gを実現)
2023 婦人解放に尽くした伊藤野枝の没後100年(福岡市出身)
2024 UAEが月面に探査機を着陸させる
2024 ブダペストに中国の名門大のキャンパスができる(ハンガリー)
2024 高知のハウスが山梨の高級ブドウを収穫
2024 大分県竹田市で久住産ウイスキーの販売がはじまる
2024 EVのパワートレインがエンジンより低コストになる
2024 日本周辺海域でサンゴ礁の白化が常態化
2025 石川県の里山で開発された次世代モビリティーが市場に登場
2025 カドミウムを吸収しない秋田産米の新品種が市場に登場
2025 国産の量子暗号通信が実用化(スイス、中国が先行)
2025 中国が国土の約57%で人工降雨を実現(世界最大級)
2025 北海道北見市でカーリング観戦を盛り上げる技術開発が完成
2025 香港の住民105万人が英国に移住(BNO旅券所持者)
2025 EVの需要が急増しはじめる(分水嶺)
2029 米国で小型モジュール炉(SMR)が運転を開始(次世代原発)
2030 鹿児島県大崎町が使い捨て容器を全廃(脱プラスチック)
2030 中国のキリスト教人口が3億人に達する
2035 自動車部品の半分が不要になる(脱ガソリン車)
2040 人工培養肉が食肉消費の35%を占める
2050 コウノトリやツルが飛来する環境が吉野川から全県にひろがる(徳島)
2050 ほとんどの人々が設計寿命がすぎたダムの下流域で暮らす
2121 バッテリーを搭載したEVが博物館の展示物になる(100年後)
【未来動向―基盤】
2023 関電が使用済み燃料の中間貯蔵施設の候補地を確定(福井県外)
2024 英ランドローバーが初のEVをラインアップ
2025 米バイデン政権が環境、インフラ分野に2兆ドルを支出
2026 米ロの新STARTが期限を迎える(2021年2月の期限を5年延長)
2030 東京都の新たな臨海副都心開発が第1段階を終える(CO2は1/2)
2030 水素の供給コストが1立方メートル30円に下がる(現状は100円)
2050 東京都の新たな臨海副都心開発が第2段階を終える(脱炭素化)
2050 東京都の新たな臨海副都心開発が第3段階に入る(2050年以降)
2050 水素の供給コストが1立方メートル20円以下に下がる(現状は100円)
2022* 日銀がデジタル通貨(CBDC)の技術的な検証を終了(デジタル円)
2023 EUが国境炭素調整措置(CBAM)を導入(国境炭素税)
2023 中国の国内電子部品市場2兆1000億元(2019年比で約1.2倍)
2023 燃料アンモニアを混焼する石炭火力発電技術が確立
2025 福島が電力消費の再生可能エネルギー割合100%を達成
2025 国連SDGsが海洋ごみの大幅削減を達成
2025 学校の校長20%、副校長・教頭25%が女性になる(国公私立合計)
2025 燃料アンモニアを20%混焼する石炭火力発電が実用化
2026 国内から紙の約束手形が消える(電子手形に移行)
2028 政府のグリーン成長戦略がゼロエミッション船の商業運航を実現
2030 国際海事機関(IMO)が船舶の平均燃費を4割改善(2008年比)
2030 大阪府が新車販売の9割を電動車にする(2019年は36.6%)
2030 東京都が温室効果ガス排出量を50%削減(2000年比)
2035 米国の温室効果ガス排出量が発電部門で実質ゼロになる
2040 燃料アンモニアだけの火力発電が実現(2040年以降)
2050 国際海事機関(IMO)が船舶の温室効果ガス排出量を半減
2050 政府のグリーン成長戦略が次世代船への転換を完了
2050 米国の温室効果ガス排出量が社会全体で実質ゼロになる
2050 アンモニア燃料の国内消費量が年3000万トンに拡大
2025 バイデン米大統領(第46代)が最初の任期を終える
2065 国内の水需要がピーク時から4割減少(人口減少)
【未来動向―市場】
2023 中国の国内電子部品市場2兆1000億元(2019年比で約1.2倍)
2023 東京23区でオフィスビルが大量供給される(不動産業の2023年問題)
2024 小松空港、富山空港の経営環境が悪化(北陸新幹線の敦賀延伸)
2025 米バイデン政権が環境、インフラ分野に2兆ドルを支出
2025 中国の新型インフラ投資(7技術領域)が10兆6000億元に達する
2025 中国が温室効果ガス排出量取引を鉄鋼、建材、石油化学などに拡大
2025 世界の携帯電話加入数が101億に増える(2017年比で約2割増)
2025 中国吉林省の新型インフラ関連投資が1兆元を超える
2025 電動車の主流がHVからEV、FCVに移行する
2027 EV向け充電インフラ市場276億ドル(2019年は25億ドル)
2030 おむつ大手がインド、アフリカ、南米に市場をシフト(中国の競争激化)
2030 電動車の世界市場が約6170万台に拡大(2020年は約960万台)
2030 このころまでHVが電動車の主流になる
2030 国内コミュニケーションロボ市場約900万台(2018年は約30万台)
2030 企業保有車の世界市場2700万台(2020年比で5倍。物流の増大)
2035 量子暗号通信の世界市場約2兆1000億円
2040 人工培養肉が食肉消費の35%を占める
2045 ハノイ市の1人あたりGDPが3万6000ドル以上になる(現在は5000ドル)
2050 アジアの肉、魚介類消費が約80%増える
2065 国内の水需要がピーク時から4割減少(人口減少)
【未来動向―自動車】
2022 日産がeパワー搭載車を欧州に投入(2021年に中国投入)
2023 米フォードがアンドロイドOSを搭載(コネクティッドカー)
2023 スズキが軽自動車すべてに簡易HVをラインアップ(2-3年後)
2024 EVのパワートレインがエンジンより低コストになる
2024 英ランドローバーが初のEVをラインアップ
2024 中国でEVの保有コストがガソリン車と同じになる
2025 石川県の里山で開発された次世代モビリティーが市場に登場
2025 EVの需要が急増しはじめる(分水嶺)
2025 英ジャガーがすべてEVになる
2025 独VWのデジタル化投資が270億ユーロに達する
2025 トヨタが米国販売の電動車比率を17→40%に高める(HVを含む)
2025 米フォードがEVと自動運転に290億ドルを投資
2025 米GMがEVの開発に270億ドルを投資
2025 独VWがEVの割合を世界販売の2割に高める
2025 札幌のタクシー会社が保有車両すべてをEVにする
2025 現代自が新型のEVを23車種市場投入(2021-25年)
2025 現代自が年間100万台のEVを販売(2019年比で約10倍)
2025 日本のEV急増のタイミングがこの年以降にずれ込む
2025 EVの保有コストが下がらずガソリン車が需要され続ける
2026 英ランドローバーがEVモデルを6車種に増やす
2030 企業保有車の世界市場2700万台(2020年比で5倍。物流の増大)
2030 大阪府が新車販売の9割を電動車にする(2019年は36.6%)
2030 米トヨタが電動車比率を17→70%に高める(HVを含む)
2030 この年までHVが世界の電動車の中心になる
2035 自動車部品の半分が不要になる(脱ガソリン車)
2035 米GMがエンジン車を全廃
2035 日本のHVとFCV開発と欧米のEVが、ともにゴールを迎える(決着?)
2035 中国が人工降雨で世界をリードする
2039 英ジャガー・ランドローバーがカーボンニュートラルを達成
2039 独ダイムラーと三菱ふそうが日米欧向けの新型車をEVかFCVにする
2040 米GMがCO2排出量の実質ゼロを達成
2050 日産が生産から廃棄までのCO2実質ゼロを達成
2050 CO2と水素で作るガソリン車向けの合成燃料が普及
2050 札幌市が市内の車すべてを非ガソリン車にする
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国連大学水・環境・保健研究所(UNU-INWEH)
「老朽化する水インフラ:新たに出現するグローバル・リスク」
・米国とロシアの新戦略兵器削減条約(新START)延長合意
・米民主党ジョー・バイデン前副大統領(78)の第46代大統領就任
・バイデン米大統領の経済再建策
・中国工業情報化省の電子部品産業「発展行動計画」
【国内】
・第5次男女共同参画基本計画(2020年末閣議決定)
・経済産業省、グリーン成長戦略
・国土交通省、中部国際空港の新滑走路計画
【企業/大学全国区】
・醍醐寺(京都)とテラスペースの宇宙寺院構想
・森ビル「アマンレジデンス東京」
・森ビル「ジャヌ東京」誘致計画
・広島大学のカーボンニュートラル宣言
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・北海道の「ゼロカーボン北海道」推進
・札幌市の脱炭素計画
・札幌市の2050年のガソリン車ゼロ目標
・岩手県「いわて気候非常事態宣言」発表
・秋田県「あきたこまちR」開発
・福島「県2050年カーボンニュートラル」宣言
・福島「県再生可能エネルギー推進ビジョン」の2021年度改定に向けた検討
・埼玉県所沢、飯能、狭山、入間、日高5市の県西部地域まちづくり協議会
「ゼロカーボンシティ」共同宣言
・小池百合子東京都知事のダボス・アジェンダ発言
・東京都の新たな臨海副都心開発計画案
・山梨県と県内全市町村の「ストップ温暖化やまなし会議」設立
・大阪府「地球温暖化対策実行計画」(2020年度末)
・岡山県、岡山大学、地元企業のおかやま自動車要素技術共創コンソーシアム
・徳島県流域コウノトリ・ツルの舞う生態系ネットワーク推進協議会
・佐賀県「SAGAサンライズパーク」事業
・久米島町エネルギービジョン2020実施計画
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・2030年に向けたNATO新戦略
・国地方脱炭素実現会議ロードマップ(3月)
・IEAエネルギー部門のCO2排出ゼロ工程表(5月)
・エネルギー基本計画見直し(6具体案以降)
・デジタル庁発足(9月)
・商用車の電動化目標まとめ(夏)
・国境炭素税、カーボンプライシング(CP)制度案
【今月登場した未収録の未来】
・新冷戦
・ベラルーシ、ルカシェンコ政権
・重いニュートリノ(新種)
・認知症予防薬アミロイドβ(Aβ)
・ストリートメディカル
・メタン対策(温室効果ガス)
・脳波による生体認証
・爪の凹凸による生体認証
・JR吉備線のLRT化計画
・堺市の東西交通網
・三浦按針の大河ドラマ化(横須賀市)
・太田道灌の大河ドラマ化(伊勢原市)
【今月決着した未来】
・米ロ、新START延長合意(2月)
・米IT5社過去最高益(2020年12月期)
・中国の天問1号、UAEのホープ火星投入
・仏ドゴール空港の拡張計画中止(2037年→×)
・ブレイクダンスのプロリーグ日本開幕(1月)
・潮流発電実証実験開始
【今月の未来語】
・EV充電インフラ市場
・JR西の大阪駅西北ビル(再開発)
・あきたこまちR(新品種)
・アマンレジデンス東京(森ビル)
・伊藤野枝(没後100年)
・宇宙寺院(醍醐寺)
・宇宙放射線の影響を受けない半導体(JAXA)
・英海外市民(BNO)旅券(香港問題)
・エリートツリー(花粉のすくない品種)
・海洋ごみ
・ガソリン車ゼロ(札幌市)
・旧ロシア領事館(函館市)
・久住ウイスキー(大分)
・クリーンミート(人工培養肉)
・ゲートウエー(NASA)
・小型モジュール炉(SMR)
・古紙(段ボールの原料)
・湖沼熱波
・国境炭素調整措置(CBAM)
・札幌市のMICE施設
・次世代CPU(米インテル)
・ジャヌ東京(ホテル)
・使用済み燃料中間貯蔵施設の県外候補地(福井)
・新型インフラ7領域(中国)
・人工降雨(中国)
・スーパーキャパシタ
・ゼロエミッション船
・仙台駅東口(再開発)
・大学入試改革(再検討)
・脱炭素船
・脱炭素燃料(合成燃料)
・中部国際空港の24時間運用(愛知)
・デジタル円
・としまえん跡地(再開発)
・燃料アンモニア産業(経産省)
・北条5代(NHK大河)
・水需要
・未来医療国際拠点(大阪)
・量子暗号通信(東大、NEC)
・老朽ダムの危険
・ローカル5G
【用字用語】
1)エリートツリー(林業:成長がよく花粉のすくない林木品種、精英樹)
1)クリーンミート(食品:人工培養肉)
2)湖沼熱波(環境:湖沼表層温度の異常上昇)
3)厚真町=あつまちょう(地名:北海道)
4)久住=くじゅう(地名:大分)
5)勇払原野=ゆうふつげんや(地名:北海道)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2021年3月号」
Future Lab 未来人
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