月刊 未来人
FUTURE REPORT JUL 20 2018
毎月20日にデータの更新をします。そのおなじ20日に、アップデートしたデータから見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートします。冒頭のグラフ「FUTURE MAP」は、しばらくお休みします。
・該当数 219/50473
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2020 自転車の転倒を防止する装置が実用化
(子育て、高齢者向け)
2020 アパレル大手がモヘアの使用をとりやめる
(アンゴラヤギの毛)
2020 毛包を培養して髪を再生する技術が実用化
2020 韓国の自治体がクルマの完成車工場を稼動
(年産10万台)
2020 航空大手が成田空港の近くに観光農園をオープン
2020 ISSの日本棟が超小型人工衛星を年間100基放出する
(民間開放)
2020 中国で無人ロボットレストランが1000店開店
(1号店は2018年)
2020 石油元売り大手が大型植物工場を稼動
(レタス1日3万株を収穫)
2020 ノルウェー沿岸輸送に無人電気推進船が活躍
2021 早大政経学部の募集定員が300人に減る
(現状は450人)
2021 静岡県西部大が静岡県中部大を傘下におさめる
(国立大の法人統合)
2022 WHOがゲーム障害を病気と認定(国際疾病分類発効)
2022 沖縄の宮古島が成層圏を飛ぶ観光風船を完成
2022 群馬県が開発した冷水病に強いアユの量産が本格化
2022 北海道の国立3大学が北海道連合大学機構を結成
(アンブレラ方式)
2023 小売大手がニホンウナギの調達を停止
2023 東京田端に芥川龍之介の記念館ができる
(田端文士村)
2023 人工トランス脂肪酸が世界の食品から排除される
(WHO)
2024 50歳以上が日本の人口の半数を占める(2024年問題)
2025 EUが使い捨てプラスチック製ボトルを9割回収
2025 京都市が緑被率を37%に高める
(コインパーキングを緑化)
2026 英ヒースロー空港の第3滑走路が完成
(旅客輸送能力1億3000万人)
2028 人口世界一の都市がインドのニューデリーになる
(現在は東京)
2028 米海兵隊が大型無人戦闘機「MUX」を配備
2028 米軍の強襲揚陸艦が沖縄辺野古の新基地に停泊する
2030 量子コンピューターがRSA暗号を数時間で解読する
2030 東京で販売される新車の50%がZEVになる
(政府目標は最大30%)
2030 ドバイのサスティナブル・シティが建物の25%を
3Dプリンターで建設
2030 渋滞による経済損失が新興国で3兆9000億円に達する
2033 全国の空き家が約2170万戸に膨らむ(3戸に1戸)
2035 東京23区の高齢者世帯が1.4倍に増える
(51万世帯増)
2040 沖縄の世帯数が64万8000世帯でピークを迎える
2040 カナダ、欧州がプラスチック包装のリサイクル比率を
100%に高める
2040 ガソリン車、ディーゼル車の新車販売が世界市場の
6割以下にとどまる
2050 インドネシアが世界4位の経済大国になる
2050 ドバイがCO2排出量の世界一すくない都市になる
2050 世界人口の68%が都市で暮らす
2050 ロシアの都市人口が総人口の83.3%を占める
2050 世界の家庭の2/3がエアコンを設置する
2050 先進国の住民の80%が都市生活者になる
(途上国は60%以上)
2050 土地の劣化が世界に23兆ドルの経済損失をもたらす
2050 世界のエアコンを設置した建物の数が56億棟に増える
(現状は約16億棟)
2050 ロシアの農村人口が2210万人に減る
(現状は3680万人)
2100 生殖補助医療で生まれた人とその子孫が
3億9400万人に増える
2110 人間のIQが84程度に低下する(現状は88程度)
【未来動向―基盤】
2019* 島根原発3号機が稼動(震災後初の新設)
2019 行政が日付データを西暦に一本化(書類は一部元号)
2019 3-5歳児の認可、認定施設の利用料が
全世帯で無償になる
2019 0-2歳児の認可、認定施設の利用料が
住民税非課税世帯で無償になる
2019 認可外保育と幼稚園の預かり保育が
上限付きで無償になる
2019* 政府が国立大学法人に複数大学の経営を認める
2020 公道上の無人自動運転がサービス化
2020 所有者不明の土地が生じなくなる
2020* 年収380万円未満の世帯を支援する高等教育
無償化がはじまる
2020 政府が辺野古沿岸の埋め立てを終える
(米軍普天間飛行場問題)
2020 公道で自動運転車を運行するサービスが
地域限定ではじまる
2020* ビッグデータをAIで処理する自治体が300に増える
2020* 医療機関が個人の診療情報を共有する
2020 勤務間インターバル制度の導入企業が10%以上になる
(過労死防止大綱)
2020 心のバリアフリー学習が盛んになる
(人格と個性の尊重)
2020 SDGsが国内30%の自治体に波及(2017年は1%)
2021 EUがユーロ圏共通予算を創設
2021* 基礎的財政収支の赤字を対GDP比で1.5%程度に半減
(2017年度比)
2021* 国の債務残高が対GDP比で180%台前半に減る
(2017年度は189.4%)
2021* 財政収支の赤字が対GDP比で3%以下になる
(2017年度は4.8%)
2021 英国とEUの無関税貿易がこの年12月まで継続
2021 福島第一原発事故と健康に関する国連科学委員会の
最終報告がまとまる
2021 朝鮮半島の非核化が大きく前進
(トランプ米大統領の任期中)
2022 フィリピン南部のミンダナオ島にイスラム自治政府が
誕生
2022 医学部の入学定員が全国規模で削減される
2024 フランスが高速炉アストリッドの建設の
是非を判断する
2024 青森の大間原発が運転を開始
(プルサーマル発電に特化)
2025* 介護現場の人手が約34万人不足する
2025* 財政再建目標の達成がこの年になる
(従来目標は2020年)
2025 政府が外国人労働者50万人超を受け入れる
(2019-25年)
2025* 介護が必要な65歳以上が約770万人にのぼる
(1.22倍)
2028 このころ医師が供給過剰になる
2028 東京23区の大学の定員増がこの年3月末まで
認められなくなる
2030 FCV向け水素の販売価格が1立方メートル20円になる
2030 レベル3の自動運転車が国内新車の3割以上を占める
(成長戦略)
2040* 医療、介護などの社会保障給付費が約190兆円
(1.6倍)に膨らむ
2040 日本の総人口が1億1092万人になる(1561万人減)
2040 日本の65歳以上人口が35%を占める
(2018年は28%)
2040 日本の15-64歳人口が54%にとどまる
(2018年は60%)
2040* 日本の健康寿命が男性75.14歳、
女性77.79歳になる
(現状は男性72.14歳、女性74.79歳)
2040* 医療、介護の職員数が全就業者の18.8%を占める
(1065万人)
2040* ICTの導入が医療、介護の職員数を935万人に抑える
2040* 介護の社会保障給付費が25.8兆円(2.4倍)に膨らむ
(2018年度は10.7兆円)
2040* 医療、介護などの社会保障給付費がGDPの
24%を占める(2018年度は21.5%)
2040* 医療の社会保障給付費が68.5兆円(1.7倍)に膨らむ
(2018年度は39.2兆円)
2040 この年までロシアがオーストリアに天然ガスを供給
2080 フランスの高速炉アストリッドが実用化
(緊急性なし)
【未来動向―市場】
2020 観光客を自動撮影するサービスが500カ所以上普及
2020 国内の醤油メーカーが南米に進出
2020 中国地方に宿泊する訪日外国人がのべ320万人に倍増
2020 北米スマートビル関連市場が57.4億万米ドル
以上に成長
2020 東京23区、大阪市、京都市でホテルの客室が
38%増える
2021 スマートシティ事業がブラジルIoT市場の
20%を占める
2022* 山陽新幹線を利用する観光客が15万人増える
2023 小売大手がニホンウナギの調達を停止
2025 スマートシティ関連市場が2兆米ドル以上に成長
(世界)
2025 日本のキャッシュレス比率が4割に高まる
2025 EV向けリチウムイオン電池市場が5倍に拡大
(2016年比)
2030 渋滞による経済損失が新興国で3兆9000億円に達する
2030 国内の醤油メーカーがアフリカ、インドに進出
2030 次世代ICTインフラの整備が73兆円の
経済的効果を生む
2030 米欧中のMaaS市場が1兆5000億ドルの規模に成長
(年成長率24%)
【未来動向―自動車】
2020 公道で自動運転車を運行するサービスが
地域限定ではじまる
2020 韓国の自治体がクルマの完成車工場を稼動
(年産10万台)
2020 シンガポールの道路課金システムが
測位衛星型に換わる
2020 奈良県の5市町村が飛鳥ナンバーを交付
2020 トヨタが燃料電池と高圧水素タンクの新工場を
稼動(愛知)
2020 三菱ふそうが通信機能を搭載したトラックを
10万台販売
2020 英ロールスロイスが全従業員の約9%を人員削減
(4600人)
2022 日野自がレベル3の自動運転車を市場投入
2023 日産自が新車1台あたりのCO2排出量を4割削減
(2001年比)
2025 北米のeヘイリング(配車)市場が1200億米ドルに
成長(2018年は約500億米ドル)
2025 日野自がレベル4の自動運転車を市場投入
(高速道路などに限定)
2030 FCV向け水素の販売価格が1立方メートル20円になる
2030 東京で販売される新車の50%がZEVになる
(政府目標は最大30%)
2030 自動運転による地域限定の移動サービスが
全国100カ所以上に拡大
2030 UDが次世代技術を搭載したトラックを量産化
2040 ガソリン車、ディーゼル車の新車販売が世界市場の
6割以下にとどまる
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・世界保健機関(WHO)国際疾病分類(ICD)最新版
・G7のカナダ提案「海洋プラスチック憲章」(日米が拒否)
・米海兵隊、大型無人戦闘機「MUX」開発計画
・英ヒースロー空港第3滑走路新設最終案
・ドバイ首長国「3Dプリンター」計画
・フィリピン、バンサモロ基本法可決成立
・メコン川流域5カ国経済協力戦略会議(ACMECS)首脳会議
【国内】
・政府、経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)
・政府、統合イノベーション戦略
・政府、未来投資会議の成長戦略素案
・地方大学振興法の可決成立
・統合型リゾート(IR)実施法案衆院通過
・政府、人生100年時代構想会議の人づくり革命基本構想
・自民党、人生100年時代戦略本部提言
・政府、水素基本戦略(2017年末)
・所有者不明土地対策の基本方針決定
・政府「SDGs未来都市」29自治体選定
・知的財産分野の政府戦略ビジョン見直し
・沖縄防衛局の沖縄県に対する通知書
・2018年版障害者白書
・医師不足に関する厚生労働省の専門家会議報告書
・厚生労働省「過労死防止大綱」改定案
・文部科学省「心のバリアフリー学習推進会議」
【企業/大学全国区】
・JR西日本「せとうちパレットプロジェクト」
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・苫小牧市「苫小牧国際リゾート構想」
・山形「県国際戦略」(2015年3月)
・東京建物など6社「SHINTO CITY」開発計画
・南足柄市「道の駅 金太郎のふる里」(仮称)整備事業
・京都市「京(みやこ)のみどりの駐車場パートナー」協定
・鳥取「県農業生産1千億円達成プラン」
・南西地域産業活性化センター(NIAC)の世帯数推計
(沖縄)
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり
【今月登場した近未来】
・仏高速炉アストリッド計画への日本の協力(年末)
・中国、月裏側探査(年内)
・韓国、月城原発1号機の閉鎖
・4K8K放送
・エイジフリー社会の工程表(年末)
・デジタルファースト法案(年内)
・統合型リゾート(IR)実施法案成立
・大阪都住民投票
【今月登場した未収録の未来】
・海洋プラスチック憲章
・国際連帯税
・仏高速炉アストリッド計画縮小(仏原子力庁CEA)
・独VW、米フォードの業務提携内容
・CLASSICS ACT(1972年以前の音源に対する著作権)
・SDGs未来都市
・自治体SDGsモデル事業
【今月決着した未来】
・マレーシア、シンガポール高速鉄道計画中止
・愛知アジア大会2026年開催
・成人年齢の2022年引き下げ(民法)可決成立
・地方大学振興法可決成立
・トキ220羽定着(前倒し達成)
・名古屋栄丸栄周辺の一体開発延期
【今月の未来語】
・ACMECSマスタープラン(メコン川流域5カ国)
・eヘイリング市場
・IQの世界的低下
・MRJ 70(三菱重工)
・SDGs未来都市
・芥川龍之介記念館(東京)
・飛鳥ナンバー(奈良)
・海の日固定化
・エイジフリー社会
・大型無人戦闘機MUX(米軍)
・海上作戦センター(防衛省)
・鹿児島中央駅東口
・カメラシェアリングサービス(パナソニック)
・銀座ソニーパーク
・ゲーム障害(WHO)
・国立大の法人統合(アンブレラ方式)
・心のバリアフリー(文科省)
・さいたま新都心駅前
・島根原発3号機(中電)
・島根国体
・新山口駅北口
・水素基本戦略
・生殖補助医療
・旦旦返還(神戸のパンダ)
・知財戦略ビジョン
・着座サービス(JR西)
・デジタルファースト法案
・土地の劣化(UNCCD)
・ドバイ未来財団
・トランス脂肪酸(WHO)
・ニホンウナギ(絶滅危惧種)
・ヒースロー空港第3滑走路(英)
・松山市駅西側
・みなし放棄制度(所有者不明土地問題)
・無人ロボットレストラン
・メーキング・インドネシア4.0
・ユーロ圏共通予算(EU)
・海洋プラスチック憲章
・勤務間インターバル制度(厚労省)
・国民スポーツ大会
・地方大学振興法
・統合イノベーション戦略
・特定技能評価試験(仮称)
・苫小牧国際リゾート構想(北海道)
・辺野古の軍港化
・北海道連合大学機構(国立大の統合)
・無線式ATC(JR西)
・緑被率
・和光市南口駅ビル
【用字用語】
1)唐門=からもん(国宝)
2)富津=ふっつ(千葉)
3)南山城村=みなみやましろむら(京都)
4)夢洲=ゆめしま(大阪)
5)白馬=しらま(和歌山)
6)醤油=しょうゆ(常用外)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2018年7月号」
Future Lab 未来人
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