月刊 未来人
FUTURE REPORT FEB 10 2015
毎月10日にアップデートするデータから、見どころを選んで「月刊 未来人」としてレポートしています。冒頭のグラフは2014年から何年後に何件の予測が集中しているかを示します。ヨコ軸の数値に2014を足すことで西暦に一致します。
・該当数 191/39536
※2100年超を含む
未来の動向
未来の変わり目を予感させるもの、ユニークな取り組みを「焦点」に集めました。政府の計画など、社 会的に影響の大きな未来は「基盤」として別にまとめてあります。両方から、1カ月間の変化のあらましが把握できます。「市場」「自動車」はすこし性質がこ となりますが、試験的にまとめてみました。
※西暦末尾のアスタリスクは「年度」を意味する
例)2020*=2020年度
【未来動向―焦点】
2015 長崎のテーマパークが植物工場による野菜栽培を開始
2015 食品、日用品の値上げが家計を直撃する
2016* 屋内培養の量産ミドリムシが商品化
2016* 名古屋市が燃料電池で走るLRTの導入可否を決定する
2016 沖縄県が非飛散性アスベスト対策を含めた環境保全
条例を施行(4月)
2016 2030年の日本を描き出す共同研究「移りゆく日本に
関する研究」の成果がまとまる
2016 月探査レース「Google Lunar XPRIZE」が実現の期限
を迎える(従来期日の2015年末を1年延期)
2017 マイナンバーを利用した健康保険証の運用がはじまる
2017 米国が世界最速のスパコンを稼働
2017 香港行政長官選挙が1人1票すら実現できなくなる
2017 高画質の映画が数秒で転送できる技術が実用化(実効
速度は毎秒2ギガビット)
2017 「東アジア漢字データベース」の索引が約1万4000字に
達する
2017 女性のマンガ家志望者を誘致した「古町ハウス」が
最初の居住期限を迎える(新潟)
2017 近畿大がキハダマグロ(準絶滅危惧種)の完全養殖を
実現(世界初)
2017 サウジ、イスラエルで塩分濃度差を利用した「浸透圧
発電」事業がはじまる
2017 マレーシアが地面効果翼機(WIG)を製造
2017 中国が観光地のトイレを革命的に清潔にする
2017 劇団「新国劇」(1917-87年)創設100年
2018 マイナンバーが銀行の預金口座に適用される
2018 中国と東南アジア5カ国が東西経済回廊を整備
2018 円山動物園でアジアゾウ4頭の飼育がはじまる(秋)
2018 ロシアの研究機関が世界最大のバイオレポジトリーに
なる
2018 東京都が「英語村」(仮称)を設置
2019 百貨店大手が製造小売り事業(SPA)の割合を20-25%
にひきあげる
2019 東京、日本橋室町3丁目のオフィスビルが周囲のビル
に電気を販売(大型コジェネ)
2019 日本のパスポートが新しいデザインに変わる
2020 電子回路の電気信号をレーザー光に換える電子部品が
実用化
2020 大便のガスを検知して腸内の健康状態を判断する温水
洗浄便座が実用化
2020 岩手県釜石市のリニア式波力発電システムが、この年
以降に実用化
2020 太平洋―カリブ海間を結ぶ「ニカラグア運河」が開業
2020* 認知症の根治薬の治験がはじまる
2020 「ロボットオリンピック」(仮称)が開催される
2021 多面的総合評価による大学入試がはじまる
2024 米ボストン市が夏季五輪、パラリンピックを招致
2025 下水汚泥から水素を得る国産技術が商用化する
2025 木炭、薪の生産量に占めるアフリカの割合がアジアと
肩をならべる
2042 団塊ジュニアが貧しい高齢者になる(2042年問題)
2045 中国が男女の定年退職年齢を65歳に一本化
2045 平均的な人の寿命が100歳に達する
2050 化石燃料埋蔵量が石炭8割、天然ガス半分、石油1/3未
開発にとどまる(気温上昇2度未満の条件)
2050 中国の65歳以上人口が総人口の4割を占める
2050 80歳未満のがん死亡者がいなくなる
2090 オーストラリアの気温が2.8-5.1度上昇する
2095 男女の経済格差が世界中で解消される(81年後)
【未来動向―基盤】
2015 日本郵政が金融2社と同時に東証に上場する
2015 北極海を航行する船舶の油の排出を禁止した条約が採
択される(海洋汚染防止条約の改正)
2016 世界のGDPが3.7%の成長にとどまる(IMF)
2016 先進国のGDPが2.4%成長する(IMF)
2016 米国のGDPが3.3%成長する(IMF)
2016 ユーロ圏の実質GDPが1.4%の成長にとどまる(IMF)
2016 日本の実質GDPが0.8%の成長にとどまる(IMF)
2016 中国の実質GDPが6.3%の成長にとどまる(IMF)
2016 世界の実質GDPが3.3%の成長にとどまる(世銀)
2016 日本の実質GDPが1.6%成長する(世銀)
2016 消費税の軽減税率関連法案が通常国会に提出される
2016 米国がサイバー部隊の人員を6200人規模に増強
2016 就職活動の学生に残業時間などの開示が義務付けら
れる(若者雇用対策法)
2016 高額所得者に「財産債務調書」を提出させる制度が
スタートする
2016 米国がメタンの排出量を40-45%削減(2012年比)
する新規制を導入
2016 長崎県西海市の小型潮流発電システムが1キロワット
アワー40円の発電コストを実現
2016 黒潮を利用した水平浮体方式の海流発電システムが
1キロワットアワー40円の発電コストを実現
2016 国内で8Kテレビの試験放送がはじまる
2017 監査法人を監督する国際機関が創設される
2017 米海軍横須賀基地の艦船が14隻態勢になる
2017 大阪府の「チャレンジテスト」が高校入試の内申点に
取り入れられる
2017 75歳以上の医療保険料を軽減している特例措置が廃止
される(後期高齢者の約半数が負担増)
2017 政府のマイ・ポータルで国税、年金保険料の納付が
可能になる(省庁のキャッシュレス化)
2017 北極海を航行する船舶の安全基準が発効(海上人命
安全条約の改正)
2017* 東京都が避難所の管理運営マニュアル策定率を100%
に高める(東京の防災プラン)
2017 ロシア財政の準備資金が、このころ枯渇
(2016-17年)
2017 韓国の学校が、小学校から大学まで秋入学を試験導入
2018 国民が保有する海外資産の情報が、国税庁に集めら
れる(租税回避の監視)
2018 不作に備える農家の「収入保険」が導入される
2018 国内で8Kテレビの本放送がはじまる
2019 山形大医学部の重粒子線がん治療施設が治療を開始
2019 結婚、子育て資金の贈与を1000万円まで非課税にす
る制度が終了(3月末)
2020 政府が国家公務員の業務の10%をテレワーク化する
(2013年は約0.1%)
2020 「東京の防災プラン」全54項目が、この年まで実施
される
2020* 東京都が、都営住宅の耐震化率を100%に高める
(東京の防災プラン)
2020 国内の血液が約44万人分不足する(献血率低迷)
2020 長崎県西海市の小型潮流発電システムが1キロワット
アワー20円の発電コストを実現
2020 黒潮を利用した水平浮体方式の海流発電システムが
1キロワットアワー20円の発電コストを実現する
2020 中国の特許出願件数が3倍に増大
2020 ロシアが産業用ベリリウムの製造を開始(世界で4番
目)
2020 中国の生産年齢人口が、この年から10年間、毎年790
万人減少する(2020-30年)
2022* 北陸新幹線の金沢―敦賀間が開業(3年前倒し)
2024 台湾国防部が国産潜水艦を完成
2025 米国がメタンの排出量を40-45%削減(2012年比)
2025 65歳以上人口に占める認知症の人の割合が700万人前
後に増加する(2012年は462万人)
2025 ロシアが「クリール諸島社会経済発展計画」による
千島列島の社会基盤整備を終える(2016-25年)
2027 国内血液需要がピークに達し、約85万人分の血液が
不足する(献血率低下)
2028 米カリフォルニア州の高速鉄道が、このころ全線開通
する
2028 アスベストを含んだ民間建築物の解体が、このころ
ピークを迎える
2030 日本の電源構成(ベストミックス)に占める原発の
割合が約20%になる
2030* 北海道新幹線が札幌に到着する(札幌開業)
2030 中国の4人に1人が60歳以上になる(3億5000万人)
2030 中国の65歳以上人口が2億1000万人に達する
2030 中国の生産年齢人口が、この年から20年間、毎年835
万人減少する(2030-50年)
2031 インドネシアで次世代原発の高温ガス炉が実用化
2042 日本の高齢者人口が3878万人に達し、ピークを迎える
(2042年問題)
2042 日本の20-64歳人口が2025年比で1345万人少なくなる
(2042年問題)
2050 北九州空港が、九州と西中国の物流拠点に成長する
2060 この年まで台湾の生産年齢人口が毎年平均18万人減少
【未来動向―市場】
2016 国内の格安スマートフォン契約数が1500万件に達する
2016 国内のモバイルデバイス市場が回復に転じる(出荷台
数)
2016 供給過剰による原油価格の低迷が、この年まで継続
2017 イスラエル政府が日本からの観光客数を45%拡大
2017 韓国家電大手がインターネットで通信する製品の割合
を9割に高める
2017 学習ゲームの市場が23億ドル(約2700億円)の規模に
成長する
2018 モロッコ経済がこの年まで年平均4.8%成長する
2018 国内のミドリムシ市場が約300億円の規模に拡大する
2018 医療機器の世界市場が約4536億ドルに達する
2018 情報セキュリティー対策商品の国内市場が3004億円の
規模に達する
2018 国内医療分野でのタブレット端末市場が、この年まで
年間平均成長率15.0%で拡大(2013-18年)
2019 百貨店大手が製造小売り事業(SPA)の商品割合を20-
25%にひきあげる
2020 蓄電池の世界市場が20兆円の規模に成長
2020
2020 自動車向けが炭素繊維市場の柱になる(年間10万
トン)
2020 大型事業向けプロジェクトファイナンスが倍増する
2020 クラフトビールが国内ビール市場の2-3%を占める
2020 アジア太平洋の軍事予算が米国、カナダを上まわる
【未来動向―自動車】
2016* 名古屋市が燃料電池で走るLRTの導入可否を決定
2016 農機大手が130-170馬力の海外向け大型トラクターを
全国で販売
2016 自動車「ブラッドハウンド・スーパーソニックカー
(SSC)」が時速1000マイルに挑戦する
2017 独ダイムラーがPHV10車種を市場投入する
2017
2017 stopping lipitor cold turkey side effects 米GMが3万ドルのEVを市場投入する(約350万円)
2020 自動車向けが炭素繊維市場の柱になる(需要は年間10
万トン)
2020 トヨタがFCV関連の保有特許約5610件を、この年まで
無償提供する
2025 what is in lexapro that causes weight gain 下水汚泥から水素を得る国産技術が商用化
2025 三菱自動車が独自開発のFCVを発売する
未来に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名
今月の予測に影響を与えた各種の会議、レポート、プロジェクト名などを列挙しました。社会の動きを把握する目安になります。
【海外】
・国際通貨基金(IMF)世界経済見通し
・世界経済フォーラム(WEF)の年次報告書
・国際海事機関海上安全委員会、海上人命安全条約改正案
・51カ国・地域の監査法人監督国際機関設立構想
・米国オバマ政権のメタン排出削減目標
・米国防総省の欧州駐留米軍再編計画
・米国オリンピック委員会(USOC)理事会の候補都市決定
・ロシア政府「クリール諸島社会経済発展計画」
・中国主導の大メコン圏(GMS)首脳会議共同声明
・韓国政府「秋学期制」検討
・梁振英香港行政長官の議会報告
・インドネシア、日本の高温ガス炉共同開発
・「ニカラグア運河」工事開始宣言
【国内】
・認知症国家戦略全容
・政府「若者雇用対策法案」(仮称)
・所得税法を含む関連法改正案
・内閣官房「キャッシュレス化に向けた官民一体での対応」
・政府、日本郵政の計画案(改正郵政民営化法)
・経済産業省ロボット革命実現会議
「ロボットオリンピック」
・国土交通省のリニア経済効果初試算
・文部科学省「スーパーエコスクール」実証実験
・厚生労働省企業年金部会の確定拠出年金改革案
・国家公務員のテレワーク推進行程表案
・中央教育審議会「多面的総合評価」答申
【企業/大学全国区】
・米グーグル「Google Lunar XPRIZE」
・TOTOの次世代「ウォシュレット」開発
・角川文化振興財団「東アジア漢字データベース」計画
・総合研究開発機構(NIRA)「移りゆく日本に関する研究」
・経団連『「豊かで活力ある日本」の再生』
【自治体/地域企業/NPOその他団体】
・国交省北海道局「北海道開発の将来展望に関する
とりまとめ」
・新潟市文化政策課「古町ハウス」開設(2015年3月)
・東京都「東京都長期ビジョン」
・東京都「東京の防災プラン」
・東京のしゃれた街並みづくり推進条例
・香川県の少子化対策推進条例素案
・北九州市の北九州空港「将来ビジョン」
・熊本市、大津町、西原村、南阿蘇村の森林整備協定
・沖縄県生活環境保全条例改正案
課題
近未来、未収録の未来などは次のとおり。
【今月登場した近未来】
・憲法改正国民投票(2016年)
・日本の電源構成決定(夏)
・統一地方選(1万5000議席)
・TPP日米合意(2-3月)
・米海軍横須賀基地のイージス艦配備(夏)
・ルーブルの変動相場制移行(ロシア中央銀行発表)
・日産エマージェンシーブレーキ全車搭載
・中国初の電機飛行機「鋭翔」量産
【今月登場した未収録の未来】
・アジアインフラ投資銀行(AIIB)構想
・多摩都市モノレール町田延伸
【今月決着した未来】
・人口動態統計の年間推計公表(厚労省)
・韓国人口の女性が男性を上まわる(2015年)
・豪中FTA調印(2014年11月)
・ロシア航空宇宙軍創設(2015年中)
・各県の総合戦略(2015年度中)
・貯蓄率ゼロ時代の到来(ニッセイ基礎研究所)
・2015年度内2%成長失敗
・新オレンジプラン発表
・マクロ経済スライド導入(公的年金の目減り)
・原発5基の運転40年到来→廃炉
・大阪都構想住民投票(5月)
・北海道新幹線札幌開業
・インドネシア、日本からの観光にビザ免除
・SENRITOよみうり2015年夏、一部開業
・トヨタ燃料電池車MIRAI発表(2014年12月)
【用字用語】
1)古町=こまち(新潟)
2)武豊=たけとよ(愛知)
3)西海市=さいかいし(長崎)
以上、お知らせいたします。
※引用、転載は出処を次のように明記してください。
※Future Lab 未来人「Future Report 2015年2月号」
Future Lab 未来人
Copyright(C)2015 MIRAIJIN